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国・大阪中央労基署長(ドン・キホーテ)事件(令和1年11月27日大阪地裁)

事案の概要

家電用品、日用雑貨品、食品、時計・ファッション用品及びスポーツ・レジャー用品等の販売を行うビッグコンビニエンス&ディスカウントストアを経営する本件会社が経営する店舗に勤務していた原告が業務上の事由により適応障害を発症した旨主張して、労働者災害補償保険法に基づく休業補償給付を請求したのに対し、大阪中央労働基準監督署長が、不支給とする決定をしたことから、原告が、被告に対し、本件処分の取消しを求めた事案。

結果

棄却

判旨

本件出来事〔1〕(降格による食品部門への異動が決まった旨伝えられた出来事)と本件出来事〔2〕(労働者の言動が数名の職員の体調に悪影響を与えたこと,本件会社の本部から懲戒解雇に相当すると連絡があり,本来は懲戒解雇だが,温情処分で異動にしていることを告げられた出来事)は,仮に本件出来事〔2〕が本件出来事〔1〕よりも心理的負荷の強いものであったとしても,いずれもブランド部門から食品部門への異動を伝えるものであることや労働条件(賃金)の点で異ならず,その回数も各1回ずつであって,直属の上司であるAからの連絡と人事権者であるB店長からの連絡といった通常想定される範囲のものであること,労働者に対する配置転換は,合理的な理由のあるものといいうるものであることを踏まえると,本件出来事〔1〕と本件出来事〔2〕を全体として評価しても,その心理的負荷の強度が「強」に当たるとまではいえないこと等から,労働者の業務による心理的負荷が,社会通念上客観的にみて,本件疾病を発病させる程度に強度であるといえず,本件疾病の業務起因性は認められないとされた。

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