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【いちばんやさしい機械学習プロジェクトの教本】 -ほぼ1,000字感想文

■ざっくり概要

機械学習を用いた具体的なプロジェクトの進行を想定した初心者向けの指南書。

そもそも「機械学習」とはなんなのか?という前提を揃えた上で、従来のシステム開発系のプロジェクトとの類似点・相違点をわかりやすく整理をしている。無理に専門知識を詰め込むのではなく、全体像を掴むのに役立った。

関連したプロジェクトを立ち上げる際に、関係者の前提知識を揃えるために配るのもアリかも。漠然と「AI活用」というテーマに立ち向かおうとしている人にはまず読んでほしい一冊だと感じた。

○タイトル:いちばんやさしい機械学習プロジェクトの教本 人気講師が教える仕事に AI を導入する方法
○著者  :韮原祐介
○発行  :インプレス (2018/3/26)


■学びポイント

○時間と労力がかかるのは下準備

近年機械学習が再び盛り上がってきたのは、「ディープラーニング」やそれを支える周辺テクノロジーの進化により、画像や自然言語の分野にまで裾野を広げられつつあることが理由の1つと考えられる。

しかし、これらの分野では機械学習ならではのハードルがある。それは構造データ化である。構造化データとは、「行×列を持つ表形式のデータ」のこと。

例えば画像解析をする場合、AIは直接画像をみて判断しているわけではなく、画像の特徴を構造化データとして取得し、処理をしている。つまり、データの構造化なくしては、そもそも機械学習ができないのである。

○プロジェクト成功には外の力を使いこなせ

機械学習を用いたプロジェクトを推進するためには「ビジネス」「データサイエンス」「エンジニアリング」の3つの領域に関する知識とスキルが必要になる。また、ソフトウェアやハードウェアなど「物的リソース」も必須。

特にこれから機械学習を導入しようとしている組織の場合、これらのリソースを内部で賄うことは、まず不可能である。よって、いかに外部リソースを組み合わせられるかを考えることが必要。

AWSやGoogle Cloud Platformといったクラウドサービスでは、既に学習済みのモデルをAPIで誰でも使えたり、知っているかどうかで思わぬショートカットができることも。

こうした情報を補完するためにも、コンサルタント会社やデータ分析に強い会社の協力を得ながら、プロジェクトを進めていくことはメリットが大きい。

○「機械学習プロジェクト」は成果が確約できない

一般的なシステムが、あらかじめ決まったルールに沿って演繹的に処理をするのに対して、機械学習は「学習データによって得られた情報をもとに答えを推定する」帰納的な処理である。

つまり、機械学習を取り入れたシステムが完成したからといって、ビジネス的な成功に繋がっているとは限らない。ここがこれまでのシステム開発と根本的に異なることを理解していく必要がある。

※関係者の皆様へ
感銘を受けた作品だからこそ、より多くの方に読んでもらいたくnoteを記載させて頂きました。作成画像など、内容に問題がある場合は即刻掲載停止しますので、ご一報頂けますと幸いです。

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