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ラジオパーソナリティに憧れた過去

この前note巡りをしたときに、20代の人がラジオ(音声)配信しているのを聞いた。そのときは特別に何も感じなかったのだけど、今になって急に思い出した。

そういえば小学生の頃は、ラジオパーソナリティになりたかったんだっけ。本の朗読は得意だったので、ナレーターもいいなと思っていた。ラジオをまねてラジカセのマイクに向かって何かをしゃべり、テープに録音した。

しかし、わたしにとっての悲劇は、録音した声を聞いたときに起こった。

――な、なんだこの変な声は!!鼻声みたいだし、高くて気持ち悪い!!

当時のわたしは、身体の中で響く声と、外に聞こえる声が違うことを知らなかった。何度も人に聞かせては、
「こんな声じゃないよね!?」
と、気持ちの上では半泣き状態で尋ねた。

でも、帰ってくる返事はこればかり。
「いやぁ、みずきの声はこんな声だよ」

これ以来、自分の声が嫌い……というより、聞くのが怖くなってしまった。

月日が流れ、恐ろしい思い出を忘れかけた頃にふたたび、自分の気持ち悪い声が反響して聞こえてくるという悪夢のような出来事が起こった。重度の人見知りだったわたしが勇気を振り絞ってようやく、今より設備の整っていなかったカラオケバーのレーザーカラオケで歌ったときだった。

――なんだこの安っぽい伴奏は!?しかもなに、やっぱりあたし、こんな酷い声なの??やだよ~

しかも、当時のカラオケはレコードやCDに忠実じゃなかったから……原曲キーで歌いたい身としては、曲の初期設定でキーが下げられていて余計に焦った。いろいろ想像と違ってショックでたまらず、トラウマ復活。

それでも怖い物見たさなのか、数回に一度は歌ってみる。しかしやはり受け入れがたい。しばらくこの繰り返しだったが、格段に音のいい通信カラオケが出てきてからは自分の声を気にせず歌えるようになり、トラウマは一応解消された。

ただ、自分の話し声は未だに聞きたいとは思えないので、ラジオ配信・音声配信にはやっぱり踏み切れない。落ちついた声の人が羨ましい。

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