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古代日本は、人生百年・健康寿命百年…中国史書に書かれた長寿命・・卑弥呼も九十歳で死亡。自然に生きた人達

 古代の日本人の寿命がどのように記載されているのか中国の史書を見てみよう!
 実は、日本人の寿命について記載している史書は、二つはある。
(1)「後漢書」巻85・東夷列伝(400年頃南朝宋の時代范曄の手によ
   る)
(2)「三国志」巻30・魏書30・倭人(3世紀中頃陳寿の撰)
である。中国の史書には互いに参照しているものがあるため注意が必要である。
 ここでは、上記二つの記述を見て判断すればよい。
 さて、(1)後漢書には、
  『…多壽考至百餘歳者甚衆國多女子…』
現代文でいうと、太字部分は
  【長生きの人が多く、百歳以上に達する者が沢山いる】
である。
 次に、(2)三国志(倭人)には、
       『…其人壽考或百年或八九十年…』
同じく現代文でいうと、太字部分は
  【人々は寿命が長く、ある人は百歳、ある人は八、九十歳
        でも生きる】
上記は、「倭国伝」(藤堂明保他訳注)によっている。
なお、壽考とは、(「寿」「考」はともに、長生きする意) 長生きすること。
 
以上のように紀元前後の日本は(幼児期の死亡を免れれば)現代で言う『長寿命』なのである。
 注意すべきは、古代に治療薬があった訳でも、介護士さんがいた訳でも無い。もちろん、自然の薬草など、現代で言えば漢方薬のようなものはきっとあったであろう。例えば、お腹が痛くなれば、この草を煎じて…のようである。
 これは皆さんが見かける野生の動物などもこのように対処していそうである。
 恐らく、死の直前まで労働に参加して日々を過ごしていただろう。
 古代は、身体が動かなくなると死が訪れたであろう。もちろん、延命などあり得なかった。
 古代の遺跡には、必ず『貝塚』が至る所にある。貝は肝臓にいいとも言われる。深酒の人はいなかったであろうから、貝には恐るべきパワーがあったのかも知れない。
 翻って現代に、
 『日本は長寿命国。人生百年時代』

といっても、必ずしも諸手を挙げて喜べない。
 それは医療や薬品の手を借りての事であるので、自力で生きていけるのは少数になってしまう。
 現代、介護を必要としない健康寿命は、
 『男性72才、女性76才』
程度と言われている。
 歴史を知らない現代人が、科学技術・医療の進歩で『人生百年時代』と豪語しているのは、少し恥ずかしい。
 しかし古代も5世紀くらいから現代に近い様相を呈して、寿命が短くなったようである➡ミステリ
 


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