稲橋 閃

物語を書く人|服飾パタンナーからライターになりました。 毎日投稿挑戦中。心が動くお話を…

稲橋 閃

物語を書く人|服飾パタンナーからライターになりました。 毎日投稿挑戦中。心が動くお話を書きたい。  2024年は挑戦する年!ちょいちょい修正したりしてます。 *アイコンはCanvaAIで作成

マガジン

  • 【みんなで創る】クロサキナオの運営マガジン

    • 25,378本

    このマガジンは「楽しく、続ける」を趣旨として発信してます。まだnoteに慣れてない人は知り合いづくりと記事の共有を兼ねてぜひご参加してみてはいかがでしょう🌹 ※原則1日投稿記事は2本までとしました。ご了承ください。

  • ほんとうのはなし|エッセイ

    わたしが書いたエッセイをまとめています。 noteは、物語しかかかないぞ!っと思ったけど、やっぱり日々の事も書きたいのでこのカテゴリーもつくりました。

  • 須山ゆずの共同運営マガジン

    • 160本

    このマガジンはワーママが「子育ても仕事も自分らしく楽しむ」をテーマに日常を綴る共同運営マガジンです。子育てしながらも、noteを楽しみたい方はぜひご参加ください。

  • うそのはなし|ショートショート

    私が書いたショートショートをまとめています。

  • 小説で商品を作る方法|毎週土曜日更新

    毎週日曜土更新|文章(物語)を書くだけでなく、それに付随する商品開発をおこなうことでさらなる収入が目指せるのでは?という考えのもと毎週土曜日は商品開発会議を行っています。(一人で)

最近の記事

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火星の写真家|ショートショート

昨日の夜発射された宇宙船は、3日前に到着していた。 ねじり、ねじり。今と明日と、2分前が入り混じる火星のじかんは、とらえどころがない。 ひんやりと冷たい扇状位ガラスの窓に頬をぐいと押し当て、熱った顔の熱をすこしでも逃そうとしているニイ宮は手の中の大きなキカイを見つめた。 船内はハワイアンタイムとかで、ゆったりとしたウクレレの音とハイビスカスの香りと、ゆらりと揺れる太陽が、ズンズンと気温をあげていた。 自分よりも年下の人間と話すのは気を使うので、人混みを避けながら窓ぎわ

    • 【カップ焼きそばの作り方】北海道民の腹に納まる青春の軌跡|エッセイ

      もうすでに、私の手の内にあったのだ。 無添加や、オーガニックなどの言葉を気にしていないわけではない。ビタミンもとるし、コンブチャも嗜む。 しかし支配的で、強引なそれは、私を引き寄せて放さない。 …… 北海道民の私にとって、カップ焼きそばといえば「やきそば弁当」通称“やき弁”である。 道民が好きな甘めのソースとたっぷり入った具、もちもちの麺は、見つけると食べたくなる、ソウルフードである。 やき弁はインスタント焼きそばの例に漏れず、湯を注いで捨て、ソースを混ぜるだけで

      • タコの中からいるかがでてくる|ショートショート

        何のためにあるのか。 いつも意味ばかりを考えてしまう。 自分のやりたいように。だとか、心の赴くままに。だとか言われても、それになんの意味があるのか。 また正しい答えを求めてしまうのだ。 今日もそうやって、もりもりと膨らんだ脳みそを持って、ビツ屋へ向かう。 「すみません。」 「ああ、きみかね。ずいぶん早いお出ましだね。前回来たのは…そうさな、半月前かね。」 「最近はもう、自分でもさっぱり。前なら削ぎ落とすこともできていたのですが。」 なに、うちはありがたいがね。と

        • カタカナが苦手な小2娘へ贈る 無料プリントの洪水|エッセイ(おすすめ無料プリント紹介)

          もちろん楽しく生きていてくれることが一番だ。 しかし人は貪欲である。 ひとつ階段を上れば次へ。 またひとつ上ればさらに上を目指してしまう。 娘が小学校2年生に上がった今思うのは、年長さんの時にもっと「文字を書く」ことをしておけばよかったなということ。 勉強のプリントみたいなのではなくても、お手紙を書くとか絵に文字を書いてみるとか遊びの延長みたいなものでもよかった。 絵を描くのもそこまで好きではなかった娘は「文字を書く」なんてまったく興味を持ってくれなかった。 そのかわ

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        火星の写真家|ショートショート

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        記事

          朔月 #炭酸刺繡 |詩

          いくつもの手ではらった なんどもはらう 声、 うたかたを胸に深く深く なにもない場所で、ただいつのもとおりに潜るだけ 蜜、 強引な契約と浮上、回転する称賛 熱、 ただの重なり 唇、 湧き上がる二酸化炭素はとどまることを知らない いくつでも、なんども 一日目の月が私の耳元で囁く 【あとがき】今回は、藤家 秋さんが主催されているこちらの企画に参加させていただきました。 #炭酸刺繡 大人になってはじめて詩を書きました。 326世代なので、高校生のころはこっそり

          朔月 #炭酸刺繡 |詩

          ものがたりを書き出したらのほほんと読めない|エッセイ

          いっぱしの口をきくなぁ、と自分でも思うのだけど、ものがたりを書くということをはじめてみると、映画とかマンガとか、あらこれが一幕ですかね?とかこれって伏線で重要なアイテムなんでしょうか?などとプロット目線で見るようになってしまった。 それはそれで、悪いことじゃないかもしれないけど、ものがたりの世界にどっぷりハマって泣いて笑ってしたいから、私はものがたりを読んでいるのだ。 その楽しみを自分で奪ってはいけない。 もう帰れないあの場所や、今は行けないあの世界へ。 私は今日も旅に

          ものがたりを書き出したらのほほんと読めない|エッセイ

          僕が贈る最後の唄 #春ギター|毎週ショートショートnote

          僕はもう、涙なんてでないと思っていた。 吉祥寺の駅を降りたら、サーティワンを背中にして横町へ入る。横町を抜けて、一歩右へ入った路地の正面に大きくそびえたつビル。そのビルの2階に教室はあった。 老後の趣味にとはじめたおじいさん。 演技に必要だと習いに来たおねえさん。 ロックの歌姫に憧れてやってきた僕。 そして、きみ。 きみと過ごした三か月はとても濃厚で、出会ってからのすべての日のことを鮮明に思い出せる。 それは日記に記していたからのおかげもあるんだけど。 息の仕方を

          僕が贈る最後の唄 #春ギター|毎週ショートショートnote

          おそうじ獏のしごとのじかん。 #遊園地|ショートショートガーデン

          ショートショートガーデンでやっている「プチコン」用に書きました! クリックしてもらえると見れます。 【あとがき】先日教えていただいたショートショートガーデンのプチコンは、3作まで出せるとのことだったのでこれが3つ目! 前の2つはこちら↓ やっぱりちょっと後むきで切ない話になりました。 ちょっとこのお話は、気持ちがはいったので、自分でもすきです。 ※画像の一部はCanvaAIで作成!

          おそうじ獏のしごとのじかん。 #遊園地|ショートショートガーデン

          七つ祠のものがたり(仮)第2話|長編小説 連載

          前回の話はこちら ガンガン鳴りひびくドラムは警告音だろう。 足りない……。頭の中で鳴り響く。 強い渇望が全身を駆け巡る。 「じいちゃん!」 不安に駆られて跳ね起きると条条屋敷の何時の部屋の壁が見えた。 「椎もう大丈夫だ。もう家だ。まだ寝てろ。」 甚次郎の顔にはやけどしたような跡があるが、それでもいつものぎごちない笑顔を見せた。 その横には、村長の娘志岐が、どっかと座りこちらをみつめていた。 「椎。寝るのはちょっと待ってほしい。話を聞かせてほしい。」 自分と真逆の

          七つ祠のものがたり(仮)第2話|長編小説 連載

          「袖」を「お袖」って言っちゃうはなし|エッセイ

          むかーし、むかし、服飾系専門学校の生徒だった私は、今でも袖のことを「お袖」と言ってしまう。 普段は絶対使わないのだが、製図を引く時にだけ、ポロリとでてしまう。 先日袖のパターンを探しながら、「おそで、おそで…」と口にだしていて気づいてしまった。 専門学校の3年目を担当していた先生は綺麗な白髪をふんわりとボリュームのあるヘアーにまとめて、薄い紫の色眼鏡をかけ、いつも全身黒づくめで、ジャケットとフレアースカート、それにしっかりとした革の靴を履いていたお姉さまだった。 あの

          「袖」を「お袖」って言っちゃうはなし|エッセイ

          自分に甘い私の時間管理法!新生活はライフスタイルを見直し したくなるんだよ編|ライフハック

          先日こぼしたように、息つく暇もなくすぎてゆく日々……。 そんなのはもう終わりにする! 春なのだ。 新しいライフスタイルを模索するために、時間管理方法を考える。 世の中には様々な時間管理法がある。 タスク管理を徹底するなら自分に甘くなっている場合ではないのである。 甘くすることで、結局業務時間が奪われ自分が苦しい目にあってしまっているではないか。 それならピリリと辛みを効かせた時間管理を行い、ゆっくりできる時間を確保するのだ! 私の時間管理方法は?今日何をしたら良いのか明確に

          自分に甘い私の時間管理法!新生活はライフスタイルを見直し したくなるんだよ編|ライフハック

          娘と私が自分を好きになるために読んだ本|エッセイ

          本が読める人間になる。 特別な教育なんて考えてこなかったけれど、これだけは絶対ある方がいい、と唯一やってきたのが、絵本を読むことである。 世の中には活字を読める人間と、読めない人間の2種類の人間がいると思う。 noteを利用している人達は、ほとんど読める人間に属するだろうけど、私の妹なんかは活字を見るだけで眠くなるなどと言う。 本を読める幸せは読んだ人にしかわからないものだ。自分だけの空想の国や、見たことのない広い世界へ、ページをめくるだけですぐに連れて行ってくれる。

          娘と私が自分を好きになるために読んだ本|エッセイ

          4月って息つくひまあった?|4月半ばの振り返り|エッセイ

          朝一、通知がくる。 お、それじゃそっちを午前中やらなきゃ。 よし。終わった!それじゃ本来やるはずだった業務に……。 「あの~これ〇〇だから、先にお願いしたくって」 じゃそれ優先しますね! ああ、だめだ!いい匂いが足りん。お香を焚こう。 あ!いいこと思いついた!!これをこうして、いいね!見てもらお! 飯をかっこむ。 あら、楽天セール始まってるなあ。 わわ!娘よ、プール道具忘れてでかけてるじゃん……。届けなきゃ。 ちょと相談なんですけど~とMTG少々。 それじゃ△△も、やっとい

          4月って息つくひまあった?|4月半ばの振り返り|エッセイ

          ケナシコルウナルペには鼻しかない #オバケレインコート|毎週ショートショートnote

          二風谷の丘にはケナシコルウナルペがでるという。 今までは丘にも一人で遊びに行くことはあったが、その話を聞いてからのサクラは、もう一人でいくのはやめておこう、と心ひそかに誓っていた。 もう7さいなのだから学校はもちろん、近所の公園やおともだちのお家なんかも一人で訪れていた。 ケナシコルウナルペはこどもがすき。 ケナシコルウナルペは鼻しかない。 ケナシコルウナルペは丘にすむ。 ケナシコルウナルペは雨がきらい。 ケナシコルウナルペ、ケナシコルウナルペ、ケナシコルウナルペ。

          ケナシコルウナルペには鼻しかない #オバケレインコート|毎週ショートショートnote

          春の女神のはじまり|ショートショート #クロサキナオの2024SpringFesta

          きゅるん、くくう。ぐるるるるるる。 遠くで鳴き声が聞こえる。 もうそろそろかもしれない。 半年間小さく丸めていた体の細部を観察する。 ああ、手はある。 足も問題がない。 耳は……、耳も動く。 藁の上とはいえ、雪に埋もれた冷たい洞穴で過ごしていたので、手足が少しかじかんでいる。 早くなにかを口にしなければならない。 いつものこの季節なら、あれがみつかるはず。 満月はもうすぐだから。 まだ溶けきらない雪をかきわけながら、すこしづつ這い上がる。 小さな女神エオストレは

          春の女神のはじまり|ショートショート #クロサキナオの2024SpringFesta

          早朝バイトのロッカーに息づくヤドリギ|ショートストーリー

          もしわかっててやっているなら本当にずるい。 「おはよお。」 眠そうな目をこすりながら、寝ぐせのついたあたまをむりやり帽子に押し込んでいる。 まだ夢の中にいる英利は、2人だけのロッカール―ムの中で、ふらふらしながらエプロンを探している。 果子はというと今日は英利と早朝シフトがかぶる日だと1か月前からわかっているので、朝3時には起き、シャワーを浴び、フェイスマッサージ、保湿にメイク、ヘアセットまで完璧に整えてきた。 しかも完璧に整えてきたことがわからないよう完璧にナチュラ

          早朝バイトのロッカーに息づくヤドリギ|ショートストーリー