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読書メモ|運動脳|アンデシュ・ハンセン

運動を終えるとコルチゾールの血中濃度が下がり、次回からはあまり上がらなくなる。また、ストレスのブレーキペダルである海馬と前頭葉が強化され、不安の引き金である扁桃体の活動が抑えられる。さらに脳内の興奮を鎮めるGABAの作用が活発になる。加えて筋肉がつき、ストレス物質(キヌレニン)を無害化する働きが促進される。

ADHDの治療は薬でドーパミンの分泌量を増やして集中力を改善させる。
わずか5分ほど身体を活発に動かすだけで子供の集中力が改善されADHDの症状も緩和された。双子の実験でも同じ結果が得られた。つまり、集中力の違いは遺伝子や環境ではなく、生活習慣によることを示唆している。

実のところ全てのひとの脳は少しずつ縮んでいる。25歳ごろから1年で0.5%ずつ小さくなっている。だが、うつ病になるとそのスピードは加速する。うつ病のせいで脳細胞がつくられなくなるのではなく、脳細胞がつくられないために意欲の低下が引き起こされるのだ。脳細胞の新生を促すのはBDNFである。BDNFの生成を促すのに運動ほど効果的なものはない。BDNFは血液脳関門を通過できないので薬などで人工的に投与することはできない。

海馬は1年で1%縮むが、持久系の心拍数の上がるトレーニングをしていると成長して2%大きくなる。海馬は運動によって最も恩恵をうける部位。

村上春樹は、作品の執筆中は毎朝4時に起床し、10時まで仕事をする。昼食をとったのちに10キロのランニングを行い、それから水泳をする。そのあとは音楽を聴いたり、読書をしたりして過ごす。そして夜の9時には就寝する。
アルベルトアインシュタインは、自転車を漕いでいるときに相対性理論を思いついた。

わたしたちの祖先のなかで最もよく活動したものが食料を豊富に調達して絶滅から逃れ遺伝子を残すことができた。そして活発に動くとBDNFが大量に生成されるため脳が大きくなる。彼らの子供は生まれながらにして少し脳が大きく、そのなかでも特に活動的なもののみが生き残った。

毎朝(今日はジムを休もう!)と葛藤していたけれど、この本を読んでからジムを休もうと考える日はなくなりました。実際、1日のうちでいちばんご機嫌なのは、トレーニングを終えて職場に向かってる時間です。また、ジムでのランの時はYouTubeを見ながら勉強や情報のインプットをしています。

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