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ズバリ、心肺蘇生 その②

 前回、心肺蘇生がどのようなものか説明しました。
 今回は、どうして心肺蘇生が延命的な治療となりうるか、考えてみます。

 まずは、事実

心肺機能停止者の1か月後生存率は、若い人も含めて10%前後(高齢者、基礎疾患がある人はもっと低い)
ある研究では、75歳以上の高齢者で、医療機関外での心停止例の内、1ヶ月後に介助なしで生活できる人の割合は、全体で0.88%。
合併症、例えば肋骨骨折は50%くらいに発生。(体感的にはもっと多い)
・救命できても、年齢、基礎疾患(癌、認知症、脳梗塞などなど)は治らないし、全身状態は大抵悪くなる。

 という、事実を踏まえて、

 自分を含めて、身近な人が心肺停止になった時、心肺蘇生をしてその人が幸せになるか?
 とても重要です。
 「心臓さえ動いていれば、それでいい」という考えも、もちろんあるし、「心臓が止まったら、そこが寿命」という考えもあります。
 日頃から、おぼろげながらでもいいので、考えておいた方がいいと思います。
 年齢や状況によっても変わるので、何度でも考え直した方がいいと思います。
 「何となく」「とりあえず」心肺蘇生を行ってしまうと、延命的な意味合いが大きくなると思います。

 次回は、人工呼吸に関して考えてみます。

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