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Flash

昨年末、母がテレビを見ながら
台所にいる私に向かって
「フラッシュが再放送してるよ」
と声を掛けてきた。

フラッシュ。
さて何のことだろう。

「何それ」
リビングのテレビはタイミング良く丁度CM中だ。

母が言うには話題になった人気作で、
私も見ていたものだとか。
フラッシュ。
…全然記憶に無いのだけど。

しばらく考えた末
「もしかしてダンスのやつ?すごい昔に流行った」

母はちがうちがうちがう、と力強く3度も首を振る。
内容をよく聞けば人生を何回もやり直す話で、
私の好きな芸人さんが脚本を書いているのだと言う。

そこまで聞いて「あっ」と思ったところで
またタイミング良く番組が始まり、画面を
見るとそれは「ブラッシュアップライフ」だった。

いや、フラッシュって。
そしてそこで80年代のダンス映画
「フラッシュダンス」が咄嗟に出てしまう
私の感性の古さよ。

お互いの勘違いが判明して、後でゲラゲラ大笑いして終わったのだけど、こんな話、落語でもありそうだな、と思った。
自分と相手が1つのものをまるで思い違いして、チグハグなまま会話が進行してゆくような。

はたからすると他愛ないけど
当人たちには面白い、ということは
よくあることで。
いつか誰かに話そうと大事に温めていたら、
話す機会もないままいつの間にか
2月になってしまった。

ちなみに母はスティーブ・ジョブズ氏が
2011年に逝去した際も
「ゲイ・ビルツ死んだって」
と言ってきて、私を大いに笑わせた(不謹慎) 過去がある。

それはAppleじゃなくてWindowsの方の人だし。
そもそも別人の名前になっちゃってるし。

何かといろいろ間違い気味な母である。


#日日是好日
#言い間違い
#それを言うならビルゲイツだから

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