Misaki

中部ジャワの影絵人形芝居ワヤン・クリの研究をしています。マンゴーが好きです。 人形遣…

Misaki

中部ジャワの影絵人形芝居ワヤン・クリの研究をしています。マンゴーが好きです。 人形遣いダランやガムランの演奏家としても修行中。研究を続けながら、いつか日本中、世界中で演奏活動するのが夢です。 2023年秋からのソロでの2度目の修行の日々をつづります。

最近の記事

すてきな贈り物

最近とても嬉しかったことがあったので書いてみる。 先日出演した演奏会は、出てよかったというところに落ち着いて、それ自体には嘘は一切ないのだけれど、実際のところ、あれから数日抜け殻になっていた。 (先日の話はこちら。) 体力的にもダメージだったらしく(そりゃ週に3回ワヤンに行って本番もなんて疲れる、でも楽しかった)、記事に書いた以外にも色々と思うところがあり、数日落ち込んでいた。本当はその数日でやりたかったこともあったのに、うまく体が動かず、もやもやとしていた。思えば、こ

    • ありがとうワールドダンスデー

      4月29日はワールドダンスデー(Hari Tari Dunia, こちらの人はHTDと呼んでいる)で、芸術大学のISI Soloでは大規模な舞踊のイベントが行われた。大学のキャンパスのあちこちで、ステージが組まれ、ジャワ舞踊から、海外の芸能、新しく創作された作品にいたるまでありとあらゆる舞踊を観ることができる。わたしはその中で、とある企画で昼と夜に2回ガムランを演奏することになった。 https://www.youtube.com/live/WrSzbmMMq8w?si=l

      • 断食明けの帰省(mudik)

        イスラーム教徒たちにとっては3月半ばから1ヶ月ほど断食(ラマダンramadan)がある。インドネシアでは断食が終わる前後に10日ほどお休みがある。こちらでは、レバランlebaran(断食明け大祭)が日本のお正月みたいなものだそうだ。人々は地元に帰省し、家族で集まり、ご馳走を食べて、レバランを祝う。子どもたちはお年玉のようなお小遣いをもらったり、家族でお揃いのお洋服を揃えて写真を撮ったりすることもあるようだ。 わたしは以前2018年から2021年まで留学していたことがある。2

        • ワヤンの楽しみ(1)

          「なんでワヤンが好きなの?」 と聞かれることがあるけれど、実際ひとことで答えるのってなかなか難しいなと思っている。ワヤンの上演そのものやガムランが好きというのはもちろんのこと、そのほかのワヤンにまつわるいろいろも含めて、わたしはワヤンが好きだから。なので、いくつかに分けてわたしのワヤンの好きなところを紹介したいと思う。 これを書こうと思ったのは、立て続けに遠くにワヤンを観に行ったから。わたしはまず、特に遠くにワヤンを観に行くのが大好きだなあと実感したので、これを書きたくなっ

        すてきな贈り物

          バラタユダのワヤン

          中部ジャワのクラテンでは、断食月を前に特別なワヤンが上演される。それは、《マハーバーラタ》の大戦争バラタユダの場面を、昼夜1日かけて上演するというものである。 《マハーバーラタ》は、とてもざっくり説明すると、この物語の主人公であるパンダワ5兄弟と、そのいとこであるコラワ100人兄弟が王国を統治する権利をめぐって骨肉の争いを繰り広げる物語で、バラタユダはそのクライマックスにあたる大戦争を描いた一連の物語のことをいう。両陣営でたくさんの人が次々と亡くなるため、ダランにとってはひ

          バラタユダのワヤン

          雨の日のジャワ

          インドネシアは1年中暑いけれど、実は季節がちゃんとある。1年は大きく雨季と乾季に分かれる。 雨季はほぼ毎日、1日のどこかで(大抵は夕方近くなってから)雨が降る。しとしと長い時間降ることもあるけれど、ざーっと激しく集中的に降ることも多いので、雨が止むことを待つなんてこともしょっちゅうだ。 雨だとジャワの人々のモチベーションが急激に下がってしまう。特に雨と芸術家の相性はとっても悪い。日本だと、屋外の活動でない限り中止になることはまずなくて、雨でも人がきちんと集まる。けれど、こ

          雨の日のジャワ

          おいしいものの話① —ソトSotoの思い出編—

          幸運なことに、わたしにとって、インドネシアの食べ物はおいしいものが多くて、日本食が食べられなくても全然困らないほどである。おいしいローカルフードがあったらぜひ紹介してほしいと言われたことがあるので、まずソトsotoの話をしてみたい。(別のメニューについてもそのうち更新するつもりです。) ソトとは、スープの一種で、地方によって具や味付けは様々だ。ジャカルタの近郊では、ソト・ブタウィSoto Betawiと呼ばれるココナッツミルクの入ったクリーミーなソトが有名だし、ソロのソトは

          おいしいものの話① —ソトSotoの思い出編—

          グンデルでラジオ放送デビュー

          ひとつ嬉しいことがあったので書いておきたい。 グンデルは、ガムランの中の鍵盤楽器の一種で、私は、2018年に初めて留学してからというもの、いちばん力を入れて勉強している。両手で弾くというテクニックや、旋律の型の複雑さ、楽器や声についていくということの難しさからガムランの中では最も難しい楽器のひとつである。こうしたことから、合奏の練習では、何曲か弾かせてもらえることはあっても全曲にわたってグンデルを担当するということは、これまでのわたしには難しいことだった。 しかし、ついに

          グンデルでラジオ放送デビュー

          aikoと好きだった人にまつわる思い出と

          わたしには、狂ったようにaikoを聴いていた時期があった。それは前に好きだった人との恋愛がうまくいかなくなった時期だった。 https://music.apple.com/jp/album/%E3%82%AD%E3%83%A9%E3%82%AD%E3%83%A9/1109968323?i=1109968361 わたしは、普段ほとんどJ-popは聴かないのだけれど、なぜだかaikoだけは小学生の頃から大好きだった。世代がわかってしまうけど、キラキラは小学生の頃に好きだった曲

          aikoと好きだった人にまつわる思い出と