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エンディング産業展2020

デスカフェを主宰するようになり、葬儀や死に関する諸々の情報を集めるようになりました。
その一環として、業界の見本市であるエンディング産業展を見てきました。
初めて行ったので前回との違いはわかりませんが、全体をざっと見た所感をまとめてみたいと思います。

++トレンド① ペットの葬儀

ペットの葬儀にまつわる展示が結構目立ちました。
こちらはペットのお骨をICチップと一緒に1cmくらいのビーズ状のボールに入れ、それをあこや貝に飲ませて1〜2年かけて真珠にするというもの。

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貝が今どうなってるかも追跡しているそうで、その経過を定期的に飼い主さんに連絡してくれるそうです。
その連絡自体がペットを偲ぶことになり、グリーフケア的な効果もあるのだとか。

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このハーバリウムもやや似た感じのコンセプト。
ハーバリウムの中にお花と一緒にペットのお骨を入れたガラスボール(写真では赤い玉)を入れて、リビングに飾れるそうです。
手元供養の変わり種ですね。

他にもペットの葬儀用の火葬炉を搭載した車(ハイエースくらいのサイズ)とか、ペットを彫像みたいな置物として再現するとか、ペット葬向けの提案が多く見られました。

ペットも家族なので、身近な場所に飾ったりすることでグリーフケア的な効果も謳っているようです。
でもなあ…私なら写真とごく小さな骨壷にお花をお供えするので十分な気もするのですが…。

++トレンド② 棺や骨壷等のデザインの個性化

例えば棺だけでも華やかなスポーツカーのようなもの(フェラーリのような、真っ赤で中が革張り)があったり、一面に絵が描かれていたり、かなり派手で個性的なものも見かけました。
骨壷は陶器、磁気、キャラクター、ブランドコラボなど。
その中でも印象的だったのはこちら。

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最期に着るドレスだそうです。
前開きのデザインは着せやすく、棺に寝かせた時によく見える顔周りにフリルやレースがあしらわれています。
これ、闘病で痩せてしまった場合、腕や首が隠れるので、すごく良いような気がします。
旅立ちの時に白装束ではなく、普段着や思い入れのある服を着せることも多いですが、デザインによっては着せるのが難しい。
終活の一環で購入するのもありかもしれません。

++トレンド③ オンラインサービスあれこれ

ご時世柄、オンライン葬儀や墓参りサービスも出展されてました。
終活関連も対面ではなく、電話やオンラインで相談を受けるものも増えている印象です。
こちらは全体的に発展途上感があり、メディアで報道されている以上に目立つものはありませんでした。

++全体所感

小さな仏壇や骨壷、メモリアルジュエリー(遺骨ダイアモンドなど)など、手元供養の提案が多かったような気がします。
散骨サービスも結構あったので、現代の厳しいお墓事情が散骨&遺灰の一部を手元供養という組み合わせが増えているのかもしれません。

日本は核家族化が進み、今後は独身も増えるとなると、菩提寺やお墓がない人の方が多数派になるのはそう遠くないでしょう。
お墓は維持するコストもあるし、墓じまいや散骨でお墓を持たないという選択も理解できます。
ただ一方で、菩提寺もお墓もある私にとって、それらは必ずしも面倒でコストばかりかかる負の側面ばかりとは思えません。

お墓参りは、季節ごとに故人を偲ぶ大事な時間です。
そこでわざわざ親族が集まることも含めて、何かしら必要な装置のような気がするのです。
菩提寺も、普段は特に気に留めなくても、葬儀の時に馴染みのお坊さんが取り仕切ってくれる安心感は何ものにも変えがたい。
菩提寺がなかったら、葬儀を人前式にしない限りは派遣されてくる「はじめまして」のお坊さんにお願いすることになるので、気を使ってしまいます。

個人的には、もし菩提寺がなかったら、信頼できるお坊さんを探し、そのお寺の永代供養墓に合祀してもらえばいいと思います。
まず信頼できるお坊さんを探すことが難しい。
ただ最近は、インターネットで発信するお坊さんが増えてきたので、探すことは可能です。

でもそれ以前に、こういうことを予め考えようと思うかどうか。
とても大事なことなのに、それを考えるきっかけがないまま、選択肢もわからず、なんとなく「墓がないから手元供養で」という流れになってしまったら……。
そこに一抹の不安を覚えました。

死のこと、葬儀のこと、もっと話す機会を増やさなければ。

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