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雨の日のジャワ

インドネシアは1年中暑いけれど、実は季節がちゃんとある。1年は大きく雨季と乾季に分かれる。

雨季はほぼ毎日、1日のどこかで(大抵は夕方近くなってから)雨が降る。しとしと長い時間降ることもあるけれど、ざーっと激しく集中的に降ることも多いので、雨が止むことを待つなんてこともしょっちゅうだ。

雨がすごすぎて雨宿りしていた時の写真

雨だとジャワの人々のモチベーションが急激に下がってしまう。特に雨と芸術家の相性はとっても悪い。日本だと、屋外の活動でない限り中止になることはまずなくて、雨でも人がきちんと集まる。けれど、こちらでは雨が降ると色々な活動がすぐに中止になってしまうのだ。

特に困りものなのはガムランの練習。(ガムランの練習は屋内である。)ソロ周辺では毎日どこかでアマチュアのグループが練習を開いている。わたしは夜、友人とよく練習に出かける。けれども、夕方、雨が降ると練習がなくなってしまうのだ。19:30までに雨が降っていたらその日の練習はなしと決めているグループもあるほどだ。それだったらまだいいけれども、特に取り決めがないことも多い。何日か前も、「ワヤンの練習があるよ。」と誘われたから、その場所に行ってみたけれど、その前にほんの少しだけ雨が降っていたからか、その場所に着いても誰もいなかった。ちょっと雨が降っただけで練習が突然なくなる。

そういえば、何年も前の話だけれど、約束の時間に雨は降っていなかったのでとある練習に行ったら人が全然いなかったことがあった。戸惑っていると、運よくそのメンバーのおじさんが1人やってきた。練習はないのか聞くと、
「さっき雨降ったじゃない?だからないよ。」
そう言われて心底驚いたことが忘れられない。(え、言われてみたら確かに少し前には雨は降っていたけれど、1時間前には止んでいたはず。これなら集まれるんじゃないの…?)どこまでが「雨が降っている」なのか。わたしの感覚では雨はとっくに止んでいたのに…

そんなことを言っていたら、雨季はほとんど練習できないじゃないかと思うのだけれど笑。

雨の日の駅からの風景

影絵芝居の上演でも、雨が降ると、その日が土曜日でも、どんなに有名なダランでも、観客がぐっと少なくなる。バイク移動の人が多いし、影絵芝居は最近YouTubeでもライブストリーミングされることが多いから、出かけるのが億劫になるのかもしれない。わたしはちょっともったいないなと思ったりする。

雨になると急にモチベーションが下がるジャワの人たちなのだった。

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