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DAY2-③【土壌×データ】

屋久島と地球の未来会議2023のDay2では、9つのテーマに分かれて、
長い時間をかけてOpen Discussionを行いました。
ここでは、「青い地球と共に私たちはどう生きるのか?」という大きな問いと共に、屋久島と地球に関わるあらゆるテーマを設定し、島内外からゲストをお招きして、参加者も一緒に一体となって対話をしていく場となりました。対話を通して未来に向けたつながりや営みをつくり、屋久島から青い地球と共に生きる、希望の声を届ける時間となり、未来会議を終えた今すでに、新たなアクションがたくさん生まれています。
そんな希望が溢れたセッションそれぞれの様子をまとめてますので、
最後までご覧ください😊

未来会議全体の様子はこちらから↓

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学生ボランティアのあゆみです!
この記事では〜屋久島と地球の未来会議2023 DAY2〜
オープンディスカッション「土壌×データ」の様子を
私の感想を交えつつお届けします。

画像微生物を共通のテーマに集まった3人

「田中俊三は微生物の船の名前なんです」

データで土の中を覗いてみるゲストスピーカー
プロフィール
 →「田中俊三は微生物の船の名前なんです」

田中俊三さん

排水は微生物の力で浄化して、さらにそれを畑の野菜に撒いて、
植物の蒸散の力を借りて完全に飲める状態にまで戻します。
自然に負担をかけない生活ではなく、
自然をよくしていく暮らしを、屋久島に訪れた人に広めていく。

aperuyでの実践をベースにしたお話を聞きいていくと、
"まずは手の届く範囲を変えていく"という
俊三さんの強い信念を感じました。

その中でも特に印象に残ったのは自分の中の微生物の話。
俊三さんは
「僕が海に行きたいなぁと思ったとして、
 それは僕の中の100兆個の微生物たちが、
 ガヤガヤと会議をした結果なんです。」
と語ります。

俊三さんの中の主役はあくまでも微生物なのです。
俊三さんの自然や微生物に対する謙虚な姿勢の秘密は、
この言葉にあるのではないだろうか。

主役は微生物…私はその微生物の乗り物。
この自分の捉え方には初めて出会いました。
「私が、私が」「自分が、自分が」という気持ち。

その気持ちは時に、自分の視野を狭め、苦しめる事があります。
だからこそ、たまには自分の中にいる
100兆個の微生物たちの声に耳を澄ませて行動すること
それは執着に囚われ無い人生を送る一つの方法なのでは?と
私の中の微生物がささやいています!

家の中のヨーグルトって何だろう

地球上に存在する哺乳類や植物などの生き物を、
質量順で並べるとダントツで微生物の割合が大きい。
それを聞いた時あまりピンと来ませんでした。

目に見えない微生物のような存在はやはり身近に感じにくいものです。
しかし、微生物の多様性は、
私たちの免疫機能を高め、感染症蔓延のリスクも下げる。
彼らは目には見えないけど私たちを守ってくれる
守護神のような存在だといえるでしょう。

そんな彼ら微生物を研究し続けて10年の伊藤さんは
「都市に人口が集中する現代で、
 家の中のヨーグルトは何なのかと考え続けた結果、
 BIOTAを始めました。」と語ります。

株式会社BIOTAは、都市で人々が微生物に触れ合えるような環境づくりや、アートや展示会を通して微生物に対する「よくわからなくて怖い」といったイメージを変えていく活動も行っている。

伊藤さん 学生時代は地下鉄の駅員さんに怪しまれながら微生物を採取していたそう。

家の中のヨーグルト…微生物をより身近に
感じる事ができる良い言葉を知ることができました。
ぬか床も微生物と人が触れ合える環境らしい。

私も出た生ごみは家のベランダのコンポストで分解を試みています。
これも家のヨーグルトかも??微生物の世界とわたしたちと
繋げてくれる架け橋である伊藤さんやBIOTAの活動を追いながら、
コンポストも継続しながら、
「微生物と仲良く過ごす」を来年2024年の目標にしようと思います。

データで土の中を覗いてみる

太田さんは、デジタル×地方創生の分野で約20のプロジェクトを進めながら、日本中をぐるぐる飛び回っています。

そんなパワフルな太田さんから、
今回はシビックテックというテーマでお話を聞きました。

シビックテックとは、
テクノロジーを活用して”市民”が社会課題の解決を行う領域のこと。
太田さんはデジタルの専門家として、
見えない土中環境データを誰でも測れる技術を活用して、
日本中の土の中の世界を、そこに住む人々と一緒に覗いていく
ような取り組みをおこなっています。

土壌環境を中学生でも簡単に測る事ができるキット

奈良県の奥大和で行われたMIND TRAILという芸術祭では、
電球の回路を土の中に這わせ、土中環境の水分の割合が多ければ
電球に光が灯る、というワークショップを行ったそうです。

数値やデータだけで土壌環境にいついて想像するのは、
サイエンスに親しみのない一般市民にとっては難しい。
しかし、アートはその数値を見える化して、
サイエンスと私たちの間にある壁を壊すことができる。
さらにその感動を隣にいる人と分かち合うこともできる。

シビックテックでは、このように専門家だけではなく、
多様な立場の人間を招き、共に活動することで、
土壌環境や自然に対するハードルを下げていくことができます。

会場の様子

私自身、サイエンスのメガネで土壌環境を見ていくのは、
難しく面白くないものだと思い込んでいました。
しかし太田さんのような人がドアを開けてくれているなら、
データやサイエンスの視点から土の中を覗いてみたいと思いました。

《文:学生ボランティアあゆみ》

登壇者
 田中俊三さん、太田直樹さん、伊藤光平さん
モデレーター 波崎大知
 

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