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アルゼンチンに思いをはせて

アルゼンチンの歌が好きだ。私のSpotifyのお気に入りプレイリストは Indie Argentina と This is Indios である。スペイン語学習のためにラテン音楽を聴き始めたけれど、その頃はラテン音楽がどうも好きになれなかった。レゲトンも性に合わなくてだんだんスペイン語の歌を聴くのが苦痛になってきていた。そんなときにアルゼンチンのポップス、インディー音楽に出会った。アルゼンチンの音楽は洗練されていて心地よく、いつまでも聴いていられた。アルゼンチンという地球の裏側の音楽を聴いているということ自体にもロマンを感じてわくわくした。アルゼンチンの歌を聴きながら東京を歩くとき、秘密基地にいるような気持ちになる。だれも私がアルゼンチンの歌を聴いているなんて思っていないだろうな。自分だけが知っているという特別感が私をアルゼンチンのとりこにさせる。歌を聴くだけで行ったこともない地球の裏側の国をこんなに好きになるのだから、音楽の力はすごい。

Indios というアルゼンチンのバンドを好きになった。Ya pasó という曲のMVに映るブエノスアイレスの街にあこがれた。スペインの首都マドリードについて書かれた記事を留学前にいくつか読んだのだけれど、マドリードはヨーロッパの都会らしい町並みを持ちながらどこか泥くささがのこる街であり、そんなところが好きなのだという人がいた。わたしがこのMVをみてブエノスアイレスに感じたこととまさに同じである。美しい建物が並ぶ都会だけど、泥くさくてノスタルジックな遠い異国の街。この歌を聴くたびにブエノスアイレスを歩く自分を想像する。「いい風が吹きますように」と航海へ出る人への願いがこもった街の名前。港の風を感じながら歩く。

最近 Indie Argentina のプレイリストの中に Pandas en Japón (日本にいるパンダ)という歌を見つけた。彼ら、彼女らもまたその歌を聴きながら地球の裏側に思いをはせる日があるのだろうか。

きっとだれにでも遠くに行きたいと願う日があるだろう。そんな日に聴く遠い国の歌はわたしたちの心を彼らのもとまで連れ去ってくれる。訪れたことがない場所があることはなんだか幸せなことだ。その場所を思うときは夢だけをみていられるのだから。

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