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yamabra disk: ENJI / Ulaan

先日観たモンゴル映画『セールス・ガールの考現学』で、モンゴルの現在を知り、その地に対する僕の甚だお粗末な認識を新たにしたのですが、このEnjiの音楽もまた、モンゴル対する印象を大きく変えるものです。

Enji(エンジ)ことEnkhjargal Erkhembayarはモンゴル出身で、ドイツのミュンヘン在住のシンガー・ソングライターです。実は前作も僕は聴いてはいたのですが、ピンと来なかったのです。しかし本作には魅了されました。

時に童女のように清らかで素朴な歌声と、それと同時に一種の生々しさのような感触が伝わってきます。ドイツを拠点としているそうですが、モンゴルの解き放たれた空気の様なものを感じます。極めてコンテンポラリーなサウンドの中でも彼女の妖精のような存在感が浮き彫りになってくるのです。


本作にはブラジル出身のドラマーMariá Portugaと、クラリネット奏者Joana Queiroが参加しています。彼らの参加で音がよりふくよかになっています。ジャズの要素とルーツに根差した音楽的情動が、独特の音を生み出しています。傑作。



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