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やさしい株式の発行と、共同体の一員としての株主

この度、多様な人も、動植物も、地球環境も、誰もどれも取り残さない「オールインクルーシブな社会」の実現を目指す、わたしたちSOLIT株式会社は、”やさしい株式”による資金を調達しました

これは従来の株主第一主義からの脱却であり、私たちが目指す世界における様々な関わり方をする多様なステークホルダーからなる共同体のあり方なのだとおもっています。

プレスリリースはこちらです👇


なぜ資金調達を決めたのか

愛のない力は暴力、力のない愛は無力。
利と情。
経済性と社会性どちらかだけに偏重せず、どちらも手放さず。
そんな人で、会社で、ありたい。

私は何かに挑戦をするとき、いつもこのキング牧師の言葉を思い出します。
社会活動どれにおいても、非営利団体であったとしても、持続的に活動をするには「資金」や「力」は必要。もちろん、私たちSOLITも。

ただ、従来の急成長・急拡大を前提とする資金調達は、本来その企業がありたかった状態を手放し株主第一主義と化し、従業員や顧客をはじめとした多様なステークホルダーをおざなりにしてしまうことはしばしば見受けられます。それは、私たちの目指す形ではありませんでした

しかし、私たちにとってここからさらに挑戦したいことが生まれたこと、そして改めて自分たちの目指す世界に向けて、より確実に到達するためには追加の資金調達をする必要があると考え、メンバーとの熟考の末、私たちらしい“やさしい株式“による資金調達をすることを決めました

私たちの実現したい社会は

私たちが実現したいのは、価値の多様性や価値観の選択が相互に承認され、自然、生物、人間及びテクノロジー等のあらゆる存在が健全に共存できている“All-inclusive”な社会です。その社会では、多様な人間も動植物や地球も、だれも・どれも取り残されません。

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しかし、思い描く未来は、私たちSOLIT 1社だけではとうてい実現できません。できる限り多くの企業・自治体・団体が参入する「市場」を創出する必要があると考えています。

そのため、そこに参入する価値があり、それらが持続的に成り立ち、存続することができるよう、ヒト・モノ・カネが回り続ける仕組みとしての「経済圏」の実現を目指しています

やさしい株式とは

「株式会社」でありながら公共善を重視する私たちの活動は、たくさんのプロボノによる尽力や、たくさんの応援・協力してくださる方々のサポートによって支えられています。

また、事業を通じて、多様なステークホルダーの方々からの、単純な取引・委託関係を超えた関わり方をしていただいていることによって、運営が成り立っているといえます。

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(たくさんの方にヒアリングへの協力をしていただいています)

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(中国にいるパートナー・連携先とのミーティング)

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(共同研究をはじめた岸和田リハビリテーション病院のみなさん)

日々の「時間」により貢献する人もいれば、「知識」「繋がり」「発信力」などの人もいる。それぞれが大切に培ってきた資本を、共通目的のために活用し互いに支え合いながら貢献する。この資本の種類や関わりの度合いに優劣はなく、それぞれの強みを活かし、弱みを仲間たちによって補填し合いながら活動をしています。

改めていうならば、SOLITは「“All inclusiveな社会“を目指す同志による共同体」であり、その中で株主は、そのビジョンに共感して「特に資金面で」貢献する、等しく尊重される存在一員である、といえます。


 
これは、創業時の定款にも記載しています。

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このような組織にとって「株式」とはどうあるべきなのだろうか。

そう考えたとき、従来の経済モデルとは異なる「株主」のあり方を自分たちの考える世界観の上で定義し直す必要があると考え、長期的かつ持続的な視点から“All inclusiveな社会“に相応しい「株式」をデザインし、資金調達を実施しました。

人が他者にやさしくできたとき。
それは自分本位でなくてもいいくらい、自分を愛し、満足し、
他者に目を向けられるようになるとき。
ひとりひとりが他者にやさしくできたとき、世界に平和が訪れる。

(金沢で登壇した時に一緒に登壇した方と夜ご飯に行った時に話したこと)

オールインクルーシブな社会における「株主」のあり方

ここまで読んでいただくと、金銭的リターンのある従来の「投資」に対して、私たちの考える「やさしい株式」は、株主がただ寄付をしているようなものじゃないか!と、頭によぎる方もいるのではないでしょうか。

そこで、私たちの考える、「株主のあり方」について簡単に6つご紹介します。これは、株主に限らず関わる仲間ひとりひとりにも同じように適用されています。

オールインクルーシブな社会における「株主」のあり方
1)SOLITの意思決定は、多様なステークホルダーの総意に基づきます。株主はその一員として、等しく尊重され、意思表明ができる存在です。
2)株主は、寄付・融資とは異なる形で、資金の提供という関わりからビジョンの実現を目指す一員です。
3)資金は、ビジョンの実現に必要な資源であり、人材や物資といった他の資源と同等に重要なものです。
4)資金をはじめ、多様な資本の提供は、自己の短期的な利益追求や投機といった意図のみには基づきません。
5)ここでは従来は株主のみが有してきた「議決権」が制約されます。その代わりに、ビジョンの未達等の理由によりSOLITが解散する場合には、残余財産の範囲で投資した資金の元本を返します。
6)SOLITのビジョンの実現を通じ、経済的・社会的インパクトが拡大し、その成果が配当や株式価値の向上に反映されることで株主はリターンを享受できます。


 私たちの考える「会社」とはどういう存在なのか、「資本」とはなにか、そして「株主」とはなにかといったことを、既存の枠組みに当てはめていくのではなく、あくまで自分たちの実現したい世界の世界観にあわせて枠組みを作っていきました。
 
もちろんあまりお手本となる前例が少なかったこともあり、この選択が正しいのか正しくないのか、うまく循環するのか否かはわかりません。
 
ただ、自分たちと自分たちが約束したことに嘘をつきたくないという、純粋な思いからこれらが作られたことを知っていただけたら嬉しいです。


やさしい株式設定における検討メンバー 一覧(敬称略)
荻原 国啓 / ゼロトゥワン株式会社 代表取締役社長・SOLIT 株主
山本 昌一 / 個人投資家・SOLIT 株主
堀尾 聡裕 / SOLIT ファイナンス担当
後藤田 翔 / SOLIT 税務担当
田中 美咲 / SOLIT 代表


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