救いの手
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私はそのうちに週3日の出勤でさえ務められなくなっていった。
起きあがろうとしてもどうしても体が動かず、ずっと布団にくるまったまま1日を過ごすことも出てきた。
生きるために必要最低限のことしかできず、出勤するのに崖から飛び降りるくらいの莫大なエネルギーを必要とした。
やっとのことで出勤したとしても、頭の中は常に靄がかかっているような状態で、ボーッとしたり、駅のホームで立ち眩んで倒れそうになったりした。
それでもそれが病気であるという認識は全くなく、ただ私のやる気の問題だと思い込んでいた。
そんなわけで自然と勤務日数が減り、ある日とうとう、本当に動けなくなって仕事を辞めた。
布団の中で私は泣いた。
どうしてこんなことになったのだろうと、どうしようもない問いを何度となく考えた。
両親のことを思い出し、何も親孝行できていないことの申し訳なさで死にたくなった。
こうしていても誰にも必要とされることのない私が、生きる意味などあるのだろうか。
そうこうしているうちに、貯金はみるみる減っていき、底をついてしまった。
不意に実家に帰ろうと思い立ったが、その交通費さえ手元にないのであった。
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