見出し画像

お勧めのハウス栽培のモニタリングシステム! (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。農業IoTなど農業のデジタル化は徐々に進んできています。そこで今日はハウス栽培の栽培環境を見るためのモニタリングシステムについてお話したいと思います。モニタリングシステムは、ハウス内にセンサーを設置し、ハウス内の温度、湿度(飽差)、CO2濃度、光量など光合成要素を継続的に記録し、PCやスマホなどでいつでもハウス内環境の状況・変化を把握するためのシステムです。また、設定をしておくことで、例えばハウス内温度が異常に上昇した場合にメールなどでアラートを発信して知らせてくれるなどの機能があります。このシステムにより、生育環境を“見える化“できることで植物生育の課題を発見し、対策していくことで、作物の品質や収量をアップさせていくことができるメリットとともに、植物という“生き物”を育てているため生育期間中はハウスを離れることができない、、という農家の生活環境も改善することができるので非常に便利なツールです。
モニタリングシステムはメーカー各社よりいろいろ出されていますが、その中で私が特に人気があると感じているものを2つ紹介します。
1つは株式会社farmoの「ハウスファーモ」と2つ目は㈱セラクの「みどりクラウド」です。

●ハウスファーモ
まず株式会社farmoの「ハウスファーモ」ですが、
①     設置が簡単
②     低コスト
③     見やすい
④     電源が要らない
⑤     接続可能なセンサーも豊富

等が特徴として挙げられます。

①     設置が簡単
ファーモの設置は面倒な工事などいらず非常に簡単です。1.通信機をコンセントにさし、LANケーブルでインターネット環境に接続する、2.ファーモ本体をハウス内の計測したい場所に設置し、スイッチをオンする、3.ファーモのアプリをダウンロードし、アプリから製品IDを登録して完了。

たったこれだけなので、設置に15分程度でできてしまいます。すごく簡単ですね。

②低コスト
ファーモは初期導入費用も低価格な上にランニングコストが原則かからないというのが非常に大きな魅力です。必要なセンサーの数にもよりますが、ファーモ本体が約10万円程度(ECや土壌水分センサーを入れると19万円弱)、通信機が53,900円ですので、おおかた20万円もあれば導入できることになります。しかも自前のインターネット回線があればランニング費用は掛かりません。(価格は2023年2月時点)

これぐらいのコスト感で温度、湿度、飽差、地中温度、生長点温度、照度、CO2濃度など一通り必要なデータを測定することができます。

③見やすい
また、PCやスマホで計測したハウス内環境データを見ることができますが、表示が非常に見やすく親しみやすいものになっています。
画面を切り替えることで「現在のデータ」「グラフによる時系列データ」を表示することができ、さらにデータが異常値を示した場合はメールアラートを飛ばして以上になっていることを教えてくれます。

④電源が要らない
最後にこれもファーモの大きな特徴の一つですが、電源が不要ということです。農業ハウスには電源が来ていないこともしばしばあります。ファーモは太陽光で発電し、内蔵されたバッテリーに充電して稼働していますので、夜でも天候の悪い日でも24時間稼働します。電源のない農業ハウスでも簡単に導入することができます。
ただし通信機には電源が必要ですので、本体から2km圏内の通信機の設置場所には電源が必要です。

⑤接続できるセンサーも豊富
栽培環境管理で必要な「温度」「湿度」「照度」「飽差」「CO2」「地中温」「生長点温度」「地中湿度」「土壌EC」などのセンサーが接続可能で、非常に充実しています。栽培品目に応じて、必要なセンサーをチョイスすることもできます。

初期費用が安くて、ランニング費用も掛からず、設置が簡単で、見やすくて、計測できるデータも多い。人気があるのがわかりますよね!

●みどりクラウド
こちらも人気のモニタリングシステム㈱セラクの「みどりクラウド」。こちらは既に実績も多く、システム的にも作り込まれた感じの優れモノです。みどりクラウドは通信方式によってwifiタイプと4Gタイプとがあります。

特徴はというと、
①     接続できるセンサー数が多い
②     価格も比較的安価
③     見やすい
④     環境制御にグレードアップができる
⑤     データの共有ができる

等が特徴として挙げられます。

①     接続できるセンサー数が多い
基本セットはカメラ、温湿度センサーのみですが、オプション追加で温湿度センサー、温度センサー、日射センサー、CO2センサー、土壌水分センサー、土壌複合(水分、地温、EC、水位)センサー、風速風向センサー、pHセンサー(養液のみ)など有線で6種類16台、無線で20台の合計36センサーを接続できます。
特に私が気に入っているのはカメラが標準装備されているところです。データを見ているだけではどうしても不安であったり判断しかねることもあるので、カメラで樹の状態を見ることができるのはすごく有難いですね。
またこれだけのセンサー接続ができれば、連棟ハウスなど大規模のハウスでも1台でしっかりとデータ管理ができます。

②価格も比較的安価
価格は基本セット(カメラ、温湿度)で20万円程度であり、センサーを追加すればその分だけ加算されます。
例えば果菜類用に基本セット+日射センサー+CO2センサー+土壌複合センサー+延長ケーブルにした場合はだいたい30万円くらいが目安になると思われます。

③見やすい
こちらもPCやスマホで見ることができます。見やすさはファーモに負けず劣らず作り込まれた画面で非常に見やすくなっています。現在値、時系列データも見ることができますし、アラート機能も付いています。

④環境制御にグレードアップができる
モニタリングシステムを導入してしばらくすると、「ハウス環境を見ることができてもコントロールできない」ことにもどかしさを感じるようになってきます。そこでみどりクラウドは環境制御盤と連携してハウス内環境の制御ができるようにグレードアップすることができます。(連携できる環境制御システムは「ふくごう君」)

⑤データの共有ができる
生産部会メンバーや同じ栽培作物の仲間とデータ共有することができます。これにより篤農家のデータなどと見比べたり、病害虫の写真を共有したりして、仲間でレベルアップをしていくことが可能となります。

チャット機能で情報のやり取り
環境データを仲間で共有

わたしの個人的としてはファーモは初心者導入向け、みどりクラウドは比較的上級者向け的なイメージを持っています。

私はどうしても「樹の状態」を目で見たいタイプなのでカメラが付いているみどりクラウドが好きですが、みなさんの目的や重視したい内容によって選んでみてください。

(出典は各社カタログより。)

【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAIL t.ogawa19720117@gmail.com

【関連記事】--------------------------------------------------------------------


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?