”もしかしたら私、フェミニストかもしれない……”

そう気づいた瞬間、カッと熱くなる興奮と同時に恐怖と不安に襲われました。

理由はフェミニズムに対して、アンハッピーなイメージを少なからず持っていたからです。私の目に入る日本語の情報、とりわけSNSではフェミニストへの誹謗中傷は過激化していて、刃物のように尖った言葉で、お互いをグサグサと刺し、血を流し合っている。不毛な言い争いが止まらない。

言葉による戦争が起こっているんじゃないか、と思うほど見ていて苦しくなるやり取りに、そっと距離を置いていました。フェミニズムによって世界は分断している── そう認識してしまったのです。

かく言う私も、SNSへの書き込みはしないものの、親しい友人やパートナーには、本音をぶつけていました。

「被害に遭っているのは、性差別を受けているのは女性でしょ？」
「どうしていつも、女性が我慢しないといけないの？」

ずっと、怒り、憤りを抱いていました。

男性と女性に格差があり、優遇されているのは男性であるというのは事実です。でも一方で、私は自分が見えている、感じられている範囲のことだけを主張し、深刻で重要な事実を認識できていませんでした。

私が「女だから」という理由で、あらゆるできごとに憤慨しているのと同じように、男性も「男らしさ」による生きづらさを抱えていたという事実です。それは、パートナーとジェンダーについて話し合う中で知りました。被害に遭った苦しさを盾に正義を振りかざす私に、彼がうっすらと涙を浮かべながら、弱さを打ち明けてくれ、初めて知れたことでした。

「ああ……そうだったのか…..」膝から崩れ落ちるようなショックを受けました。「もしかしたら、父も、弟も、男友達も、男性の同僚も」と、大切な人の顔が浮かび、思い当たる節がたくさんあることに気づいたのです。

「女は家事と育児を」と言われるのであれば、「男は稼いでなんぼ」と言われている。「男は、強くなきゃ！」「男の子なんだから、泣かない！」「男らしく、〜すれば？」そんな考えを、言葉を、心身に染み込ませて育った彼らは、本当に辛いとき、人に頼りたいとき、弱さを打ち明けられるのだろうか。一人で抱え込んでしまわないだろうか。

女性の生きづらさ、男性の生きづらさ、両方を理解しようと勉強を始め、社会の構造を知ったとき、初めて本来の意味での「フェミニズム」を身体に取り込むことができたのです。

フェミニズムは、「女らしさ」「男らしさ」という呪いを解き、誰もが自分の個性や可能性を羽ばたかせて生きられるように世界を変えていくパワーを持った概念である。

そう自分の中に落とし込めたとき、もう憎悪は生まれませんでした。これまで女性として生きる中で抱いていたモヤモヤ、男性への怒り、理不尽な社会への憤りが、スッと消え（もちろん嫌なことがあればいつだって怒るけれど）、残ったのは、” 共に手を取り合いたい "という気持ちでした。

この世界が「女だけ・男だけのもの」ではないように。フェミニズムは "女だけのもの" ではないのです。もちろん、”男だけのもの” でもありません。ジェンダーによる生きづらさは、男も女もみんなで変えていく「みんなのもの」だったのです。

私は長らく、フェミニズムに対して誤解をし、本質を捉えられていませんでした。

今、私は自分がフェミニストだと胸を張って言えます。

そして「フェミニズム」という概念を知ったことで、自分の可能性を伸び伸びと広げ、エネルギッシュに、「女らしく、ではなく、自分らしく」生きていっていいのだと信じられます。

同じように、異性のパートナー、父、弟、男性の親しい友人・知人に対しても、「男らしく、ではなく、自分らしく」生きてほしい、その先にある幸せな人生を歩んでほしいと心から願っています。

これは、今現在の私が「フェミニズム」に対して感じている率直な思いを綴ったエッセイです。正直、これを書いている今でもジェンダーやフェミニズムについては「中途半端な知識や気持ちでは語ってはいけないもの」「誹謗中傷の標的になりたくない……」という気持ちがあり、想いを込めながらも逃げ腰な自分をはっきりと認識しています。

専門家ではないし、興味を持ち始めた頃から書籍を通じて自分なりに学んできたとはいえ、主観的で偏ったインプットになっている可能性もあります。

要は、この分野に足を踏み入れることに、” 怖さ ”を感じているのです。

それでも、「あれ？なんか変だな？」と思うことはたくさんあって。「これ、変えていった方がよくない？」と感じることもごろごろ落ちている。

それに対して「いやいや、おかしくないよ」「世の中、そんなもんだよ」と取り繕って生きていくことは、もうできなから。「心の声に耳を澄ませて生きていきたい」という自分の欲求に従ってフェミニズムと向き合ってみることにしました。

炎上しやすいからと、腫れ物のように扱うほど、口をつぐむほど、臭いものに蓋をする代償は膨れ上がる気がします。そうして今にも破裂しそうな特大爆弾を、何のアクションも起こさずに見て見ぬふりをしたまま次の世代に引き継ぐにことは、あまりに無責任ではないでしょうか。そんなことを言っている間にも、私の内側で膨らんだ爆弾は、もうすでに爆発しそう……。という個人的な葛藤も織り交ぜながら、私自身がフェミニストかもしれないと思うに至るまでの半生を綴っていきます。

世の中へ宣戦布告をしたいわけでも、不満をぶちまけたいわけでもありません。

それでも人間だから、怒ります。傷ついたら痛いです。女性だとしてもおしとやかに笑って誤魔化したくはありません。むしろ主張したり攻撃的にもなります。

自分やパートナーや友人、将来授かるかもしれない子ども（性別問わず）が、「女性だから」「男性だから」という理由で、何かを諦めたり我慢したりせずに済む社会であってほしいと本気で願い声を上げることは、夢物語でも遠い世界の話でも、他人事でもなく、実生活における切実な現実です。

これを書くにあたって異論を唱える人もいるかもしれません。でも覚悟を持って書く勇気を支持してくれる仲間は、きっと世界中にいるということも知っています。私は、誹謗中傷をする人を説得し納得させるために生きているわけではありません。

性別も、世代も、肩書きも、国籍も、障がいの有無も関係なく、ただ”共に手を取り合って変えていきたいよね” と言う仲間と共にハッピーな人生を送りたい。そんな思いを込めて、日本で生活をしている一人の女性の、ちっぽけな、でも確かな” 声 ”を届けます。

女性のロールモデルにいつもエンパワーメントされてきた

フェミニズムという言葉も知らなかった子どもの頃から、私は無意識に女性にエンパワーメントされながら育ったように思います。とりわけ得意だったのは、「自分の数メートル先を歩く憧れのお姉さん」を見つけること。ロールモデルを見つけては影響を受け、ありたい自分を想像し、ルンルン♪していました。

これが、自分の中に眠っていた、”フェミニズム”の種だったのかもしれません。

小学校低学年の頃は、同じスイミングスクールの６年生のお姉さんに憧れて、ひよこのようにいつも後ろをくっついてプールサイドを歩いていました。バスケをはじめると、プレーがかっこよく面倒見のいい一つ上のお姉さんに可愛がってもらっていました。中学でも、高校でも、「一緒に帰りたい」「もっとおしゃべりしたい」「私も、こんなふうになりたい！」と慕っていた年上のお姉さん・先輩は必ずいて、今でもぱっと顔を思い浮かべることができます。

周囲の関わりある人だけでなく、映画やドラマの世界の女性に憧れることもありました。ジブリ映画で言うと、『魔女の宅急便』のキキやおソノさん。ディズニー映画では、『アリエル』に。

自分の意志を周囲に伝え、こうしたい！と道を切く女性キャラクターの姿に、幼いながらに勇気をもらい、落ち込んだときはいつも作品を見返して自分を元気づけていました。

高校生になると、ある女性作家さんの作品に惹かれるようになります。

西加奈子さんです。

今でも彼女の小説に初めて出会ったときのことをはっきりと覚えています。高校時代、西加奈子原作の映画『きいろいゾウ』を友人と観たときのこと。帰り際、何気なく本屋さんに立ち寄ると「今観てきた映画の原作は、西加奈子さんという女性の作家が書いたらしい」ということを知ったのです。

高校生ながらに映画の内容に心震わされた私は、読んでみたい！と購入して帰りました。少ないお小遣いから、ぱっと本を買えたのは何かを感じていたからだろうと思います（部活に明け暮れバイトをしていなかった当時は、プリクラと洋服とフードコートで食べるファストフードにお金を使うのが第一優先だったから）。

そこから、彼女の小説を読み漁る日々が１０年以上も続いています。小説に登場する女性たちの生き方、西さんが綴る一つ一つの言葉は、私の命をつなぎ止めてくれました。１０代後半から２０代前半にかけて猛烈に押し寄せる理不尽な現実と生きづらさに溺れ死にそうになっていた私にとって、彼女の作品に出会うことは必然だったのかもしれません。

生きることの残酷さと美しさが身体全身を突き抜け、心臓を打ち抜き、圧倒されました。生きていることそのものを肯定する物語と、世界を揺り動かす愛情にまるっと包まれ、心の底から安心しました。彼女の小説を読むたびに、私は生かされていた。なぜなら「私が私として生きる強さ」を授けてくれたからです。

それは同時に、「男女格差がある世の中で、女性である自分自身を肯定する」ことでもありました。

女の子をやめたい、と思う日があってもいい。だけど、女の子であることに、誇りと自信を持って楽しく生きて───

そう言われているかのようでした。

目から涙がボロボロと溢れ、ゔ…ゔ…と嗚咽で呼吸が苦しくなりながらも「私は私として生きることを諦めない」と、強く思わせてくれた。それは「自分らしさ」という言葉では括れない、命の鼓動そのものでした。

少し話は逸れますが、私はふだん「生き方を伝えるライター」と名乗り、性別・世代・肩書き・国籍・障がいの有無を問わず、あらゆる人の生き方をインタビューして書くことを生業としています。私がこの仕事を始めた背景には大きな原体験がありますが、これまでもこれからも”書き続けられる原動力”は、今同じ時代で書き続けている西加奈子さんの存在がとても大きいです。新刊を読むたびに、「数メートル（実際は、数十万メートルくらいだけれど）先を歩く西さん」の言葉が、「もう一度、書こう」「もっと魂を込めて書ける」と、筆を前へ、前へ、運ぶ力を呼び起こしてくれるのです。

そして大学生や社会人になると、”過去の女性の功績”にも目を向けるようになりました。身近なところでは朝ドラで描かれる女性起業家やその分野の第一人者の女性にエネルギーとパワーをもらっていました。

女性は「勉強なんてしなくていい」と言われていた時代。
女性に「選挙権」がなかった時代。
女性が「スポーツをすることは、はしたない」と言われていた時代。
女性が「社会に出て仕事をする」のが当たり前ではなかった時代。

女性だから、という理由で「ダメ」と言われてきた時代があったことが衝撃で（テレビの前で、はぁ！？とか言ってブチギレていた）大きなショックを受けました。なぜなら、私は何の疑問も持たずにすべてを享受していたからです。

「おかしい！！！」と声をあげ、「欲しいものは、欲しい」と闘った女性たちがいた。そのおかげで私は今日も、当たり前に勉強ができる。スポーツができる。選挙に行くことができる。自分の選択で仕事をすることができる。

今受けている恩恵の重さを実感して、血と汗と涙を流しながら歴史を変えようと尽力してきた女性たちに、「なんてかっこいいんだ！！！！」と目をキラキラ輝かせ「私も、こうなりたい！！！」と朝から充電満タンにして１日をはじめていました。

やはりそう思うと、２０代後半になった今、嘆いてばかりはいられないなと思うのです。今度は私たちが「次の世代に何を残すか？」という問いを背負って生きていく側だから。歴史と呼ばれる遠い過去が、自分の生活と密接に関係していると知ったとき、次の世代に「違和感」や「憤り」をそのまま引き継がせるわけにはいかないと思うのです。だって受け継がれてきたバトンをどうするか？は、今私たちの手に委ねられているから。

「もし、過去の女性たちが口をつぐんでいたら、今も私たちは勉強やスポーツができなかったかもしれない」「選挙には行けず、政治には意見を出せず、仕事をする選択もなかったかもしれない」そう思うとゾッとします。

50年後、100年後の人たちが、「昔は、国会議員は男性ばかりだったらしいよ」「男性が育休を取れる会社はほとんどなくて、育児をしたくてもできない働き方だったんだって」「結婚したら名乗る名字さえ選択できなかったとか……」「はぁ！？なにそれ！！！」（テレビの前で、ブチギレていた大学生の私のように）未来にそんな光景が広がっていたら嬉しいなと思います。

たとえ自分が生きている間には変えられなかったとしても、声を上げることは無駄ではない。果てしない未来も、"今の私たちと共に生きていること"を忘れてはいけないと思うのです。

こうして振り返ってみると、「数メートル先を歩くお姉さん」を見つけることは、自分の「目標」「ロールモデル」を見つける行為、いや「女性としての生き方を見つける」過程そのものだったのだと思います。特定の人に絞るわけでもなく、そのときそのときで出会う女性たち、目にする女性の姿に影響を受け、引き上げてもらってきた。「この人素敵だな」「こんなふうになりたいな」と思う部分を少しずつ真似したり組み合わせたり「ありたい自分」をカスタマイズして生きてきた。そうした道のりは私自身となり「自分らしく生きたい」＝「女性だからといって抑圧されずに、自分らしく生きたい」と思う血肉になっていったのでした。

「わたし、もしかしたらフェミニストかもしれない」

そしてフェミニズムとの出会いも、”憧れ”の中にありました。

「あれ…...わたし、もしかしたら……フェミニストかもしれない」

これは海外ドラマ「The Bold Type」の全52話を見終えたあとに、ひとりぼそっと呟いた言葉です。

「The Bold Type（日本での題：NYガールズ・ダイアリー 大胆不敵な私たち）」は、2017年から2021年にかけてアメリカで放送されたテレビドラマ。

アメリカ・ニューヨークを舞台とし、世界的女性誌「スカーレット」で働くミレニアル世代の女性3人が、仕事、キャリア、恋愛、SEX、アイデンティティ、セクシュアリティなどの悩みに直面しながらも前向きに成長していく物語です。

SATCとプラザを着た悪魔を足して２で割ったようなドラマと評されるように、恋愛か？仕事か？といった偏りではなく、両方を織り交ぜながら、自分の人生を自分のタイミングで、自分なりの考えや価値観で、選択をカスタマイズし切り拓いていく現代女性の奮闘がリアルに描かれていました。

１話では、編集長のジャクリーンがドラマを象徴するスピーチを述べます。

不完全でもいい、ただ前を見て自由に生きることを全力で肯定してくれる女性リーダーの言葉に、気がつくと頬に涙が伝っていました。

思い通りにいかない悔しさや絶望感に涙し、時に発狂ながらも、自由に発想し、声をあげ、共に手を取り、挑んでいく。そんな同世代の女性たちの揺るぎない強さを目の当たりにし、お腹の底が熱くなりました。

そして彼女たちは、何度も、何度も、自分自身をこう呼ぶのです。

I am feminist.

The Bold Typeに登場する女性たちの姿に、涙するほど心を打たれた理由。それは、生まれて初めて「フェミニズム」という概念に触れエンパワーメントされたからでした。

“わたしはわたしのままでいいんだ。女性であるがゆえに生きづらいと感じていた気持ちは、間違っていなかった。わたしは、なんでもできる。自由に生きていい。誰にも邪魔はさせない。そして同じ想いを持つ人と共に「変えていこう」と声をあげていいんだ”

眠っていたパワーをどれほど呼び起こされたことか。The Bold Typeを通じて思いがけず、女性をエンパワーメントするfeministの意味を知れた。そのことは「女性である自分を心の底から肯定する」経験そののもであり、「声を上げれば社会は変わるかもしれない」という可能性を抱かせてくれました。

あれ？なんかおかしいな。と思うことが増えた20代後半

いろんな女性にエンパワーメントされてきたと同時に、年齢を重ねるごとに「あれ？おかしいな」と思うことが増えていったのも事実です。もしかしたら「女らしさ」という壁に道を阻まれている？と気づき始めたのは、２０代後半に差し掛かった頃のこと。

男女で賃金の格差があること。性被害の被害者は、圧倒的に女性の比率が高いこと。少子化である要因は政治や社会の仕組みによるものにも関わらず、”女性が産まないからだ”と結論づけられること（実際は、産みたいけど経済的・身体的に産めない人もたくさんいるため、そもそもその考え方や発言自体が失礼すぎる。そして女性の身体は女性のものであり、選択する権利がある）。

世界では当たり前に名乗る名字を選べるのに、日本ではまだ選択的夫婦別姓が可決されないがゆえに、法律婚の場合は夫婦どちらかが名前を変える必要があること（実際、私は名字を変えたくないのだけれど、それを言うと「なんで？」と聞かれることが多くて、これまで名乗ってきた名前を変えたくないという気持ちに理由がいるのだろうか？と途方に暮れてしまうけれど、この感覚はおかしいのだろうか……）。

医学部の受験で、男子学生が優遇されていたこと。女性は仕事の成果や能力ではなく、若さや容姿、男性をケアすることが求められ評価されること（男性政治家が女性政治家に対して「しゃべりすぎる」「見た目はいい方ではない」など、仕事や能力と関係のないことに注目するのはなぜ？女性閣僚に対して「女性ならではの感性や共感力も十分発揮して」と言うのはどうして？「男性ならではの」とは言わないのに）。

国会議員が中年男性ばかりなこと（人口は男女半々なはずなのに、偏りすぎ……にも関わらず、政治家＝男性というイメージがつきすぎて最近までおかしいと気づけなかった……）。

女性の管理職・リーダーが世界に比べて少なすぎること。男性が育休を取得しづらい、育児がしづらい社会なこと（私のパートナーは子どもができたら、初めて立ったり・しゃべったり・歩いたりする成長の瞬間に立ち会いたいと話す。それは親として当たり前な感覚だけれど、それが叶う男親は日本にどれだけいるだろうか）。

女性は産休・育休を挟むとキャリアが途絶える心配をしなければならないこと（男性が、子どもができたらキャリアが途絶えるかも、と心配することはほとんどしない）。

海外の日本の旅行ガイドブックに「痴漢（CHIKAN）に気をつけるように」と書かれてしまうほど日常的に性被害が多発しており、なぜかそれが軽視されていること（女がミニスカートを履いているからだ、とか女性の服装のせいにされる始末。何を着るかは個人の自由であり、相手がどんな服装であっても犯罪をしていい理由にはならない）。

書いているとキリがないのだけれど、政治から仕事・育児といった命をつなぐ営みに大きな影響を与えるものばかりで、実生活に支障が出ている。その上２０代後半にもなると、社会からは「結婚するの？しないの？」「子どもは産むの？産まないの？」「仕事・キャリア・働き方はどうするの？」と問われる。

選びたくでも、選べないよ。

社会の仕組みが変わらなければ、そうせざるを得ない状況の中で生きていくしかないのでは？

実際、「（なんだかんだで）男は稼いでなんぼ」「女は家事と育児をすること（仕事をするのは大歓迎だけど、家のことが回る範囲でね）」という”男らしさ・女らしさ”が無くならない限り、「自分の裁量で選べる」ことは到底難しいように感じます。選べるのは、”男らしさ・女らしさ”の枠の中だけ。

現に私は、こう考えることがあります。

男女の賃金に格差があり、女性は若ければ若いほど良いとされるのであれば、これから年を取って一般的に「おばさん」になったとき、経済的に自立できているのだろうか。もしくは結婚し子どもができたとして、何らかの事情で子どもを一人で育てていかなければいけないとなった際は、何不自由なく育てていけるのだろうか。パートナーと二人で円満な家庭を築けたとしても、キャリアをセーブせざるを得なくなって、経済的な自立が難しくなったりしないのだろうか。好きな仕事を好きなだけ、できているのだろうか。名字を変えたくないという理由で事実婚を選択した場合、大切な何かとトレードオフにはならないだろうか（もしなるのであれば、女性である自分が妥協してパートナーの名字に変えたほうがいいのかな、と思ってしまう。我慢や妥協をせずに生きたいと願いながらも）

深刻に考え過ぎだよ、大袈裟だよ、人生なんとかなるよ。と言われるかもしれません。けれど男女問わず訪れる老後のことは、みんな深刻に考えている。不安でなければ、若いうちから積み立てNISAを始める２０代はこんなに爆増しないのではないでしょうか。

それに加えて男女で格差があると知った今、女性として生きている私にとって、「生きることに、そんなに心配しなくても大丈夫だよ」という論理は破綻しているように思えるのです。

憤り、怒りの塊「マグマくん」が沸々と顔をだす

「おかしくない？」と思っていたことが「おかしい」と気づいたとき、私は２歳児の子どものように喚き、泣き、ブチギレ、大きなショックを受けました。

子どもの頃からわんぱくで、身体を動かすことが大好きで、自分は何にだってなれる！と思っていた。けれど現実は、「女である」というだけで性差別を受けている現実がある。

客観的事実として、世界経済フォーラム（WEF）が2023年6月に発表した「ジェンダー・ギャップ指数2023」によると、日本の総合スコアは0.647で146カ国中125位。主要先進国（G7）のなかで最下位でした。

※ジェンダーギャップとは、男女の違いにより生じる様々な格差のこと

主観的・客観的事実を知ったとき、自分でも戸惑うほどの怒りが、次から次へと沸き起こってきたのです。怒っても、怒っても、収まらない。「被害に遭っていた」という事実を、受け止めきれない。

被害というと、大袈裟に聞こえるかもしれません。でも実際、ジェンダーギャップについて知っていくうちに、かつて自分の身に起きた（無かったことにしていた、認めたくなかった、封印していた）性被害に遭った過去がフラッシュバックしてしまいました。

※ここからは、性被害に遭った実体験を綴っています。苦手な方はご注意ください。

大学３年生の就職活動の時期。インターンを通じてお世話になったベンチャー企業の代表と、就活の相談を兼ねて都内の飲食店で夕食を食べることになりました。いい父・いい夫・働きやすい企業の代表、という表面上の印象があったこと、「わざわざ就活の相談に乗ってもらっている」「なんならこの会社で内定をもらいたい！」という心境だった私にとって、”貴重なお時間をいただいている”という感覚でした。

そのあと「サテライトオフィスで飲み直そう、ゆっくり話そうか」と連れられて行ったのは、マンションの一室。実際にオフィスとして使っていることは事前に知っていた（訪問したことがあった）ので、何の疑いもなく部屋に入りました。最初こそ、仕事論や就活の話をしていましたが、なぜか急にキスをされ、ソファに押し倒され、服を脱がされ、身体を触られたのです。

何が起きているのかわからなかったし、ただパニックでした。

「部屋に行ったらOKということだよ」という風潮が世の中にはあるみたいですが、とんでもない。私は「サテライトオフィスで飲み直そう、ゆっくり話そうか」という提案にYESと言っただけで、身体に触ることにOKはしていません。ただただ怖く、怖かった。

当時付き合っていた（２ヶ月ほどで別れた）すでに社会人だった彼に電話をすると「まあ、そういうこともあるよ！妻子がいたって社長にはよくあることなんじゃない（笑）」と、ヘラヘラと笑い飛ばされ、私は被害に遭ったことをなぜか彼に申し訳なく思い「ごめんね」と泣きながら謝っていた。（今となってはこの情景が地獄絵図で笑えない……）

被害に遭ったことは、私のせいではないのに、なぜか自分がいけないような、自分が悪いような気がしたのです。警察に届けることもできず、家族にも言えませんでした。無理やり触られた自分の身体が汚く感じ、お風呂場でゴシゴシ洗い、何度も洗い、それでも落ちていないような気がして、心の中はぐちゃぐちゃでした。

今となってはもっと子どもの頃から性教育を受けられていたら、自分の身を守る知識や術（専門の問い合わせ先など）も知っていたら、と悔しくて悲しくて、守ってあげられなかった自分の身体と心が可哀想で仕方がありません。

２１歳の無知な私には、自分を「汚いもの」「このことは封印すべきこと」として処理する他はありませんでした。

一つ思い出すと、芋づる式に「あれもこれも」と認識するようになっていきました。

”痴漢に遭ったときも、気づいてくれた人はいたのに、どうして被害を訴えられなかったのだろう。満員電車の中で、ザワザワと見られるのも恥ずかしく耐えられなかった。それでも私は悪くないのだから、ちゃんと駅で降りて駅員さんに言えばよかった。周囲の大人に助けを求めればよかった”

なぜか被害に遭った私が、悔やんでいる。なぜ、どうして……。私だけ苦しみ続けなかればいけないのだろう。

一人では抱えきれなくなり、人生を共にしていきたいと思える現在のパートナーを頼ることに。７年の年月を経て初めて他人に打ち明けました。

「もしかしたら、あれは性被害だったのかもしれない……」

被害にあった日のことを言葉にした瞬間、大粒の涙が自分を襲ってきました。蓋をしていた心のダメージは甚大で、巨大な津波が襲いかかってくるような、恐怖と不安で一日中泣きじゃくりました。叫ぶように泣いて、それでも涙は止まらなかった。心が張り裂けそうだった。自分がされたことを認識してショックを受け止める作業は、とても辛く、とてもじゃないけど受け止められない。痛みはまだ癒えていません。

それでもパートナーは、全てを受け止め、いろんな感情を引き受けてくれました。そこから、信頼できる人には、ぽつりぽつりと、話せるようにもなっていきました。私だけでも、パートナーだけでもなく、信頼できる他者と痛みを共有できることは、思っている以上に癒され、救われました。

「専門のケアを頼ってみてもいいかもしれない」と言ってくれた友人もいて、話してよかったと思う経験もできました。きっとこれからも続くであろう、この痛みとの付き合い。今度は適切に自分自身を守れるように、正しい知識と共にケアをしてあげたいなと思っています。

私はこのやり場のない怒りを、理不尽に傷つけられた痛みを、女性として生きることへの憤りを、「マグマくん」と名づけました（マグマのようにぐつぐつと煮えたぎっているから）。

自分の中のマグマくんに気づいてしまったことで、大きなショックを受けました。気づかなければ、平穏に傷つかずに日々を送れたかもしれない。それでも気づいてしまった。もうマグマくんを無視をして生きることはできない。おかしいと思うことは、どんどん目に入るようになるし、嫌だと思う気持ちは増幅する。

だんだんと、被害者という盾のもと、正義の剣を振りかざすようになっていきました。

男性の生きづらさを知って、本当の意味のフェミニズムを知った

その矛先は、パートナーに向きました。彼は何も悪いことはしていないのに、むしろかなりジェンダーイコールな思想で理解を示してくれ、１００％味方でいてくれるのに。なぜか男性であると言うだけで、無意識にイライラしてしまう。

私の中の固定概念で、”男性は、男性の持つ特権に気づいていないから、この憤りがわからないんだ”という前提で話を進めてしまい、苛立ちをぶつけてしまっていました。

するとあるとき彼は、悲しげな目でこう打ち明けたのです。

「自分は犯罪を犯したこともないし、性被害や痴漢を絶対に許さない。男女に格差があることで女性が嫌な思いをしていることはわかるけど、自分は何もしていないのに、”男性”というだけで、犯罪者扱いされているようで嫌だ……」

そこから私たちは対等に話し合いました。彼は、”男らしさ”によるいろんな生きづらさや違和感を打ち明けてくれました。

男性に経済力を求める女性はまだまだ多いこと。そのため「モテる」ためには稼ぎが必要なこと。男性に経済力があってもなくても、男女で飲食店へ行く際は男性が奢ることを前提とされること。そして奢らないとケチだと言われること（たしかに、同い年・同じ年収であったとしても、女性が奢ってくれない！ケチだ！と言う世の中の声は聞いたことがない）。

女性とデートに行くときは、満足してもらえるプランを立てエスコートしなければいけないこと（旅行の計画を立てるのが苦手なタイプなためうまくできない＆不満に思った女性が女友達に”いかにダサいデートだったか”をバラすのも苦痛だったという）。

女性が処女であることは何も言われないのに、男性が童貞であるとバカにされること。何人と性行為をしたか？が男性同士の会話では自慢のネタになること（そもそも自分の性生活を話すのも、他人の話を聞くのも嫌だという）。興味がないと言っているにも関わらず、男性同士の付き合いで、キャバクラや風俗に連れて行かれそうになること。

子どもが大好きで、もし子どもを授かったら育児をしながら働きたいと思っているけれど、男性が仕事と子育てのバランスを保ちながら働ける会社はほとんどないこと。子どもの寝顔しか見れない働き方と父親になるのは嫌なこと。

総称すると「常に優位性を求められること」が、生きづらいと教えてくれました。より稼ぐこと。より学歴がいいこと。より背が高いこと。より運動神経がいいこと。より顔がいいこと。より女性経験が豊富なこと。

私が”女らしさ”に殺されているのと同じように、また彼も”男らしさ”の犠牲者だったのです。盲点でした。時より涙を浮かべながら、訴えるように打ち明けてくれた彼を見て、「勉強しなければ」と思いました。

これまで自分の経験や主観の中で「フェミニズム」に触れてきた。エンパワーメントされてきた。おかしいことを、おかしいと認識してきた。けれどそれでは不十分で、包括的に本当の意味でのフェミニズムを学ばない限りは、お互いの痛みを理解し合うこと、違いを分かち合うこと、みんなで連帯して世界を変えていくことはできないと思ったのです。

当たり前だけれど、ジェンダーは女性だけでなく、男性も存在しているのだから、男性には男性の問題があるのは当然なこと。私（女性）だって痛いんだから、それ（男性の生きづらさ）くらい我慢しろよ、という世界では生きていきたくない。

自分の痛みにかまけて、他人の抱える痛みに気づけなかった。そのことに猛省し、「男性学」について触れられている著書、男女の視点から語るフェミニズムの著書を読むことから始めました。

すると、これまで疑問に思っていた世の中のカラクリが見えてきたのです。

「男なんだから、泣かないの！」「男の子は数学や工作が好きよね」「男の子だから、青にしようか」「男らしくなってきたね」

「女の子なんだから、料理くらいできないと」「女の子はプリンセスが好きよね」「女の子だから、ピンクにしようか」「女の子っぽくなってきたね」

子どもの頃から浴びてきた言葉のシャワーによって、私たちは ”男らしく"　"女らしく"　徐々になっていくということ。そうして、男たるもの・女たるもの「こうしなければならない」「こうあるべき」という檻に入れられがんじがらめにされ、分断が起き、格差が広がり、さらに分断が起きる。

フェミニズムは女性だけのものではない。その意味がやっとわかりました。私の生きづらさは、彼と無関係ではない。同じように、彼の生きづらさも、私とは無関係ではなかったのです。

抱える苦しさは違えど、目指している世界は同じです。

「男らしさ・女らしさに縛られずに、個人の可能性を発揮して生きられること」
「自分らしさを閉じ込めている檻を壊し、自由に生きること」

フェミニズムは、男女を分断するものでも、女性だけを優遇する思想でも、男性を嫌う思想でもありません。

”この世界を構成する「みんな」で、変えていこうよ。”

と、声を上げていくものなのです。

”共に手を取り合う”ことで、世界が・次世代が、私たちの生活が、平和な方向へ向かっていく。それは大いなる希望でした。

それに気づいたとき、自分がフェミニストであると名乗る恐怖心がスッと消えていきました。

そして後日、この話を彼にすると、最後までじっくり耳を傾け、こう言いました。

「ってことは、俺はずっと、フェミニストだったってことだ」

海外で、ジェンダーを学びたい。カナダに１年住んでみることにした

ここ数ヶ月の間、フェミニズムを学ぶことで、いろんな発見がありました。地獄に突き落とされたような気持ちになった日も、目の前がパッと広がり可能性に胸を躍らせた日も。それでも、自分を救ってくれた「フェミニズム」に出会えて本当に良かったと思います。

だからこそ、芽生えた一つの想いがありました。

"世界中の人と、ジェンダーについて対話をしてみたい。世界中の女性の生き方を知りたい"

「あなたの価値観を教えて」
「私の考え方も伝えたい」
「そして一緒に、手を取り合って、どうしたら世界がいい方向へ向かうのか考えませんか？」

フェミニストとしてそんなアクションを、この先１０年・２０年とかけてやっていきたいと思うから。最初の一歩として、２０２４年９月（予定）から１年間、カナダで暮らしてみることにしました。

海外で暮らす中で幻滅することも、思っていたのと違った！と思うこともたくさんあるでしょう。と同時に、「日本の当たり前は、世界の当たり前ではなかった！」と驚くほどたくさんのことに気づかされるに違いない、と予感しています。良いことも悪いことも含めて、自分の目で見て、耳で聴いて、心と体で感じて、声を上げる。「やってみる」を選択しました。

具体的には、ライターとして現地でいろんな生き方をする女性にインタビューをし、記事または書籍にして世の中（日本人女性へ向けて）発信します。

世界の女性は、どんな生き方をしているのだろう。どんな価値観や考え方で、キャリア・子育て・パートナーシップを築いているのだろう。政治や社会福祉は、どのような仕組みになっているのだろう。正解はない、けれど「女性らしく、ではなく、自分らしく」生きるヒントや選択肢は見つかるかもしれない。

怯えているだけでは変わらないから、怖がっているだけでは、違和感や怒りを自分の中に溜め込んでいるだけでは、世界は変わらないから。

世界中のいろんな女性の生き方を書き、選択肢を届けることで、同じように生きづらい想いをしている人の救いになれたなら─── そして自分自身のことも、その一人として救ってあげられたなら。

そんな想いで、フェミニズムを学び続け、伝え続けてみることにしました。

私はただ、おかしいと思うことを「おかしい」と言いたい。

女性の可能性、つまり自分自身の可能性を狭めずに、女性であることを理由に何も諦めることなく自由に生きたい。

大切なパートナーが、男性らしさに生きづらさを抱いていたら、一緒に取り除きたい。

次の世代が、子どもたちが、「女らしさ」「男らしさ」によって可能性を狭めることなく、自由に生きられる世の中を残したい。

望むことは、ただそれだけです。誰もが、生まれたままの自分で、抑圧や差別を受けることなく、生きられる社会を目指して。

私は、あなたと、世界中の人と、”共に手を取り合って変えていきたいよね” と言い合いながら、ハッピーな人生を送りたいなと思っています。

番外編「フェミニズムな彼に救われた、”女らしさ”と見た目のコンプレックス」

彼は、付き合い始めた頃からとてもジェンダーイコールな人で、目から鱗なことがたくさんありました。

特に救われたのは、見た目に関すること。

ムダ毛処理について、あるときポロッと「肌が痛むから辛い、学生の頃から辛かったんだよね」とこぼしたことがありました。すると「剃りたくないなと思うなら、剃らなくていいんだよ」と言うのです。

女の子はつるんとした肌がマスト！毛がないのは当たり前！という刷り込みは恐ろしく、彼の発言に耳を疑った私は「え！？ボーボーでもいいの！？」と咄嗟に突っ込みました。それでも、きょとんとした顔で「うん、気にならない」と言うのです。半信半疑でしたが、本当に気にならないようで、その後私が処理をしていてもいなくても、何も変わりませんでした。

”私の身体は、私のもの”

そんな言葉も知らなかった２４歳の私は、そのときの衝撃を今でも忘れられません。それ以降は、自分がしたいケアをしたいときだけ、したい分だけするようになりました。肌に負担をかけず、自分が気にならない程度に。「毛を伸ばす自由」を初めて体感し、”自分の身体は自分のものである”という大事な感覚を養えた瞬間でした。

メイクも「したくないときは、しなくていいんだよ」と言われたときは衝撃でした。肌が弱く、中学生の頃からニキビができがちだった私は、大人になってからもストレスと生理周期の影響で、治ってはでき、治ってはでき、を繰り返していました。

肌荒れがコンプレックスで、隠そうとする。でもファンデーションを塗るとさらに肌は荒れる。もちろん彼と付き合う前や付き合いたての頃も、素肌を見られるのが嫌で、一生懸命隠そうとしていました。

そんな私を見て、彼は言いました。

「すっぴんでいいんだよ」

またもや「いやいや！！すっぴんはダメっしょ！」という”女らしさ”を持ち出し疑いにかかると、「肌がかわいそう。すっぴんでいた方が、ニキビも治るよ。俺も高校生の頃、そうだった」と共感してくれたのです。

それだけでも目から鱗ですが、「こっちの化粧水を使ってみるのはどう？」と新しい化粧水まで買ってくれました。

そこまで言うならと素直に従ってみると、あっけなく肌荒れは治り、今では生理周期に影響を受けないニキビができにくい肌になってくれています。

当時の私はとことん自分に厳しく、自分に批判的に生きていたため、そもそも「自分をケアする＝大事にする」という考えに抵抗がありました。自分を痛めつけてがんばり続け、「こんなにがんばっているのだから」と変な安心感を得ていました。

でも自分を大事にするケアを続けていくと、ご機嫌でいられる時間が増え、肌のコンプレックスも解消され、徐々に気持ちの面でも「そのままの自分でいい」と思えるようになっていったのです。

「他人の目ばかりを気にして、自分にとって一番大事なことを無視しないこと」「自分を大切にして、労わること」という彼の価値観に大きく救われました。

今でもメイクは、したいときはして、したくないときはしない。誰かのためではなく、誰かに見られるためではなく、"自分のために"おしゃれを楽しんでいます。

まだフェミニズムという言葉を知らないときから、”女たるもの、こうでなければ”という呪いを解いてくれたのは、ジェンダーイコールな考え方を持つ彼でした。

この記事を書くにあたって、そして常日頃から支えてくれているパートナーに心から感謝します。そして友人であり仕事仲間でもあり、世界中を一緒に旅してきた、私のコーチ（コーチング）のれいちゃんにも、お礼を言わせてください。彼女とのセッションの中で多くの"心の声"に気づけました。本当にありがとう。

＊＊＊English ver＊＊＊

I'm so scared to confess that I might be a feminist.

"Maybe I'm a feminist..."

The moment I realized this, I was overcome with excitement and fear and anxiety.

The reason is that I had an unhappy image of feminism. What I see in the Japanese language, especially on social media, is that the slander against feminists has become more extreme, and people are stabbing each other with sharp words like knives and bleeding each other. The pointless arguments don't stop.

I quietly distanced myself from the exchange, which was so painful to watch that I thought there was a war of words going on. I realized that feminism is dividing the world.

Even though I didn't post on social media, I did share my true feelings with my close friends and partner.

“It’s the women who are the victims of gender discrimination, right?”
"Why do women always have to put up with it?"

I was always angry and resentful.

It is true that there is a disparity between men and women, and that men are given preferential treatment. But on the other hand, I only insisted on what I could see and feel, and failed to recognize serious and important facts.

Just as I feel angry about all kinds of events because I'm a woman, the fact is that men also faced difficulties in their lives due to their masculinity. I learned this while discussing gender with my partner. It was the first time I had ever known him when he confided in me, with tears in his eyes, his weakness, as I used the pain of being a victim as a shield to fight for justice.

"Oh... I see..." I was so shocked that I felt like I was falling to my knees. I thought, ``Maybe my father, my younger brother, my male friends, my male co-workers,'' and I realized that there were many faces that came to mind.

If women are told that they should do housework and childcare, they are told that men should earn money. ``Men must be strong!'' ``I'm a boy, so don't cry!'' ``How about I act like a man?'' They grew up with these ideas and words ingrained in their mind and body, and when things get really tough, they want to rely on others. Will he be able to confess his weaknesses? I wonder if I'll have to deal with it all by myself.

I started studying to understand both the difficult lives of women and the difficult lives of men, and when I learned about the structure of society, I was able to incorporate ``feminism'' in its true meaning into my body for the first time.

Feminism is a concept that has the power to lift the curses of ``femininity'' and ``masculinity'' and change the world so that everyone can live their lives in a way that allows their individuality and potential to flourish.

When I was able to internalize this, hatred no longer arose. All the misgivings I had felt while living as a woman, the anger towards men, and the resentment towards an unreasonable society quickly disappeared (of course I always get angry when something bad happens), and what remained was the feeling of ``Together Hands''. I wanted to compete for the same.

So that this world is not just for women or men. Feminism is not just for women. Of course, it's not just for men. The difficulty of life due to gender was something that everyone, both men and women, could change.

For a long time, I had a misunderstanding of feminism and was unable to grasp its essence.

Now I can proudly say that I am a feminist.

By learning about the concept of ``feminism,'' I believe that it is okay to expand one's potential and live energetically ``not like a woman, but like oneself.''

In the same way, I sincerely wish for my partner of the opposite sex, my father, my younger brother, and my close male friends and acquaintances to live their lives ``not like men, but like themselves'' and to lead happy lives beyond that. I am.

This is an essay that describes my current honest feelings about feminism. To be honest, even as I write this, I still feel that gender and feminism are things that I shouldn't talk about based on half-baked knowledge or feelings, and that I don't want to be the target of slander... I am clearly aware of my evasive nature.

I'm not an expert, and even though I've been learning from books since I first became interested, my input may be subjective and biased.

In short, I feel "fearful" about stepping into this field.

Still, there were many times when I thought, ``Huh? Isn't something strange?'' I often find myself thinking, ``Isn't it better to change this?''

I can no longer live my life by saying, ``No, it's not strange'' or ``That's just the way the world is.'' I decided to face feminism in accordance with my desire to live my life by listening to my heart.

I feel like the more you treat something like a boil, the more you shut your mouth about it because it's easy to catch fire, the more you pay to keep a lid on something that stinks. Isn't it extremely irresponsible to turn a blind eye to this enormous bomb that is about to explode and pass it on to the next generation without taking any action? Even as I say this, the bomb inside me feels like it's about to explode... I will write about my life that led me to believe that I might be a feminist, while also incorporating my personal struggles.

I don't want to declare war on the world or vent my frustrations.

Still, I'm human, so I get angry. It hurts when you get hurt. Even if I'm a woman, I don't want to try to fool myself by acting like a lady. Rather, they become assertive and aggressive.

I seriously want to live in a society where I, my partner, my friends, and the children I might have in the future (regardless of gender) don't have to give up or put up with anything just because I'm a woman or because I'm a man. Making a wish is not a dream, a story from a distant world, or someone else's problem, but a serious reality in real life.

Some people may disagree with me in writing this. But I also know that there are definitely friends all over the world who support my courage to write with determination. I do not live to persuade and convince detractors.

Regardless of gender, generation, title, nationality, or disability, I just want to live a happy life with friends who say, ``We want to join hands and change things together.'' With this in mind, we will deliver the small but reliable voice of a woman living in Japan.

This may have been the seed of ``feminism'' that was sleeping inside me.

When I was in the lower grades of elementary school, I admired the older sister who was in the 6th grade at the same swimming school as me, and I would always walk by the pool with her behind me like a baby chick. When I started playing basketball, I was loved by an older sister who was one year older than me and looked after me because of my cool playing style. In middle school and high school, there was always an older sister/senior whom I looked up to and said, ``I want to go home with you,'' ``I want to talk to you more,'' ``I want to be like her, too!'' and even now, I can always picture her face. Masu.

I admired not only the people around me, but also women from the world of movies and TV dramas. In terms of Ghibli movies, it's Kiki and Osono from Kiki's Delivery Service. In the Disney movie, ``Ariel.''

I want to convey my intentions to those around me and do this! Even at a young age, I found courage in the sight of female characters who set out on their own path, and whenever I felt down, I would look back at my works to cheer myself up.

When I became a high school student, I became attracted to the works of a certain female artist.

This is Kanako Nishi.

I still vividly remember the first time I encountered her novel. When I was in high school, I watched the movie ``Yellow Zou'', based on the original story by Kanako Nishi, with a friend. On her way home, she casually stopped by a bookstore and learned that the original story of the movie she had just watched was written by a female author named Kanako Nishi.

Even as a high school student, I was moved by the content of the movie, so I want to read it! I bought it and went home. I think the reason why I was able to buy a book so quickly with so little pocket money was because I felt something. It was my first priority).

Since then, I have been reading her novels every day for over 10 years. The lives of the women who appear in the novel, and each word Nishi wrote, kept me alive. It may have been inevitable that I would encounter her work, as I was drowning in the irrational realities and hardships of life that were overwhelming me from my late teens to early twenties.

The cruelty and beauty of life penetrated my entire body, punched my heart, and overwhelmed me. I was completely enveloped in a story that affirms the very meaning of being alive and the love that shakes the world, and I felt at ease from the bottom of my heart. Every time I read her novels, I was brought back to life. Because he gave me the strength to live as myself.

At the same time, it was also about ``affirming myself as a woman in a world where there is gender disparity.''

It's okay to have days when you feel like quitting being a girl. However, I live happily and with pride and confidence in being a girl.

It was as if that was what he was saying.

Tears overflowed from her eyes, and even though she was sobbing and having trouble breathing, she made me think strongly, ``I will never give up on living as myself.'' It was the very heartbeat of life that could not be summarized by the words "self-identity."

A little off-topic, but I usually call myself a ``writer who tells people about how to live,'' and my job is to interview and write about the lives of all kinds of people, regardless of gender, generation, title, nationality, or disability. There is a great original experience behind me starting this work, but Kanako Nishi, who continues to write at the same time as me, has been and will continue to be the driving force behind my writing. Every time I read a new book, I hear the words of Mr. Nishi walking a few meters (actually, only hundreds of thousands of meters) ahead of me, as he lifts his pen and says, ``Let's write again,'' and ``I can write with more soul.'' It evokes the power to carry you forward.

Then, as I became a university student and a member of society, I began to pay more attention to the achievements of women in the past. In my daily life, I received energy and power from the female entrepreneurs depicted in morning dramas and the leading women in their fields.

There was a time when women were told that they didn't need to study.
A time when women did not have the right to vote.
There was a time when women were told that playing sports was a shame.
It was a time when it was not natural for women to go out into society and work.

I was shocked to learn that there was a time when she was told "no" just because she was a woman (she was blubbering in front of the TV saying things like "huh!?"). Because I was enjoying everything without question.

“That’s strange!!!” he exclaimed, “Greedy!”

"The Bold Type" (Japanese title: NY Girls Diary) is a television drama that aired in the United States from 2017 to 2021.

A story set in New York, USA, in which three millennial women who work at the global women's magazine Scarlet grow positively despite facing worries about work, career, love, sex, identity, sexuality, etc. is.

It's been described as a drama that's like SATC and The Devil Wears the Plaza and divided by two, but is it a romance? Is it work? It realistically depicts the struggle of modern women to customize their choices and carve out their own lives at their own timing, with their own ideas and values, by interweaving both, rather than being biased.

In episode 1, editor-in-chief Jacqueline gives a speech that symbolizes the drama.

Before I knew it, tears were rolling down my cheeks as I heard the words of a female leader who affirmed to me that it's okay to be imperfect and just look ahead and live freely.

Although she cries tears of frustration and despair when things don't go as planned, and sometimes goes crazy, she thinks freely, raises her voice, and takes her hand in the challenge. Seeing the unwavering strength of women of her generation made her feel warm in the pit of her stomach.

And that's what they call themselves over and over again.

I am feminist.

Why I was moved to tears by the women who appear in The Bold Type. This was because I was exposed to the concept of ``feminism'' for the first time in my life and felt empowered.

“I can be myself. I wasn’t wrong in feeling that life was difficult because I was a woman. I can do anything. I can live freely. I won’t let anyone get in my way. It's okay to raise your voice and say, ``Let's make a change'' together with people who share the same thoughts.''

How much dormant power was awakened? Through The Bold Type, I unexpectedly learned the meaning of being a feminist who empowers women. This was the experience of ``affirming who I am as a woman from the bottom of my heart,'' and it gave me the possibility that ``society might change if I raise my voice.''

that? It's kind of strange. In my late 20s, I started thinking more and more.
While I have been empowered by many different women, it is also true that as I get older, I find myself thinking more and more, ``Huh? That's weird.'' Maybe your path is blocked by the wall of “femininity”? I started noticing this when I was in my late twenties.

There is a wage disparity between men and women. Victims of sexual assault are overwhelmingly female. Despite the fact that the cause of the declining birthrate is due to political and social mechanisms, it can be concluded that ``women don't give birth.'' That way of thinking and saying things is so disrespectful. And a woman's body belongs to her, and she has the right to make choices.)

In other parts of the world, it is common for couples to choose their own surnames, but in Japan, selective separate surnames have not yet been passed, so in the case of a legal marriage, one of the husband and wife must change their name (actually, I don't want to change my surname). However, when I say that, I am often asked "why?" and I am at a loss, wondering if there is a reason why I don't want to change the name I have been using. Is that strange?)

Male students were given preferential treatment in medical school entrance exams. Women are expected and evaluated not on their work performance or ability, but on their youth, appearance, and caring for men (e.g., male politicians ``talk too much'' against female politicians, ``I don't look good'', etc.) Why do we focus on things that have nothing to do with our work or abilities? Why do we tell female ministers to ``exemplify the sensitivity and empathy that only a woman can have?'' Why not tell them that ``it's something only a man can do?'' ).

The fact that most of the members of the Diet are middle-aged men (the population is supposed to be evenly split between men and women, but it's too skewed...and yet, I had such an image of politicians being men that I didn't realize it was strange until recently...).

There are too few female managers and leaders compared to other countries around the world. Social issues that make it difficult for men to take childcare leave and make it difficult to raise children (My partner says that when he has a child, he wants to be present at the moment of his child's growth, when he stands, speaks, and walks for the first time. As a parent, this is a natural feeling. However, I wonder how many male parents in Japan are able to do that.

Women have to worry about their careers coming to an end when they take maternity or childcare leave (men rarely worry about their careers ending when they have children).

Sexual assaults occur so frequently on a daily basis that Japanese travel guidebooks overseas tell people to be careful about molesters (CHIKAN), and for some reason this is being ignored (women are (It's because she's wearing a skirt, or because she's wearing a skirt. It's up to the individual to decide what to wear, and no matter what the other person wears, it's not a reason to commit a crime.)

It seems endless as I write about it, but all of them have a huge impact on life-sustaining activities, from politics to work and childcare, and are interfering with real life. Moreover, when you reach your late 20s, society asks you, ``Are you going to get married? Or not?'' ``Are you going to have children? Or not?'' ``What will you do with your job/career/work style?''

Even if I wanted to choose, I couldn't.

Unless the structure of society changes, wouldn't we have no choice but to live in a situation where we are forced to do so?

In fact, ``masculinity and femininity'' are defined as ``(somehow) men should earn money'' and ``women should do housework and childcare (working is welcome, but only as long as it takes care of the house)''. Unless this disappears, I feel that it will be extremely difficult to be able to make choices at my own discretion. You can only choose between masculinity and femininity.

At present, I sometimes think like this.

If there is a wage disparity between men and women, and it is believed that the younger a woman is, the better it is, will she be able to become economically independent when she gets older and generally becomes an ``old lady''? Or, if you get married and have a child, but for some reason you have to raise the child by yourself, will you be able to raise the child without any inconvenience? Even if you and your partner are able to build a happy family, won't you be forced to put your career on hold and find it difficult to become financially independent? Are you able to do the work you love for as long as you want? If you choose a common-law marriage because you don't want to change your last name, won't it be a trade-off with something important? , even though I wish I could live without patience or compromise.)

You're taking yourself too seriously, you're exaggerating, life will be fine. You may be asked. However, everyone, regardless of gender, is seriously thinking about their retirement. If I weren't worried, I don't think the number of people in their 20s who start saving NISA from a young age would increase so much.

In addition, now that I know that there is a disparity between men and women, as a woman living my life, the logic that says, ``You don't have to worry so much about living'' seems to be broken.

"Magma-kun", a mass of anger and indignation, shows his face.
When I realized that what I had thought was strange, I screamed like a 2-year-old child, cried, and lashed out in shock.

Ever since I was a child, I have been naughty, I love to move my body, and I can be anything! That's what I thought. However, the reality is that people are subjected to sex discrimination just because they are women.

As an objective fact, according to the "Gender Gap Index 2023" released by the World Economic Forum (WEF) in June 2023, Japan's overall score was 0.647, ranking 125th out of 146 countries. It was the lowest among the major developed countries (G7).

*Gender gap refers to various disparities caused by differences between men and women.

When I learned the subjective and objective facts, I felt a surge of anger that even confused me. Even if I get angry, even if I get angry, it won't calm down. I can't accept the fact that I was a victim.

Damage may sound like an exaggeration. However, as I learned more about the gender gap, I started having flashbacks of sexual assault that had happened to me (which I pretended never happened, didn't want to admit, and kept hidden). Ta.

*From here on, I will write about my actual experience of being sexually assaulted. Please be careful if you are not good at it.

Job hunting period for third year university students. I decided to have dinner at a restaurant in Tokyo with the representative of a venture company that I had worked with during my internship to discuss job hunting. On the surface, I had the impression that he was a good father, a good husband, and the representative of a company that was easy to work for, and I felt that ``I was going out of my way to consult with him about job hunting'' and ``I really wanted to get a job offer from this company!'' For me, it felt like I was being given valuable time.

After that, he said, ``Let's go to the satellite office again for drinks and talk slowly,'' and I was taken to a room in an apartment. I knew in advance that the room was actually used as an office (I had visited it before), so I entered the room without any suspicions. At first we were talking about work and job hunting, but for some reason he suddenly kissed me, pushed me down on the sofa, took off my clothes, and groped my body.

I didn't know what was going on and I was just panicking.

There seems to be a trend in the world that ``if you go to your room, it means it's OK,'' but that's outrageous. I only said yes to the suggestion that we should go to the satellite office for another drink and talk slowly, but I did not approve of him touching my body. It was just scary and scary.

When I called the guy I was dating at the time (we broke up after about 2 months), who was already a working adult, he said, ``Well, things like that happen sometimes!It's not common for a president to have a wife and children (lol)''. He laughed at me, and for some reason I felt sorry for the damage I caused him, so I cried and apologized, saying, ``I'm sorry.'' (I can't laugh at this scene now, it's a picture of hell...)

Even though it wasn't my fault that I had been victimized, for some reason I felt like it was my fault. I couldn't report it to the police or tell my family. I felt that my body was dirty because I had been forced to touch it, and even though I scrubbed it in the bathroom and washed it over and over again, I still felt like it wasn't coming off, and I was in a mess inside.

Now, I wish I had received more sex education when I was a child, and I wish I had known the knowledge and techniques to protect myself (such as contact information for specialists), and I feel so frustrated and sad that I couldn't protect myself. I can't help but feel sorry for my body and mind.

As an ignorant 21-year-old, I had no choice but to treat myself as ``filthy'' and ``this is something that should be sealed away.''

When I remembered one thing, I began to recognize ``this and that'' in an imozuru style.

``Even when I was molested, there were people who noticed, so why couldn't I complain? I was embarrassed and couldn't bear being looked at in a crowded train. It wasn't that bad, so I should have gotten off at the station and told the station staff. I should have asked the adults around me for help."

For some reason, I was the victim and I regret it. why……. I guess I'm the only one who has to continue to suffer.

Unable to handle it alone, he decided to rely on his current partner with whom he wanted to share his life. After seven years, I confessed my feelings to someone else for the first time.

"Maybe it was sexual assault..."

The moment I spoke about the day I was attacked, large tears came over me. The damage to my heart, which I had kept a lid on, was severe, and I spent the whole day crying in fear and anxiety, as if a huge tsunami was about to hit me. I screamed and cried, but the tears wouldn't stop. My heart felt like it was going to break. The process of recognizing what has been done to me and coming to terms with the shock is extremely painful, and I can't accept it at all. The pain hasn't healed yet.

However, my partner accepted everything and took care of all my emotions. From there, I gradually became able to talk to people I trusted. Being able to share my pain with someone I trust, not just me or my partner, has healed and saved me more than I expected.

I had a friend who told me that it might be a good idea to seek professional care, and I had an experience that I'm glad I talked about. I'm sure I'll continue to live with this pain. Next time, I would like to provide proper knowledge and care so that I can protect myself properly.

I feel this uncontrollable anger, irrational anger.

I named the pain of being hurt and the anger of living as a woman ``Magma-kun'' (because he is simmering like magma).

She was shocked when she realized Magma-kun inside her. If she hadn't noticed, she might have been able to live her days peacefully and unhurt. Still, she noticed. I can no longer live ignoring Magma-kun. Things that I think are strange will become more and more obvious to me, and my feelings of disgust will be amplified.

Gradually, under the shield of being a victim, he began to brandish the sword of justice.

I learned the true meaning of feminism by learning how difficult it is for men to live.
The focus was on the partners. Even though he hasn't done anything wrong, he actually shows understanding due to his gender-equal thinking and is 100% on my side. For some reason, just saying he's a man automatically irritates him.

My fixed mindset led me to proceed with the conversation on the premise that ``men don't understand this anger because they don't realize the privilege they have,'' and I ended up venting my frustration.

Then one day, with sad eyes, he confessed:

``I have never committed a crime, and I will never tolerate sexual harassment or molestation.I understand that women feel bad because of the disparity between men and women, but I have not done anything.'' , I feel like I'm being treated like a criminal just because I'm a ``male'' and I don't like it...''

From there we talked as equals. He confessed to me the various difficulties and discomforts he felt in his life due to his ``masculinity''.

There are still many women who look to men for economic power. Therefore, in order to be ``popular,'' it is necessary to earn money. Regardless of whether a man has the financial power or not, when men and women go to a restaurant together, it is assumed that the man is the one who buys the food. And if you don't buy something, you'll be called a stingy (it's true, even if you're the same age and have the same annual income, a woman won't buy you anything! You're a stingy! I've never heard anyone say that).

When I go on a date with a woman, I have to make a plan that will satisfy her and escort her (I'm the type of person who doesn't like making travel plans, so I can't do it well, and the dissatisfied woman tells her female friend, ``How lame is the date?'') It was also painful to take apart the "Dataka").

Nothing is said about women being virgins, but men are made fun of for being virgins. How many people did you have sex with? It becomes a topic of pride in conversations between men (he doesn't like talking about his own sex life or listening to other people talk about it). Even though you say you're not interested, you end up being dragged to a cabaret club or sex club because of a relationship with other men.

I love children, and if I were to have a child, I would like to work while raising a child, but there are very few companies where men can maintain a balance between work and raising children. I hate being a father and working in a way that only allows me to see my children's sleeping faces.

In general, I learned that being constantly required to be superior is difficult to live. Earn more. Better academic background. Be taller. Being more athletic. Having a better face. Having more experience with women.

Just as I was killed by ``femininity,'' he was also a victim of ``masculinity.'' It was a blind spot. When I saw him pleading with me, with tears in his eyes, I thought, ``I have to study.''

Up until now, I have come into contact with ``feminism'' in my own experiences and subjectivity. It has been empowering. I have come to recognize strange things as strange. However, I felt that this was not enough, and that unless we comprehensively learned about feminism in its true meaning, we would not be able to understand each other's pain, share our differences, and work together in solidarity to change the world. It is.

It goes without saying that gender exists not only for women but also for men, so it is natural for men to have problems with men. I (as a woman) feel pain too, so I don't want to live in a world where I have to put up with it (the difficulty of life for men).

I was so focused on my own pain that I didn't notice the pain of others. After thinking hard about this, I started reading books that mentioned ``men's studies'' and feminist books that spoke from the perspective of men and women.

Then, I began to see the mechanisms of the world that I had always wondered about.

``Don't cry because you're a man!'' ``Boys like math and crafts, right?'' ``Since you're a boy, why don't you choose blue?'' ``You're starting to look like a man.''

"I'm a girl, so I have to know how to cook." "Girls like princesses, right?" "I'm a girl, so why not wear pink?" "You're starting to look like a girl."

Through the shower of words we have been showered with since childhood, we gradually become ``manly'' and ``feminine.'' As a result, men and women are trapped in a cage of ``this is what we should do'' and ``this is how we should be,'' and division occurs, disparity widens, and further division occurs.

Feminism is not just for women. I finally understood what it meant. My difficulty in living has nothing to do with him. In the same way, his difficulty in living had nothing to do with me.

Although the pain we face is different, the world we aim for is the same.

“Being able to live your life by demonstrating your individual potential without being bound by masculinity or femininity.”
"Break the cage that imprisons your individuality and live freely."

Feminism is not an ideology that divides men and women, nor is it an ideology that favors only women, nor is it an ideology that hates men.

``Let's change this world together with everyone who makes up this world.'' ”

That's what I'm going to raise my voice about.

By ``joining hands'', the world, the next generation, and our lives will move in a peaceful direction. That was a great hope.

When I realized this, my fear of calling myself a feminist completely disappeared.

Later, when I told him this story, he listened carefully to the end and said,

"So I've always been a feminist."

I want to study gender abroad. I decided to live in Canada for a year.
Over the past few months, I have made many discoveries by learning about feminism. There are days when I feel like I've been thrown into hell, and days when the world in front of me suddenly expands and I'm excited by the possibilities. Still, I'm really glad that I discovered feminism, which saved me.

That's why I had an idea that came to me.

"I want to have a dialogue about gender with people around the world. I want to learn about the lives of women around the world."

"Tell me your values"
“I also want to convey my way of thinking.”
“And why don’t we join hands and think about how we can move the world in a better direction?”

As a feminist, I would like to take such actions over the next 10 or 20 years. As a first step, I decided to live in Canada for a year starting from September 2024 (scheduled).

Being disillusioned while living abroad was different from what I expected! There are many things you may think about. At the same time, I have a feeling that you will be surprised at a lot of things and realize that ``What is commonplace in Japan is not commonplace in the rest of the world!'' See with your own eyes, hear with your ears, feel with your mind and body, and speak out, both good and bad. I chose "Try it".

Specifically, as a writer, I will interview local women who live a variety of ways, and then write articles or books and disseminate them to the world (towards Japanese women).

What kind of lives do women around the world lead? What kind of values and ways of thinking do they use when building their careers, child-rearing, and partnerships? How do politics and social welfare work? There is no right answer, but you may find hints and options for living ``not like a woman, but like yourself''.

The world won't change just because you're afraid, and the world won't change just because you're just afraid and keep your feelings of discomfort and anger inside.

By writing about the lives of various women around the world and providing them with options, I hope that by writing about the lives of various women around the world and providing them with options, I can help others who are facing the same difficulties in life...and I hope I can help myself as well. Tanara.

With this in mind, I decided to continue learning about feminism and continuing to spread the word.

I just want to call things that I think are strange.

I want to live freely without limiting women's potential, or in other words, my own potential, without giving up anything just because I'm a woman.

If your significant other feels uncomfortable with their masculinity, you want to get rid of them together.

I want to leave behind a world in which the next generation and their children can live freely without having their possibilities limited by ``femininity'' or ``masculinity.''

That's all you want. We aim to create a society where everyone can live as who they are without being oppressed or discriminated against.

I want to live a happy life with you and everyone else around the world, saying to each other, ``We want to join hands and change things.''

Extra edition: “Femininity and appearance complex saved by a feminist boyfriend”
From the time we started dating, he was a very gender-equal person, and there were a lot of things that were eye-opening for me.

What particularly helped me was my appearance.

Regarding removing unwanted hair, I once blurted out, ``It's painful because it hurts my skin, and it's been painful since I was a student.'' And he says, ``If you don't want to shave, you don't have to shave.''

Smooth skin is a must for girls! It's normal to have no hair! That imprint was scary, and I couldn't believe what he said, so I immediately asked, "What?! Is it okay if I say bo-bo!?" Still, with a shocked look on his face, he says, "Yeah, I don't mind." I was skeptical, but it really didn't seem to bother me, and nothing changed after that whether I was taking care of it or not.

"My body is mine"

I was 24 years old and didn't even know that word, and I still can't forget the shock I felt at that moment. Since then, I have been able to provide the care I want and only when I want. Just to the extent that it doesn't put a burden on your skin and doesn't bother you. It was the moment when I experienced the ``freedom to grow my hair'' for the first time and cultivated the important feeling that ``my body is my own.''

I was shocked when I was told that I didn't have to wear makeup if I didn't want to. I have sensitive skin and have been prone to acne since I was in middle school, and even as an adult, due to stress and my menstrual cycle, my acne continued to heal and break out.

I have a complex about my rough skin and try to hide it. But when I apply foundation, my skin becomes even rougher. Of course, before I met him and when we first started dating, I didn't want him to see my bare skin, so I tried my best to hide it.

He looked at me and said,

“It’s okay to wear no makeup.”

"No, no! You can't wear make-up!" and when I was suspected of bringing up my "femininity", I responded, "I feel sorry for your skin. Your acne will get better if you don't make up. I was like that too when I was in high school." He sympathized with me.

That alone was an eye-opener, but she even bought me a new lotion and said, ``Why don't you try this lotion?''

I followed the instructions honestly, and my rough skin quickly healed, and now my skin is less susceptible to acne and is not affected by my menstrual cycle.

At that time, I was extremely strict and critical of myself, so in the first place I resisted the idea of ``taking care of myself = taking care of myself.'' I kept pushing myself, even though I was hurting myself, and felt a strange sense of security, thinking, ``I'm working so hard.''

However, as I continued to take care of myself, I was able to spend more time feeling good, my complex about my skin disappeared, and I gradually began to think that I was fine just the way I was emotionally. It is.

His values of ``don't worry about what others think and ignore what's most important to you'' and ``take care of yourself and work hard'' really helped me.

Even now, I wear makeup when I want to and don't wear makeup when I don't want to. I enjoy fashion for ``myself'', not for someone else's sake.

Even when I didn't even know the word feminism, it was he who had a gender-equal mindset that broke the curse of ``being a woman has to be this way.''

In writing this article, he would like to sincerely thank his partners for their continued support. I would also like to thank my coach, Rei-chan, who is my friend and colleague, and with whom I have traveled all over the world. She noticed many "inner voices" during sessions with her. thanks so much.