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No.2 週間見る研

週刊見る研を、お送りする。今回は、鹿児島市荒田町を歩いたときに考えたことを中心にスマートシティ構想の問題点の話を書きました。見る研創設者でリーダーの川崎敬介の文章を、毎週金曜日掲載致します。

川崎敬介
2004年うまれ。見る研のリーダー。メタボリズムについての文章で躓いてる最中。見る研最高!

1,街歩きの可能性

街歩きをした。街歩きの可能性について考えるイベント初回になったなと思った。どういうことだろうか?

ぼく、見る研の池翔太、ラジオパーソナリティのさんぺい氏、男子小学生のポヨヨン太郎で鹿児島市荒田町を歩いた。お題は、「看板の観察」。この日二万歩歩いてたらしいが、それはさておきひたすら歩いた。

途中の公園の名前にツッコミをし、ぼくは「21世紀型店舗は看板不要」ということを言い切り、小学生のポヨヨン太郎はとにかくおおはしゃぎ。街のつくり、店のコンセプト、建築の外観、都市計画構想、様々なことを話しつつ、もっと雑多な対話があった。いまの時代に必要なのに、余りやられてないアクションはこの見る研の活動ではないだろうかと確信するに至った。

公園

皆で集まり、雑多にコミュニケーションを交わし、ある程度の公的なコミュニケーションを交わす対話の空間。まちづくりでもなく、デモでもなく、熟議でもなく、勉強会でもなく、アテンションエコノミーでもない空間。歩きながら雑談をしてる最中に都市計画についてのコミュニケーションが発生し、参加者がポツリと一言いえばその一言が壮大な話につながり得る空間。

ルンビニーってなんやねんbyさんぺい

ぼくの尊敬する哲学者の東浩紀ならばこれを誤配と呼ぶはず。誤配の空間としての見る研の活動。いまは、見る研の運動の論理を練ってる最中である。恐らく見る研を運営し主宰するという経験は、ぼくの人生に大きなことに繋がる話になりそうな気がする。その兆しとして第一回の街歩きがあった。

2,効率的な街と、その外部

鹿児島市荒田町は、スマートシティとシェアリングエコノミーの実験の場として街を運営している気がする。
恐らく自然発生的にそうなっているのだが、スマートシティの問題点とシェアリングエコノミーの問題点が露骨に現れてるように思えた。まずスマートシティとは何かというと情報技術を活用したまちづくりのことで、効率的な経済の仕組みとまちづくりを設計するための構想である。移動もスムーズ出来た方がいいし、シェアリングで経済をまわした方が良いし、情報技術を活用してクリエイティブな社会を作った方がいい。

確かにその理念には共感するし正しい考えだとは思うが、そこには取りこぼされる人もいる。簡単に言ってしまえば病人と障害を負った人間は、取り残されてしまう。スマートシティは健康な人間であればこのうえなく便利なまちづくりである。シェアリングの自転車で移動し、電車で遠出し、コーヒーショップや公共施設で人々と交流し、相互作用的にクリエイションを促し、SNSでそれをシェアし、情報技術を活用して情報収集、クリエイション、シェアリング(今後はメタバース等も更に充実していくだろう)を更に加速させて多様性ある社会を運営して行く。

然しその横で、移動に困難がある人、身体が不自由な人、何かしらの理由で他人と交流が出来ない人等々の疎外を強めて行く。その人たちも安心して暮らせる社会は、どのような社会なのだろう。現時点のぼくにはわからないけど、今後も考えて行く必要はある。

3,歩くこと、話すこと

黒川紀章の『都市デザイン』(1965年)を読むと、現代人にとっての休息に必要な要素として長い散歩を支援する道路が必要だという旨のことが書かれている。この文章を読み、そして街歩きをしてみて思ったことがある。

今の21世紀に必要なアクションとは、長い散歩を通して公共的なことを話し合うチームであり、アクションなのであると。そしてそれを支えるプラットフォームとして遊歩道、そして街歩き用の道路が用意されていると。実感としてやはり少し歩きづらかったように見える。

見る研的なアクションがあることを本当の意味で許容している社会だとは到底思えない。これが現時点での感想だ。見る研は何かとても先駆的な運動をしているのではと半ば妄想で語ってみる。

左は筆者、右がさんぺい氏

4,コーヒーショップと観葉植物

街歩きの最中に、観葉植物のお店に立ち寄った。こんなお店があるのかととても感動した。とてもお洒落で、品揃えも豊富な観葉植物のお店。観葉植物で商売するってとてもいいなと思った。

観葉植物は恐らく会社のオフィスに飾る用と、趣味しかない。贈り物としてあげる訳でもないし、墓に飾る訳でもない。プレゼントとしてあげるという可能性はあるかもだけど。この誰とも勝負してない感じが、観葉植物のいいところなのかもしれない。

そして色々歩いた後に、コーヒーショップに立ち寄った。コーヒーイノベートという店だが、そこで展示をやっていたブックスセルバという店の店主の杣谷さんがセレクトした本たちだ。本も誰とも勝負してないな。そして、コーヒーを飲んでいる間にラッパーの泰尊も店に入ってきた。とにかく情報量の多い1日となった。効率化の進む街の中で一つのパルクールとしてありたいとnoteに書いた。その希望を感じる1日となった。

仲良し仲良し


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