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選ばれなかった花たち

今年になってから、花を買う回数が増えた。

去年はふと思いついたときに買っていただけだけど、今年になってからは毎週のように買っているかもしれない。

花を愛でている時間はとてもしあわせな気分になる。お気に入りの近所の花屋さんで、今週はどの子を家に連れて帰ろう、なんて考える時間からはじまり、ようこそ我が家へ!と花瓶にいけてあげる時間もまた笑顔になる。

笑っちゃうけど、起きたら花に「おはよう」「今日もキレイ!」って話しかけてる。(痛いよね?)

桜の木に付いてたミノムシに脅かされたこともあったな

チューリップ、ガーベラ、ラナンキュラス、スイートピー、ミモザ、トルコキキョウ。桜の木も買ったな。スイートピーはとてもいい香りがするんだってはじめて知った。ラナンキュラスは一輪でも華やかになるんだね。

近所の花屋さん。顔を覚えてくれててうれしい。

花屋さんにはたくさんの切り花が売られているけれど、売れなかった花たちは処分されるんだよね。もったいない。コロナが流行りだしたとき結婚式をはじめとしたイベント行事、お祝い事が自粛され花屋さんが悲鳴をあげていたことは記憶に新しい。

でも、花がある生活をしたいと考えるようになった人も増えたはず。花を買うことが習慣になって、やっと自分ごとになってきた。花屋さんで最後まで選ばれなかった花たちはどうなってしまうんだろう。

行き場がなくなってしまい、捨てられる運命にあるロスフラワー。コロナが流行る前から存在していたんだよね、知らなかっただけで。

サステイナブルが囁かれるようになって、花に興味を持つようになって遅いけれどやっと知った世界。枯れたら終わりじゃなくて、そこからまた命をつくる、ロスフラワーを救う人たちの存在を知った。友人もロスフラワーを救う活動をしている。アクセサリーの一部にしたり、ドライフラワーや、ハーバリウム、アロマワックスサシェとして生まれ変わることもある。

知ってしまったら、できるだけ長い時間家で花を楽しめるように、花を選ぶときにドライフラワーにしやすい花はどれか、長持ちする花はどれかを店員さんに聞きたくなるし、毎日きちんと水を変えたり、ドライフラワーを作ってみようかなと行動するようになる。

自分ごとにするって、時間がかかるなぁ。知って、興味を持って、調べて、感じて、行動に移す。どんなことでもまずは知ることからが肝心なんだ。

それを教えてくれたのは旅だった。無知で、世界のことなんて何も知らなかった。ただ、世界中の絶景が見たい!って飛び出したけれど、国の文化、宗教、戦争、価値観、そんなことを知っていくうちに、何も知らない自分が恥ずかしくもなり、少しずつ世界と距離が近くなっていくような気がした。そうしてやっと、世界で起こっていることは他人事じゃないって気づく。

花が思い出させてくれた。無関心がいちばん怖い。忘れちゃいけないなと、自戒の念を込めてここに残しておきます。

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