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【AIにできること、できないこと】 -ほぼ1,000字感想文

■ざっくり概要

巷で話題のAIに関して、数字など理系的な表現を排除し、概要を整理している一冊。とりあえず、AIがなんなのか?をざっくり把握するにはうってつけの教材だと感じた。

特にAIに知性があるかというテーマに対して、「動機・目標設計・思考集中・発見」という4分類で知性を整理していることが、本書の注目ポイント。筆者のオリジナル定義とのことだが、この軸をもとに昨今の研究や活用事例が紹介されていることで、大きなAIというテーマをどう切り出してみていくべきかがわかりやすい。


○タイトル:AIにできること、できないこと---ビジネス社会を生きていくための4つの力
○著者  :藤本浩司、柴原一友
○発行  :日本評論社 (2019/2/25)


■学びポイント

○1つのAIが万能なわけではない

そもそもAIと呼ばれる概念に明確な定義はない。本書ではAIとは「コンピュータに知的な作業を行わせる技術」と表現している。

大前提としてAIが価値を発揮するためには、着手すべき課題を定義し、その解決方法は人間が設計する必要がある。同じAIと呼ばれるモノでも、この設計が異なる場合、全く別物となる。

本著で紹介される主たるAIの種類
・予測系AI:未来のできごとなど、いまだ不明なことを推測するもの。クレカの申し込み審査などで活躍。
・言語系AI:人間が扱う自然言語に関連した機能を有するもの。チャットボットやSiriなどで活躍。
・画像系AI:画像データに関連した機能を有するもの。顔認証や自動運転などで活躍。
・ゲーム系AI:囲碁で人間を超えたAlpha Goに代表する関連のもの。既に人間を超えたとも言われる分野。


○AIと人間の脳の動きは根本的に違う

例えばShazamというスマホアプリは、音楽を聞かせることでその曲名を検索できる。これはAIによって実現をしている。しかしそのプロセスは人間とは全く異なる。

例えば、ある曲を生演奏した場合、人間であればその曲を知っていれば認知ができる。しかしShazamでは正答率が極端に悪くなる。これは、Shazamが音楽の波形を抽出し判定しているためである。

このように、人間と同じ正解を出せている場合でも、理解のプロセスが全く異なる。


○AIが暴走するかは設計者次第

センセーショナルなSF映画などが氾濫していることで、社会では一定AIへの恐怖が蔓延っている。

しかし上記の通り万能なAIはなく、よくも悪くも設計者が設定した目標の達成に対して、機会処理を重ねるだけである。つまり危険視すべきは、AIそのものでなく、悪意を持った設計者が現れること。

※関係者の皆様へ
感銘を受けた作品だからこそ、より多くの方に読んでもらいたくnoteを記載させて頂きました。作成画像など、内容に問題がある場合は即刻掲載停止しますので、ご一報頂けますと幸いです。

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