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渋谷でストリップ鑑賞デビューして来た話④


前回の記事はこちら↓


(前回の続き)



4.絶頂・終焉


・タンバリンおじさんの正体


 開演と同時に、舞台袖でタンバリンを構えたおじさん……


 それまでの異常なまでに落ち着いた、ある種無気力とも言えそうな、まるで500年前からこの動作をしているのだみたいな雰囲気から、僕は彼をお店の従業員だと思ってました。これが彼の仕事なのかな、と……


 けたたましい音楽、妖艶な美女の登場と共にタンバリンをかき鳴らすおじさん。その顔は全くの無表情でしたが、首から下は非常に慣れた所作。掌だけでなく、手首や肘も打点にして軽快なリズムを生み出します。さすが、500年前からやってる仕事なだけはある。


 そしてある意味、これが彼にとっての仕事である、というのはあながち間違いではなかったのかもしれないな、と僕は思いました。踊り子さんが彼の目の前にも移動して、Y字バランスで股間を見せてる光景を目にするまでは……


 なんかムダにタンバリンおじさんの話題を引っぱった気がしますが、そう、彼はただの、一観客でした。


 おそらく、何年もあそこで、裸の女性が踊るのに合わせてタンバリンを鳴らしている。それも無償で。趣味を超えた、もはや彼の人生における仕事の一つ。僕はその人生に想いを馳せました。世の中、いろんな人生があるんだなぁ……


・使用済みとうもろこし


 突然ですが、皆さんはとうもろこしをどうやって食べますか?

画像引用 : https://delishkitchen.tv/articles/628


 七輪の上で醤油を垂らして焼いて食う、バターと混ぜてホイル焼きにして食う、ポタージュに入れて食う……様々あると思いますが、僕はこの渋谷道頓堀劇場にて、新しいとうもろこしの食べ方をする人を目撃しました。その人は、下の口で、先っぽから食べていました。


 その踊り子さん(以後Aさんと仮称)は、他の踊り子さんと一線を画すパフォーマンスを次々に披露していました。まず、彼女だけ、セリフがありました。

 一人芝居ってヤツでしょうか。浴衣を着て、回転舞台に横になり、しなをつくりながらドぎつい東北訛り(聴き取り不可)で観客に語りかける。傍らには、黒い漆塗りのお盆に乗った3本のとうもろこしという謎のアイテム。まぁ何はともあれ、郷愁、妖艶、ここに極まれり。僕は海綿体に怒張の予兆を感じました(韻踏んだのは偶然です。YOYO)。



 そして、その次の瞬間、その日一番の衝撃が僕を襲いました。Aさんが、とうもろこしを食べ始めたのです。激しく喘ぎながら、下の口で。


 僕の目は釘付けになりました。何か、ものすごく本能的な欲望を刺激された気がしました。女性の喘ぎ声には、男を狂わす何か特定の周波数があるのではないか。Aさんの両脚の間で見え隠れするとうもろこしを見ながら、僕はそんなことを考えました。ふむ、実に面白い(福山雅治に以下略)。


 その公演が終わった後、例によってAさんの写真撮影タイムになりました。「今なら、使用済みとうもろこしと一緒に写真撮れますよ〜(笑)」と呼びかけて、おじさんたちの笑いを誘っていました。


「使用済みとうもろこし」というワードが現実に女性の口から発せられることがあるんだなぁ、
と僕は深い感動を覚え、甘い匂いに誘われたカブトムシのように(aikoに謝れ)、その日2枚目のAさんのポラを撮りました。Aさんがとうもろこしでフェ○してる画でお願いして撮りました。素晴らしいポラでした。ぬらぬらと光るとうもろこし、美しく反った腰つき、それはまるで琥珀の弓張り月 息切れすら覚える鼓動 生涯忘れることはないでしょう 生涯忘れることはないでしょう(aikoに以下略)

使用済みとうもろこし(イメージ)
(画像引用 : https://delishkitchen.tv/articles/628)


・異文化体験の果てに


 その他にも僕は様々なカルチャーショックと邂逅しました。腰の曲がったおじいさんが、プルプルと震える手でご祝儀袋を踊り子さんの胸に挟んでる光景などは、何か哲学的な示唆さえ感じました。



 長くなりましたが、そろそろ書くのに疲れたので(突然の告白)、ここいらでこの「渋谷でストリップ鑑賞デビューして来た」記事シリーズを締めようと思います。書ききれなかったカルチャーショックもまだたくさんありますが、それは是非、皆さんの目で確かめて…… では、次の記事でまたお会いしましょう。


(終)

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