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まんがを描いていたら首をいわしたので描き方を丸ごと変えてみる(2)

月に100枚まんがを描いていた人が、姿勢が悪かったために首をいわして、その恰好のままでまんが描いちゃダメと言われたので更生する話。その2。

ちなみに「いわす」とは、具合を悪くしていまだに治っていない状態になっちゃった、という意味だと思う。治っていたら「いわしたことある」という表現になる。わたしの首はまだ治ってない。

さて、ドクターストップが出たので、編集さんに電話して原稿を止めてもらうお願いをした。〆切ギリギリ中のギリギリの中で、もうできません、という恐怖。とんでもない迷惑だ、とかもうすこしならいけるんじゃね? とかこれで楽になれる、もうおしまいだ、等々の感情という感情が渦巻いて、ちょっと電話の声が震えた。実はその原稿は連載の最終回だった。

なんとかしてもらえることになって、ほっとしたら、今度はまんがが描けないこと自体に不安を覚えてギャッとなってワッとなってちょっと泣いた。描くの好きすぎて笑う。(のちに笑い事じゃなくなる)

思い返せば、整形外科の先生(今回の先生とは違う先生)は前から言ってたんだ。
「その変な姿勢をやめろ」
「その姿勢で描くなら肘を天井から吊れ」

5年ほど前は、27インチの液タブを使っていた。27インチ、テレビのサイズで考えてもらえると32インチのアレより少し小さいくらい。
液タブとは、液晶タブレットの省略形で、画面にそのまま専用のペンで書きこめる優れもの。

その大きな27インチの液タブに、わたしは覆いかぶさるようにしてまんがを描いていた。支えの左手は画面にひっかけたゲームコントローラー(ショートカット用)にのせ、ペンを握る右手は小指で支える。

小指。

こういうかんじ。小指を曲げて画面につけ、肘を持ち上げて脇を締めずに描く。ペン先と小指の一部分以外は右手は画面に乗っていない。

腕の重みは全部小指にかかる。ものすごい肩こりになるし、曲げっぱなしの小指はいつもビンビンにしびれるし、腕は筋肉でもりもりになるけど、そうでないと描けなかった。腕を持ち上げていないと不自由でたまらなくて、疲れてくると自分の体を左に傾けて肘を持ち上げていた。(そうするとゲームコントローラーは使えないので全部右手の操作になる)

なんども背中がこわばって動けなくなって、どうにかなりませんか、と整形外科に相談に行った。でも姿勢を変えろ、腕を吊れ、と言われるばかりで、貼り薬が出たり塗り薬が出たりするだけなので、

「だってこの格好じゃないと描けないんだもん」

と言いながら全く改善させずに描いてきた。

3年前からは13インチの液タブで描いていた。姿勢は変わらず、でももう大きな液タブでペンを走らせるのは大変すぎたので、画面そのものをコンパクトにした。楽だなー! と思って喜んで描いた。
最近は、筋肉が付いたのか、あんまり肩も腕も痛くならなくなっていた。

つづく。
次は、安静3日目に思いついた画期的な方法。

健康第一 首をやり、開腹手術をして、また検査で引っかかったり風邪をひいたりで、なにはともあれ健康がほしい! サポートいただきましたらこつこつ体力づくりするために使わせてもらいますね。ありがとうございます!