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寿町の空になにを見る

去年の6月から寿町の食堂のお手伝いに行ってます。自称インターン

横浜・寿町は、大阪・あいりん地区、東京・山谷と並ぶ日本3大ドヤ街ね。
ちなみに全国で一番大きいのはあいりん地区。


昨年末は初めて炊き出しも行った。休憩時間に街歩きがあってツアーガイドさん(違)の話しをじっくりと聞いた。ものすごい寒いのに街の真ん中で立ちっぱなしのまま延々と1時間半くらい。内容はとても興味深かったけどとにかく寒かった。
「ホームレスを働かないなまけものだって言う人がいますが、こんな寒空に外に居続けることがどれだけ辛いと思いますか」というガイドさん(だから違います。)の言葉がリアルに身体にしみ込んでいった。いや、無理だよ無理。凍死するわ。

夜はほんとに凍死するので夜通し寝ずに歩き回り、昼間にショッピングセンターや図書館などに入りこみ寝るのだそう。

寿町に入っているNPOが生活保護の申請をし簡易宿泊所に入れるようにサポートしている。それでもホームレスはいなくならない。行政調査によると横浜市内の野宿者数は548名(2015年現在)。日中、街を歩いて目視した数なので実際にはもっとずっとずっと多いだろう。

簡易宿泊所の居心地がどうであれ、ここに来れば生活保護が受給できるし寝起きが出来る場所が確保できるのだから来ればいいのに、とわたしなんか安易に思うのだけど、そう単純なものではない。

土建業をやっていたおじさんに寿町の話しをしたら、おじさんの職人仲間が昔、失業し生活保護を受けながらアパート暮らしをしていたので、アパートは高いから寿町へ行けと言ったのに「あそこはいやだ」とがんとして行かなかった。今となっては消息もわからない。


日々やることもなく朝から酒を飲みただただ一日一日を過ごす人たちと群れる、あるいはじっと独りでいる。それはどんな気分なのだろうか。


寿町は他のドヤ街に比べてQOLが良いようです。だから全国から流れ流れて横浜を終の住み処とする人も多いんだと。


駅から歩いて10分のところにある陰の街。誰でも入ることができるけど、ほとんどの人が行かない。存在すらも知らない。不思議なことだ。

わたしは寿町が好きだしもっと知りたいと思う。

つれづれなるままに寿町シリーズは続く予定。


ところで現代の失業問題、ネットカフェ難民や派遣切り。
若い失業者は生活環境が違いすぎて肉体労働者の街には住めないのだ。
そして、派遣切りなどで失業し家を失った人たちは「住宅喪失不安定労働者」と呼び、行政的にはホーレスとは区分けされる。なにそれ一緒じゃんと思うけどホームレス対策の対象外なのである。

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