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うそのはなし|ショートショート

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私が書いたショートショートをまとめています。
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記事一覧

ハイチュウの粘着力はそれほどでもない。 #放課後ランプ|毎週ショートショート

マミはカナで、カナがマミだった。 あの時の2人は、もうどっちがどっちなのかわからないくら…

稲橋 閃
1日前
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道伍のブチ切れ日記|140文字小説

誰も居ない教室で蹴飛ばした机は、思ったよりも大きな音を立てて、遠くまで飛んでいった。 俺…

稲橋 閃
5日前
11

絡のゆるやかな日常|140文字小説

あぁ前からこうだったわけじゃない。 ゆるゆるのスエットで、ふわふわのソファーに座って、丸…

稲橋 閃
6日前
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ミッキリとモッキリの船の旅|ショートショート #140文字

まだだ。ここは旅の途中。ミッキリ波とケンカして、両手両足突っ張った。揺れる船尾に沈み込む…

稲橋 閃
9日前
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美容系のえみちゃん #トラネキサム酸笑顔|毎週ショートショートnote

「私?私はねえ、えがおがかわいいっていわれるかな♡」 サンはいつも調子にのってる。わたし…

稲橋 閃
10日前
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タコの中からいるかがでてくる|ショートショート

何のためにあるのか。 いつも意味ばかりを考えてしまう。 自分のやりたいように。だとか、心…

稲橋 閃
2週間前
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朔月 #炭酸刺繡 |詩

いくつもの手ではらった なんどもはらう 声、 うたかたを胸に深く深く なにもない場所で、ただいつのもとおりに潜るだけ 蜜、 強引な契約と浮上、回転する称賛 熱、 ただの重なり 唇、 湧き上がる二酸化炭素はとどまることを知らない いくつでも、なんども 一日目の月が私の耳元で囁く 【あとがき】今回は、藤家 秋さんが主催されているこちらの企画に参加させていただきました。 #炭酸刺繡 大人になってはじめて詩を書きました。 326世代なので、高校生のころはこっそり

僕が贈る最後の唄 #春ギター|毎週ショートショートnote

僕はもう、涙なんてでないと思っていた。 吉祥寺の駅を降りたら、サーティワンを背中にして横…

稲橋 閃
2週間前
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私の的確な友達のはなし|ショートショート

「ねえ、どう思う?やっぱ上手くいかないや。」 「みき、まぁた同じこと言ってる。みんなさ、…

稲橋 閃
1か月前
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ケナシコルウナルペには鼻しかない #オバケレインコート|毎週ショートショートnote

二風谷の丘にはケナシコルウナルペがでるという。 今までは丘にも一人で遊びに行くことはあっ…

稲橋 閃
3週間前
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春の女神のはじまり|ショートショート #クロサキナオの2024SpringFesta

きゅるん、くくう。ぐるるるるるる。 遠くで鳴き声が聞こえる。 もうそろそろかもしれない。 …

稲橋 閃
3週間前
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早朝バイトのロッカーに息づくヤドリギ|ショートストーリー

もしわかっててやっているなら本当にずるい。 「おはよお。」 眠そうな目をこすりながら、寝…

稲橋 閃
3週間前
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人間の仕事 #桜回線|毎週ショートショートnote

「ぴちぴちじゅわーっと鉄板の上をとろけるチーズとハンバーグが口の中でマリアージュ!口の中…

稲橋 閃
1か月前
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流行りもののこねこさん #突然の猫ミーム|毎週ショートショートnote

そうね。彼ってじょうだんばっかりよ。 あんまりものを知らない人なの。 まあ、それがかわいらしいところというか。 ええ、おばかさんではないのよ。 こないだも猫がうたっておどるのを見ておどろいちゃって。 そうよ。「こねこさんがこんなにおしゃべりするのはみたことがないよ」なんていってるの。 こねこさんに、夢中になってしまっているのよ。 かわいいひとなの。 * 大正時代、濃厚な洋食や電化製品と共にアメリカからもたらされた、突然の猫ミイムにより人々の生活は一変した。 ど