ミサカエヨツヤ@428CXdesignworks

文章を書くことが好き。そして旅が好き。日々、思っていることや考えていること、それから、…

ミサカエヨツヤ@428CXdesignworks

文章を書くことが好き。そして旅が好き。日々、思っていることや考えていること、それから、旅行記などを書いています。ビジネス・プロセス・デザイナーで中小企業診断士。文章を書くのと並行して、「世の中をステキなCXに溢れる世界にする」ことをミッションとして活動しています。

最近の記事

見上げればいつも四角い青空#7 自分にも届く贅沢な時間の使い道

「・・・」 マンションの集合ポストの前で郵便配達員の横に無言で立ち、自分あての手紙を一刻も早く受け取ろうとする主人公の姿が印象的だった。映画「P.S.I Love You」(2007年)では、突然亡くなってしまった夫から主人公あてに届く手紙から物語は展開する。主人公は、いろいろなタイミングで手紙を受け取るたびに、少しずつ人生をリセットして、前を向いて歩き出す。 ボクは、手紙を送るのも、もらうのも大好きだ。 メールが普及し始めたころ、手紙はその役割のほとんどをメールに移す、

    • 見上げればいつも四角い青空#6 那須にて影絵に浸り、沼る

      初めて出会ったのはいつの頃だっただろう。 小学生になるかならないかそのぐらいのころだったように思う。出会ったころは、暗く物悲しい印象を持っていたことを憶えている。 今、改めて観ると、その当時の影絵は、主題と比べると随分と大人びた絵で、今風に言えば「大人の・・・」とタイトルをつけたくなるような、そんな絵だった。 ボクが出会った当時、黒い影と白い光の作品に、原色の光が入り始めたころだったようだ。オリジナルのモチーフである小人や目が大きく描かれた人物像と風景を、物語の解説文と一

      • 見上げればいつも四角い青空#5 「おやつ」はいつだって心を揺らす響き

        「カルビーのポテトチップス♪」 昭和末期に小学生だった世代には、たぶん口ずさめるくらいに刷り込まれているフレーズ。 調べてみると、サウンドロゴというらしい。 最近、すっかりこのサウンドロゴをテレビでも耳にしなくなったのは、このサウンドロゴを流すコマーシャルがほとんどなくなったからなのか、そもそもボクが、テレビをあまり見なくなったからなのか。 当時、自分で自覚していたかはともかくとして、鍵っ子だったボクにとって、ポテトチップスはおやつの定番で、心が弾むものでもあった。 その

        • 見上げればいつも四角い青空#4 新緑のころに思う

          さわさわさわささわーっ♪♪♪ ここちよい風が新緑の葉を揺らす ボクは今、きれいな青空の下、新緑の木漏れ日の中を歩いている。 あなたは今、どんな季節を過ごしているだろう。 春の訪れを告げる新芽の時期に心を躍らせ、春が、街中を覆い尽くしていると感じるほどの、あの華やかなピンク色に染められた季節を過ごした後に、そうーっと、でも力強く、いつの間にか訪れているあの新緑の季節だ。 夏の走りともいいたくなるほどのこの新緑のころには、来たる夏に備えるように、歩道に植わっている木々は、青

        見上げればいつも四角い青空#7 自分にも届く贅沢な時間の使い道

          見上げればいつも四角い青空#3 いただきものには福来たる

          青空と春の陽気に誘われて、いただきもののチケットを手に、散歩がてら広尾にある山種美術館を訪れた。 いただきもののそのチケットは、抽選に当選していただいたもので、同美術館で開催中の特別展「花・Flower・華2024」の鑑賞チケットだった。 初めて訪れた山種美術館は、落ち着いた雰囲気の、とてもきれいな美術館だった。 展示会場は地下。 チケットを切ってもらい、階段を下る。階段には、金色の鶴が描かれる壁画があり、導入の気持ちを高めてくれる。無知なボクは、後にこの金色の鶴が、この

          見上げればいつも四角い青空#3 いただきものには福来たる

          見上げればいつも四角い青空#2 さくらの季節が終わる

          今年の、さくらの季節が終わる。 3月上旬にとても暖かい日が幾日か続き、当時は3月中旬が満開になると言う。 それを聞いたボクとうちのおくさまは、紀尾井坂のさくらが見えるレストランを予約し、楽しみにしていたのに、それから突然寒くなって、蓋を開けてみれば、東京では何年かぶりの4月の開花宣言となった。 そうして、ボクらの目論見は、もろくも砕け散った。 そんな個人的な紆余曲折を経て、今年も、飯田橋から市ヶ谷にかけてのお濠を挟んで咲く桜並木や、市ヶ谷から上智大学の横を通ってホテルニ

          見上げればいつも四角い青空#2 さくらの季節が終わる

          見上げればいつも四角い青空#1

          あなたが見上げる青空は、どんな青空だろう。 ボクが、江戸城を囲むこの辺りに住み始めて、いつの間にか20年以上が経過した。何度か引っ越しもしたけれど、ボクの部屋から見える青空は、いつも高いビルの壁面に切り取られた四角い青空だ。 「東京なんて…」 東京への転勤が決まった当時、ボクにとっての東京は、永住の地というよりも、どこの田舎にもいる若者と同じように、少しの間、遊びもかねて滞在する、外国にも似たような別世界だった。 だからこそ、東京にこんなにも長く住むなんて考えてもいな

          見上げればいつも四角い青空#1