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やがていつか終わる人生と、わたしたちの見たい未来

なんでか、高校生の頃の私は、授業をサボるのが青春だと思っていた。
提出物はギリギリのほうがいい。テストよりも大切なのは放課後のプリクラだったし、スタバのフラペチーノだった。毎日を笑顔で過ごせた。たまに悩むことは、恋か部活だった。

勉強は学びなおせると、当時から思っていたからかもしれない。授業中のコソコソ話や、体育の創作ダンスは、今しかできないと思っていた。

そんな誰かにあててかはわからないけど(しいていうなら自分自身に)、作っていた借りを返したいと思ってきた。2024年。

あの頃の勉強は、ただのカリキュラムであって、私が学ぶ必要がないと思っていた。はやく自分でお金を稼ぐようになりたくて、専門学校へ進んだ私に何度も父は「大学いかなくていいのか?」と言ってくれた。
でも私はまだ人生を自分のパドルで進んでいる感じがしなくて。何を学べばいいのかわからなかった。

過去には話せなかったこと。でも今は、私はどんなことをこの人生でしていきたいのかを話せるようになった。

新卒の頃に選んだ会社は文化財を扱う会社だった。
「行政の力だけでは保てない歴史的に価値のある文化財を、民間の企業によって未来に残していくこと」、そこから「地域に雇用を生むこと」。私はそのビジョンに共感したし、当時から長い時間を経て、今に残ったものは尊いという強い思いがあった。

伊勢神宮への参拝はいつもよりドキドキするし、樹齢が500年以上の木にはパワーを感じるし、戦前から残る建物は今を生きる私たちに何かを訴えかけているように思えた。

その感覚は、社会人になり8年が経過した28歳の今でも強く感じる。

作品展という自分への問いかけ

2023年11月から12月にかけて開催した個展で、より私の見たい景色は明確になった。

長い年月をかけ、私たちの前に存在しているもの。写真展の題材である、京都の街並みやエジプトの遺跡群。
私は自分が一生で経験できないであろう時間の経過をたどってきた物に対して、私という主語がなくなる。「私が見ている」のではなく、「それらが私の前に現れる」という感覚に近くなる。意味を感じている。

私は人は生まれ変わると考えている人間だ。
一度の人生ですべてが無に帰るには、生き物の命は短すぎる。魂、というと少し大きな話に聞こえてしまうかもしれないけど、ちゃんと魂には人生の回数を重ねるほど、あたたかさも厚みも、痛みも増えていく。私たちは、わざわざいつかは無くなる体を介して、この世に生れ落ちるのだと思っている。

それが、見えない人の感情を想って泣いたり、怒ったり、喜んだりできる人間の不便なところであり、素晴らしいところだと思う。

人生の時間は長くても100年程度。そして平等に人は死ぬ。何度も生き返る体はない。
その絶対的な条件があるなか、自分の人生を何回繰り返しても到底追い付かないような時間を旅してきた物たちへ、言葉に言い表せない感謝のような価値を感じる。そしてそれを残していきたいとも思うし、今の私たちの暮らしで残せるものはなんだろうか?と考えるようにもなってきたのだ。

この感覚は私のものだと、やっと思えた。ゆるぎない価値観。
そして過去から今ではなく、今から未来という視点から考え出したのは今年に入ってからのことだった。そのきっかけは、写真展でもらったものだ。

自分が見たい未来

私の想像する100年後。
私が生きていないであろう未来の子どもたちに、私が感動したものや、瞬間を残したい。
大きな緑のなかで深呼吸する清々しさ。雪化粧をした京都の街が美しいこと。目が明けられないほど透き通った海の色。伝承されてきた技術、地産地消で生きている里山の暮らし。

そのための勉強を2024年からスタートさせたい。
具体的に言うと、地方創生や街づくりについての知識と、成功例などのノウハウ。人手・時間・場所など、不足を足らせるためのテクノロジー。
自分が残したいもの、価値があると思ったものを、だれもが笑顔で残すためには何か必要なのか。
マーケティング、経営、社会学、人文学、情報マネジメントなど多角的に勉強できる大学への編入を考えている。2024年はその足掛かりになるように動きたい。大学に入るための資金をやりくりしたあとにはなるが。笑

私は日本人が好きだ。
わずらわしい部分や、凝り固まったカタい風習も、真面目で集団主義の教育からマイノリティを知らず知らずに傷つけるところといった嫌いな部分もあるけど。笑
細やかで、逞しく、助け合える。日本に生まれてよかったし、もっと街や国が住みやすく、明るい時代になってほしいと思う。

過去の選択の末に、私は独立して仕事をするようになった。
それでも20歳ごろのときから大切にしている感覚は、一緒で、強い気持ちでこれは私の価値観なのだと言えるように、やっとなった。小さな一歩かもしれないけど、この人生は一度きりなのだ。
やりたいことを全部やる。大切なものを大切だと叫ぶ。未来は自分たちで作ると思っている人だけが、思い描く未来をつかみ取れると思うから。

#今年学びたいこと

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