見出し画像

トークセッション《オメガとアルファのリチュアル》遠藤麻衣、宇佐美なつ、京谷啓徳、新藤淳 国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」関連イベント

国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」関連イベントとして、5月4日(土)にトークセッション《オメガとアルファのリチュアル》が行われた。登壇者は遠藤麻衣(出品作家)、宇佐美なつ、京谷啓徳、新藤淳。

初めに遠藤自身と踊り子の宇佐美が出演している本展出品映像作品が投影された。映像にはムンクの版画『アルファとオメガ』に見られるシーンの振り付けや館内の彫刻を模したポーズが登場する。生身の人間が絵画を再現するパフォーマンスは活人画(タヴロー・ヴィヴァン)と呼ばれ、中でも女性のヌードを見せ物とした額縁ショーというのが日本におけるストリップのルーツだと、京谷より説明。

京谷は遠藤の作品では芸能としての活人画の記憶が重層化していると評した。ちなみに展示の入り口には内側から額縁が施されている。女性のヌードを見るために西洋美術が借りられた歴史を強化しないため・自分たちの表現はもう額の外にあるとするために内側につけられたそう。

また新藤より、公共空間で脱ぐことの意義について今回どう実感したかと問われ一瞬言葉に詰まった遠藤に対し宇佐美が、脱ぐことに過剰に付される崇高さや意味を脱却したいというのが出発点だから語れることはないのだとフォローする場面も。

最後に遠藤は今回の手応えとして、過去に美術館側から規制を受けたような表現が実現できたので次のステップにいけたという個人的な達成感があるだけでなく、守るべき作品がある美術館の中で可能なパフォーマンスを探れたことで、続く他のアーティストがやりやすくなる期待も込めたいとしていた。


見出し画像(内覧会で撮影)

遠藤麻衣《オメガとアルファのリチュアル ─国立西洋美術館ver. 》2024


一般応募で参加し聴講した際のメモを元に本テキストをまとめた。
執筆:@Romance_JCT



トークセッションを聴講をした筆者にトークの内容を簡潔にまとめてもらい、レビューとレポートのXへ投稿した。本記事はそれを転載している。
Xへの投稿は以下。
https://x.com/review_report_/status/1787725491467907527




[終了]【トークセッション】《オメガとアルファのリチュアル》 2024年5月4日(土祝)15:00 ~ 16:30
https://www.nmwa.go.jp/jp/experience-learn/detail/event_67.html


[5/12まで!]ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ
国立西洋美術館
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023revisiting.html

レビューとレポート