（このおはなしはフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。）

ほんとに困ったことだ。私は悩む。悩む私。
だれに相談したものか？

実は人前で話すのは苦手。
最近、みんなからチヤホヤされはじめてるけど、ぶっちゃけしゃべるの下手なんだよな…。
最初に「私はしゃべるの苦手です…。」って言った方がいいんじゃないのか？
その方が気が楽だ。でも、そういう訳にもいかない。

少しずつ知名度が上がってきてるからなぁ…
人前に出るのキャラじゃないんだよなぁ〜
ハァ～

相談できるのは…
あの人しかいないんだけど…
なんだかなぁ…気がすすまない…

うわっ！何？何！？はっ、尿瓶！！

妻：自分の弱みを最初から人に見せようなんて甘えてんじゃねーよ！馬鹿野郎！！
それで最初から許してもらおうって考えてんじゃねえよ バカ！甘えんな！
かっこつけてんじゃねぇよ！

お前は結局どうなりたいんだよ？

私：…真理とは何か？を知りたい…です。

妻：…プッ。（笑）
じゃあ 「真理とは何ですか？」って聞いてまわれ！

私：えっ？真理に答えってあるんですか？

妻：お前バカか？私に聞くんじゃねぇよ！！
頭のいい人間に聞いて回るんだよ！

真理とは何ですか?
正義とは意味ですか?
国家とは何ですか?
幸せって何ですか？
家族とは何ですか？
妻とは何ですか？
悪妻とは……

何も知らない…
そう、お前は無知だな。お前は無知なんだから恥ずかしがってんじゃねえよ！
聞いて聞いて聞きまくってこい！！

そこでボーッとしてる暇があったら家事を手伝え！

私：はい！！

…相変わらずこの人といると心が折れるな。まあ、言ってることはわからないでもない。
そうだな。わたしの甘えだな。
はぁっ…とりあえず神殿にでも行ってみるか…。

こんな悪い妻を持った私は哲学者になれるかもしれないな。
良い妻を持てば幸せになれそうだけど…

一一一一一
数千年の時を超えて今も語り継がれる彼。
それは、妻のおかげだったのかもしれない。