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『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』 橘 玲著 を読んでハッ!とした3つの衝撃 Vol.64

テクノロジーの発達がもたらす思想の変化で、わたしたちの社会がどのように変わっていくのか?
合理的に考えると導き出される結果とは…。

本書は4つの政治思想を理解するところからはじまります。リベラリズム、リバタリアニズム、共同体主義、功利主義。

そして、ピーター・ティール、イーロン・マスク…天才たちの成り立ちが描かれます。
幼い頃いじめられた経験、孤独、天才ゆえの苦悩。

くわしくは同書を読んでいただきたいのですが、私が「フムフム…」となった3つのことを紹介します。

①COST 共同所有自己申告税
②QV クアドラテック投票
③コンストラクタル法則

【①】COST 共同所有自己申告税
個人が持っている「財産」に税金をかけようという考え方。「そんなもん今でもあるわ!」とツッコむのは少し待ってください。

例えば美術品である絵画で考えてみます。
それぞれの価値観で値段の設定がむずかしい。一般的にはオークション(競り)で取り引きされます。(と聞く)

1,000万円で絵画を落札しました。その後絵画を持ち続ける限り、年7%つまり、毎年70万円の税金を払い続けます。
買って自分の持ち物になる。はい、終わり。
ではなく、所有することでコスト(税)がかかり続けます。

また、本書の例では「ワイン」を取り上げています。1本、数百万円するものもあるとか。所有し続けるだけで税金が発生する。
このとき、税を逃れる1番簡単な方法は?
答えは、飲んでしまうことです。

所有からレンタルへの意識の変化
と本書では述べています。

【②】QV クアドラテック投票
ものすごく簡単にいうと、1人で複数の投票権を持っているという考えです。

↑ この中から村長さんを決めよう!

3人が選挙に出ます。当選できるのは1人。
①ガミガミ犬さん
②スマイル犬さん
③バイオレンス猫さん

わたしたちは1人につき3票持っています。
「ぜひ、スマイル犬さんに当選してほしい!」と、思えば②に3票入れます。

「ガミガミ犬さんにだけは当選してほしくない!」と思えば、②に2票、③に1票と投票することもできます。
また、①・②・③に1票ずつ投票も可能です。

1人1票だけの制度よりは、私たちの考えを選挙に生かすことができます。

実際は「平方根投票」となり、やや複雑ですがそんなに難しいものではありません。興味がある方は調べてみてください。
投票の集計がやや複雑になりそうですが、いいシステムだと私は思います。

【③】コンストラクタル法則
エイドリアン・ベジャンという方が提唱する、世界の根本原則(第一原理)。

地球という生態系では、太陽から受ける熱量が赤道付近と極地で異なることで水(海)や 空気(大気)の流れが発生する。
すると魚は、水の流れの中でもっと速く、なめらかに移動できるよう身体を流線形に進化させ、鳥は翼によって重力にさからって上昇し、大気の流れのなかを飛行できるよう進化した(陸上の動物は、重力と地面の摩擦に抗してより速く動くために、四肢を動かして小刻みにジャンプするよう進化した。

これは生物だけの話ではない。飛行機や船は、空や海でより速く、よりなめらかに移動するよう、鳥や魚と同じような形状になっていった。コントラクタル法則は、生物か無生物にかかわらず、同じ系(流れ)のなかに置かれれば同じような「かたち」に進化することを示している。

テクノ・リバタリアン 橘玲著

「より速く、よりなめらかに」であらゆるものが進化しています。
車、新幹線、飛行機、ロケット、流線形のデザインです。
経済はお金の流れ、インターネットは情報の流れだからこの法則が適用されます。

この辺りを突き詰めていくとビジネスに活かせるかも。でも、そのアイデアをカタチにするのがむずかしいのですが…。

以上が本書で学んだ3つのことです。

これから先の未来を生きるうえで大変ためになる本でした。気になる方はぜひ!


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