唐がらし

七味唐辛子売りの口上

※文章の音声化についてはこちらをお読みください。
https://note.mu/misora_umitosora/n/nc76e754673e5

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まず最初に入れますのは四国讃岐の名産。

一つの幹より不思議に数多い八つの房が出る八房(やつふさ)、辛口のNo.1。

薬研(やげん)で挽いた鷹の爪、こちら純物(じゅんもの)に紀州和歌山のお蜜柑(みかん)。

我ら先祖代々見る陳皮(ちんぴ)。

アスピリン、風邪薬、漢方薬に用いられますお蜜柑です。

江戸の名産、東京大森から青海苔。

細かくちぎり散らしたら松葉のように見えた所から松葉海苔と名付けられました。

磯の香りが入ってお次は埼玉県。

武州川越の白胡麻、金胡麻、銀胡麻、黒胡麻と、血液循環で動脈硬化を防ぎ、胃に入っては消化を助けると言う。

やはり七味に欠かせないのがこちら山椒の味と香り。

誰が植えたか岩山椒(いわざんしょ)、色は黒いが味見はしゃんせ。

山椒三年、目に効くと歌に歌うるは東海道京都の名産、本山椒(ほんざんしょ)の粉山椒(こなざんしょ)。

固いようで噛みまして香ばしい日光の名産から麻の実。

こちら息切れ動悸心臓の薬、また口臭や体臭など人間の嫌な匂いを消し止めます。

そして最後はこちら、生の唐辛子をごまの油で焼きました。

焼くことにより味、香り、また辛さにまろやかさが出ます。

信州長野は善光寺、八幡屋(はやたや)さんで有名な焼き唐辛子からお目通り。

各地の名産、七通りの品物から七味が出来上がります。

はいこちら江戸時代の手動式ミキサー。

五十回転するうちにあっという間に出来上がります。

はいどうぞ!

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アドリブによる台詞の追加・人称や語尾変更はご自由にどうぞ。

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