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一問一答も工夫次第ですごい効果を発揮する

今回は当塾の理科・社会の勉強の進め方を説明します。紹介するのは勉強苦手〜中堅層の生徒にやってもらいたい勉強法です。講師の皆さんは参考にしてください。

当塾では個別指導塾の中では珍しく、理科・社会も面倒を見ます。個別指導塾はただワークをやらせて放置になりがちですので、それは避けるように注意しましょう。
中学生が自力でやるには難しいですが、ご家庭での勉強にも使える方法ですので、一般の方も参考にしてください。

理科・社会の基本的な定着・身につける方針は以下の通りです。
① 一問一答を覚える
②基礎問題を解く、計算問題等のやり方を教える&演習する
③応用問題に挑戦
④教科書のテーマを利用する

ただし、ハイレベル層を除くと限られた時間の授業コマ数の中では「①一問一答を覚える」だけで精一杯だったりします。勉強苦手層はまずココからスタートさせると良いです(ハイレベル層は自分で勝手に進めます)

今日の記事では、「①一問一答を覚える」詳しく見ていきましょう。

勉強の基本!一問一答から始めよう。

理科・社会はただの暗記科目ではありません。用語のつながりや理論が大事です。しかし、とは言えど用語が分からなければ、理論もへったくれもありません。

ですので、まずは単純に用語を覚えてもらいます。ただし、やり方を工夫すればただの一問一答でも、高い学習効果を得られることができます。その具体的な方法とその意図を説明するので、講師の方々はよく理解をしておいてください。

当塾では以下のサイトの一問一答を使用します。

https://iidrill.com/material/地理一問一答%E3%80%80第2編%E3%80%80第3章%E3%80%80日本の諸地域/

テスト範囲の部分を印刷して渡します。
このプリントの効果的な使い方を説明します。
ここからが重要なポイントですのでよく意識してください。

① 答えのページを開き、生徒が漢字を読めるかをチェックします。(雨温図問題など、たまに思考系の問題が混ざっているので、それは飛ばすように指示します)
② 答えの部分折って隠します。

(写真) 

5秒考えて分からない部分は速攻で答えを見ます
④コレをひたすら繰り返します。(ちゃんと毎回答えは折って隠すこと!)
⑤最終的に見ないで全部言えるようになれば、一旦ゴールです。
⑥言えるようになったら書きで同じことをします。

最初は、自力でやるのは難しい生徒もいると思うので一緒にやってあげると良いです。
ただし、最終目標はコレを1人でできること、もっと言えばお家でできるようになることです。ずっと面倒を見てるのではなく、適度に突き放して自力でできるようにしましょう。

ダメな一問一答のやり方

一問一答のよくない使い方として、「ひたすら書く」というのがあります。漢字が身につくのと腕が鍛えられるという側面もありますが、基本的に脳死での作業は、ほとんど身に付いてないので、あまり塾ではさせないでください。(全く勉強しなかった生徒が、やっとそれをやり始めた!それを水を差すのは憚られるな、という状況は除きます)

とにかく、隠して「思い出させる」という作業が重要です。「えっと〜、あ〜!あれなんだっけ!!!!」から答えを見て「あ〜!そうだった!!」となる状態がもっとも記憶が定着する流れとなるので、可能な限り「思い出す」を作り出してください。

「逆」一問一答

よりハイレベルな一問一答の演習として、「逆一問一答」という手法があります。これは、「問題文→用語」ではなく、逆にして「用語→問題文」のように出題する演習法です。

例えば、
「国内の経済が単一の作物や鉱物に依存している状態をなんという?」→「モノカルチャー経済」
という問題だった場合、「『モノカルチャー経済』ってなんですか?」と出題します。

これは、本当にその用語を理解していないと答えられない上に、ただ単に並びで覚えてしまった用語に理解を促す効果があります。

大概の勉強苦手な生徒は、その概念そのものを理解してるわけではなく、「単一作物」というワードがきたら「モノカルチャー経済だ!」のようなこの言葉が来たからなんとなくコレだ!くらいの感覚で解いています。

それを防ぐ効果があると言えます。ただし、少しハイレベルな勉強法のため、生徒によっては答えるまでに時間がかかりすぎたり、国語力の低さから説明ができなかったり(国語力を鍛えることになるが、それをやってると用語を身につけるどころの話ではなくなる)するので、時間との兼ね合いで臨機応変に対応する必要があります。重要な用語から優先して少しずつやってみるのが良いでしょう。 

講師にも単元に対してそれなりの理解が必要になります。

一問一答に補足を加えて、用語と用語をつなげる

一問一答のデメリットは単純暗記となってしまうことです。歴史は流れ、理科は理論が重要ですし、なにより一番面白いところです。
ただし、源頼朝も覚えてない人に鎌倉時代の流れを説明しても何も身につかないし、酸素・二酸化炭素がなにか分かってない人に化学変化を教えてもやはり身につきません。

ある程度の基礎用語の暗記は必要なので一問一答をやらせてるわけですが、この一問一答も少し工夫して少しでも生きた知識に昇華する方法を示します。

① 用語と用語の関連性をメモさせる
一問一答は、用語がずらっと並んでいて勉強しやすいというメリットの代償に、全ての用語が並列に扱われるため、繋がりが見えづらいといつデメリットがあります。

そこで、用語と用語に補足を入れたり繋がりをメモさせたりします。

例えば、「室町時代」の一問一答の場合、「後醍醐天皇」が答えの問題の下に「建武の新政」があるので、それをマーカーで矢印を引いたりして関連性を明確にします。

一問一答の答えのところに書き込む

②用語をセットにする
一問一答はズラズラっと無味乾燥に用語が並んでます。バラバラの知識は覚えにくいので、まとまりを作ってあげると覚えやすかったりします。
電話番号や郵便番号が3つや4つの数字に分割されているのと同じ話です。(〒220-0051みたいな)
上の例だと、「後醍醐天皇・楠木正成・足利尊氏」は鎌倉幕府をたおした3人セットとして青ペンで括ってあります(ちょっと分かりにくいですね…)


以上、このような感じで、ただの一問一答でも工夫すれば創造的かつエレガントな学習とすることができます。

一問一答をやるだけならお家でもできそうですが、このような一工夫を与えることが個別指導塾での学びの価値になります。

そして目指すべきは生徒が自分で勉強できるようになること!ただし、いきなり全てを求めてはダメです。
例えば、ただ単に一問一答を覚える作業をしてる生徒がいるとします。家でやれよ!と思うかもしれませんが、習慣がついてない生徒がいきなり家でやるのは無理です。もともと、勉強のやり方が分かってなかったり、一問一答に触れたことがない生徒が家で1人でやるのは難しいので、まずは塾で時間を使って一緒にやってあげることから初めてましょう。

それができたら、今度は用語と用語を繋げる解説を入れたり、逆一問一答をやってみたり、単純な一問一答暗記はお家での宿題にしたりと、段階を踏んで、その子のペースを見極めて面倒を見てあげてください。

この一問一答を中1生徒に取り入れて、覚える作業を塾で一緒にやったところ、「これ、家でやればめっちゃ覚えられるじゃん!」と気づいて(今まで気づかなかったのか…とズッコケましたが…笑)、宿題をわざわざ出さずとも、お家で一問一答を覚えて来てくれました。

強制的に勉強をやらされるのではなく、覚えられる!という成長の実感から自ら勉強し始めた良いケースです。

一問一答ひとつとっても、こんな成長が見られるくらい重要な勉強法です。
効果的な使い方を理解して、ぜひ生徒の成長に役立ててください。

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