生存者B

魑魅魍魎が跋扈する東京で息をひそめて生きている33歳、自営業者。いつか同じモノが見えて…

生存者B

魑魅魍魎が跋扈する東京で息をひそめて生きている33歳、自営業者。いつか同じモノが見えている人との邂逅を期待し、何の脈絡もない、奇妙奇天烈な光景を綴っております。「私はおそらく、マトモです」。

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東京異聞禄:20231014--殺人未遂事件現場で祈る老婆と欲が積もる隧道

2023年10月15日:曇り時々晴れ/東京  「渋谷区神泉」は欲望が集まる街だ。体感、その八割はラブホテルとクラブが原因である「性欲」ではあるが、美味い料理や酒が飲める店がひっそりと軒を連ねているため私は主に食欲の赴くままに入り浸っている。もちろん、腹をメシとサケで満たしてから、ラブホテルやクラブに向かう老若男女もいるのが非常に愉快なポイントだ。世界広しといえど、こんなにハイレベルかつコンパクトな場所で三大欲求が渦巻く環境は珍しいのではないだろうか。  さて、ここからは少

    • 東京異聞禄:20231012--死んだ地図に巣食う異形

      2023年10月12日:晴れ/東京 地図は死ぬ。そう思い知らされたのは、目黒区駒場三丁目にある井の頭「駒場東大前駅」を出てすぐの細い沿線をほんの数分歩いた場所に佇んでいる大きな案内板を目の当たりにしたときのことだ。 デカデカと記載されている「SINCE1954」と「駒場東大前商店街」の文字。必ずしも看板が立てられたのが1954年というわけではないだろうが、色褪せ、錆びて、誰からも見られていないようなオーラと妙に昭和的なデザインのおかげで、およそ70年前の看板といっても信じ

      • 東京異聞禄:20231010--群れのなかに混ざるモノ

        2023年10月10日:晴れ時々雨/東京 やはり、この記録を付け始めて正解だった。今日のようなついてない日を消化するにはアウトプットが欠かせないだろう。久方ぶりの外での仕事で味わった突然の夕立。まさに「バケツをひっくり返したような豪雨」に出くわしたのは、何年ぶりのことだろうか。 ベッドのうえでまどろみながら聞く雨音は好きだが、傘を差すのは好きではない。いかように頑張っても足元がすこぶる不愉快になるのはもちろん、私にとって雨の日は「ソレら」がやけに見えるやすくなる気がするから

        • 東京異聞禄0:東京には色々な『モノ』がいる

          「ソレ」が見え始めたのは5年前のことである。 いや、33歳の独身男性のモノローグなど、聞きたくもないのは百も承知であるのだが、今や一大コンテンツプラットフォームとなったNoteで恥も臆面もなく、このような文章を公開しようと踏み切ったのか、重要なポイントなのでぜひとも数分ほどお時間をいただきたい。 現状、私は「ソレ」が見えることを半ば受け入れつつあるのだが、その反面、一人で抱えきれなくなっているのだ。5年前の3月1日。ちょうど28歳を迎えた年に生まれて初めて上京したときから、

        東京異聞禄:20231014--殺人未遂事件現場で祈る老婆と欲が積もる隧道