今まで生きてて1番衝撃的だった出来事。
色んな人が色んなことを言ってて、とても騒がしく愉快な世界だなぁと思う。
突然だけど、私の生きてて衝撃的だったランキング1位を発表しようと思う。
それは数年前のことだ。
私は最寄駅からの帰り道だった。
その日もいつも通り、大きめの川にかかっている橋を渡って歩いていた。
すると、目の前に後ろ姿が凄く綺麗な女性がいた。
歩き方もスタイルも髪型も全てに品があってパーフェクトだった。
モデルさんみたいに綺麗な人なその人はペットボトルのお茶を飲みほした。
あ、飲んだ。綺麗に飲むなぁ、首の傾き方まで綺麗じゃん。
私は見えない顎のラインまで想像していた。
美人は強い、やっぱいいよなぁと羨望の眼差しを向けていた。
そして、美人は空になったペットボトルを川に捨てた。
(・・・???・・・!・・??)
川に、捨てた。
美人はまるでそこにゴミ箱があるかのように自然だった。
片手で川の方向は見ずに、綺麗な立ち姿を保ちながらポイッと捨てた。
そして捨て姿でさえ美人だった。品があった。行為はものすごく下品だというのに。
綺麗な弧を描いて川に吸い込まれていったペットボトルも、何故かちょっと喜んでいるように見えた。
私のこの平凡な頭では到底理解が出来なかった。
もしかしたら、私の人生経験が浅すぎたのかもしれない。
あるいは、あの川はあの時本当にゴミ箱として存在していたのかもしれない。
いや、「ゴミは川に捨てるのよ」と美人のお母さんが教えていたというのが納得感がある。
世界は驚きに満ちている。
美人はやっぱり、とても強い。