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三星グループのMissionの意味を考える

こんにちは~。
三星グループの中村順平です。
名前がJumpeiなので社内ではJ(ジェイ)と呼ばれています。

今日は岐阜市の図書館「みんなの森 岐阜メディアコスモス」で書き始めました。
大きくてお洒落な図書館です。
三星グループの同僚である小谷口さん(一緒の取組みは今度書きます)の薦めで訪れてみました。
知らない土地だとこうゆう情報が嬉しいですよね!!

三星グループに出向して、早くも三ヶ月です。
あ~、時が立つのは早い。
急がないとすぐに出向期間の1年が終わっちゃう。
なぜ、出向しているのかは下記をご覧ください。
https://note.com/mitsuboshi_group/n/n79499102ab4c

さて本日から三星グループの内部に迫っていきたいと思います。
ホームページや各種の記事などでは色々な情報を発信していますが、実際に働いている方に直接インタビューして、深堀りしていきたいと思います。

そして第一弾は、三星グループ 代表の岩田真吾さんです。

岩田さんは慶應義塾大学法学部を卒業後、三菱商事に就職し、ボストンコンサルティングを経て2009年に三星グループへ入社。2010年から代表としてグループの経営を行ってます。
岩田さんはご自身でもnoteを執筆し、毎月の三星グループの社長通信もnoteに公開しています。よかったらこちらも読んでみてください。
https://note.com/noteshingo/

このインタビューは、世間一般に公開されていないような内容も盛り込んで、出向社員の中村が聞いていきたいと思います。
本日は下記の三つのカテゴリーに分けて10個の質問をしたいと思います。
今回はAgendaの①の部分をお伝えします。。

①三星グループのミッションやカルチャーについて
②経営者としての岩田さんについて
③岩田さん個人についての深堀り

1.三星グループのミッションやカルチャーについて~

Q1:三星グループのミッションである「100年すてきカンパニー」ですが、とても素敵なミッションだなと感じましたが、具体的にどのような取り組みをおこなっていますか?
また、次の100年に向けてどのような環境を作っていきたいですか?

三星グループHPより

岩田 100年すてきカンパニーは創業130周年の2017年を機に作りました。
元々、会社に社是やミッションはなかったんです。
会長に聞いてみると「良いものを作ること」、先々代は「整理整頓」などを経営者が大事にしていたことはあったようです。
しかし、これからの時代はしっかりとミッションを持って経営をすることが大事だと考えてました。
平易で分かりやすいものを目指してましたが、結果的に抽象度が高くて少し分かりにくいところもあるかもしれないので少し説明しますね。
このミッションは「100年」「すてき」「カンパニー」の3つに分かれてるんです。

先ずは「100年」ですが、単に100年と言われても過去を指すのか未来を指すのか分からないですよね。私たちが掲げる100年は過去も未来もみています。
即ち、先人が積み重ねてくれた信頼が一番の土台で、それを未来にバトンを渡していくのが三星グループのこれからの役目であると考えているんです。

次に「すてき」です。素材を作る会社なんですが、素材の素と素敵の素は一緒なんですよね。なので「人と素材の素敵な関係」って言う言葉も同じ素が入ってて好きなんですよね。
お客様の役に立ち、取引先の役に立ち、従業員にとっても働きやすく、社会にも役立つような状態を考えると素敵な状態だなと思います。未来志向であり、過去思考で、三方よしの状態を作りたいんですよね。

最後にカンパニーですが、カンパニー(Company)という言葉の語源って知っていますか?

中村 知らないですね。Coが入っているんで共通のとか、一緒にって意味合いはあると思うんですが、Panyのイメージはつきませんね。

岩田 元々はラテン語で、Comは「一緒に」で、Panyは「パンを食べる」です。カンパニーの語源は「一緒にパンを食べる」というそうです。これが変容していって「会社」という意味合いになったらしいです。
元々、私は語源が好きで、この語源に立ち返って、一緒にパンを食べる仲間。そんな会社になりたいと思ったんですよ。
昭和から平成にかけて、会社とプライベートを分離するような風潮になってきたけれど、それは少し違うなって思っているんですよね。だって、これだけ長い時間一緒に過ごしている仲間ですよ、一緒にパンを食べる仲間で良いじゃないですか。

語源の少し空想的な話ですが、昔は麦を作る人だけではパンは食べられなかったと思うんですよ。麦を作る人がいて、それを粉にする人もいる。その粉を焼くための焼き窯を作る人もいれば、焼く人もいる。そうやって美味しいパンができる。一緒に協力することでパンが食べられるんだと思うんですよ。

過去からの信頼を未来に繋げる未来志向であり、自分だけではなく関係者全員で同じ釜の飯を食べる。そんな関係性づくりを行うのが「100年すてきカンパニー」の目指すところですね。

中村 深いですね。

岩田 7年前に作ったものですが、しっかりと説明は出来ますよ(笑)。
良いコミュニティを作っていきたいって事なのかもしれません。

一例として、100年すてきカンパニーに向けて就業規則を時代に合わせてアップデートしました。
LGBTQへの対応が具体例です。法的な婚姻関係がないパートナーシップであっても、身内の不幸があれば同様に休暇を付与してますし、結婚する人がいればお祝い金を出します。
合わせて、家族手当や子ども手当などはその時に撤廃しました。

なぜかと言うと、私はパンを食べる仲間ではいたいですが、価値観の押しつけはしたくないんです。手当自体が「結婚しなければならない」「子どもを作らなければならない」という無言のプレッシャーを未婚者や子どもが居ない人に与えることになりかねないと思ったんです。

当時はダイバシティという言葉も今のように普及していなかったので、少し驚いた社員さんもいたようですが、拘っているところなんです。100年すてきカンパニーを目指す会社では多様性を受け入れられる基盤がないといけないですし。

制度面以外での取り組み例ですと、ひつじサミット尾州など地域と一緒に産業活性化する取り組みなどもしています。

中村 そうですよね。私も参加させて頂きましたが、ひつじサミット尾州なんかはスタッフが一同に参加して作り上げているイベントですよね。

ひつじサミット尾州で、参加者が「綜絖通し」という工程の体験をする様子

岩田 そうなんです。加えて、自然環境にも配慮していますし、自然の中からインスピレーションを受けるDNAもあると思います。コロナ渦でBBQ場が満員になって予約も取れない状況だったので、社員がBBQしやすいように庭を作ったりもしました。
また、羊を実際に飼ってみるのもそうですね。素敵の中には羊飼いも入ってきます。

約5年前にオーストラリアやモンゴルに行って、実際に羊飼いに会ったりして大きな感動を貰いました。その一方で、この体験を分かち合いたくても社員全員を連れていくことは出来ない。それなら、羊を呼べば良いんだって考えました。暑い日の水やりなどは大変ですが、スタッフが楽しみながらやってくれています。

Q2:三星グループは3つのValueを掲げておりますが、三星グループの魅力や誇り、カルチャーについて教えてください?

岩田 自分で魅力を言うのはなかなか恥ずかしいですが…

私はアトツギです。
しかし、後を継ぐという事はなんなのか?これはこれまでも、今でも自問自答しています。
後を継ぐという事は、株を引き継ぐ事なのか?、同じ社員を雇用し続ける事なのか?、もしくは資金自体なのか?、と色々と悩みました。
そして最終的な答えは「信頼」です。信頼を繋ぐこと、それは今までの「物語」を引き継ぐことだと思うんですよ。
例えば株主が代わる会社もありますし、事業を変えなければならない会社もあるし、それに伴って社員が入れ替わることもあります。時には社名だって変えている会社もあります。それは時代に合わせて変化するものなので当然です。後を継ぐという事は、今までの紡いできた歴史や信頼を継ぐということだと思うんです。

しかし、後を継いでいるのは血を引いている私だけでは無いと思っているんです。一人一人の社員が物語の伝承者だと思ってます。

急成長している会社ではないですが、長く働いている社員さんも多いです。
新しく入ってくれたスタッフと既存のスタッフが、マーブル模様のようになって歴史を紡いでいってくれているのが誇りの一つですね。

最近、ほぼ日刊イトイ新聞でも取り上げてもらいました。
黒に強みをもっている三星毛糸に森谷という新しいスタッフが加わることで、新しい息が吹き込まれ、独自の生地が生まれるんですよね。
https://www.1101.com/n/s/kijinokanosei/first/03.html

ゼロから新しいものを作りたいと言う人は起業すれば良いと思いますが、既存の伝統に自分の色を重ねてみたいという人には活躍できる環境だと思います。

中村 私もまだ三ヶ月ですが、スタッフがひた向きに拘りをもっている姿勢が伺えます。

Q3:今後、三星グループとして力を入れていきたい活動について教えてください。

岩田 3つを主軸にしています。

1つ目はサステナビリテです。
全ての活動がサステナブルに紐づくように考えています。
生地を作るテキスタイルグループや自社ブランドを運営する未来創造室は正にドストライクであるが、樹脂をつくる三星ケミカルもリサイクルに力を入れています。

2つ目は、ソフトの事業に力をいれていきたいです。
普段はマテリアル(ハード)を作っているんですが、もっとソフトな物を作っていきたいです。
例えばひつじサミット尾州のようなコミュニティ。
ふわっとした物ですが地域のためにもなると思っているんです。
タキビコ(ベンチャー×アトツギ共創基地TAKIBI &Co.)であったり、地域のDXを一緒に推進していくジムシェアという事業を立ち上げていきたいですね。

生地作りや樹脂には興味が無くても、この辺りに興味があれば三星にジョインしやすい環境になると思ってます。

3つ目は採用や人材育成に力を入れていきたいです。
来年はこれが自分のテーマですね。
12年間自分が突っ走ってきた感があります。失敗が多いが、点が繋がり形になってきた所もあります。表彰もされて嬉しい事も多かった分、今まで以上に社員さんと一緒に働いていこうと考えています。
採用に力を入れてカルチャーにフィットし、新たなカルチャーを作っていく人を採用していきたいです。

元来は、長く会社に社員を縛るのは好きではないですが、5年・10年のスパンで一緒にやっていかなければ物語の継承者にはなれないのも事実だと思います。
なので中長期的に一緒に働ける人にぜひ来てほしいと思ってます。

Agenda①の内容はここまでです。次回は②、③をお伝えしますので、是非読んでください。


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