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3daysインターンシップで見えてきた、インターンシップは「自分自身とゼミで学ぶ理論が企業という実践の場でどう活かされているか」を知る機会。

三井物産人材開発株式会社の上村・長谷川です。
2月~3月にかけて、採用活動の一環として当社でインターンシップを実施したのですが、その場が、「会社理解・就活のため」だけでなく「ゼミで学ぶ理論が企業でどう活かされているか」や「自分自身」を知る機会になっていると感じましたので、取り組み内容や学生の声をご紹介させていただきます。

インターンシップの全体像

当社のインターンシップでは、人・組織領域で学ぶゼミ生に3日間、3,4人1グループとなって1つの課題に取り組んでもらいました。その課題とは、グループでテーマに基づいて企画した研修案を提案すると共に、その一部を実際にファシリテーションする形式で、当社社長や管理職に対して発表するものです。
●テーマ:『新入社員の「レジリエンス力」を強化するための研修プログラムをデザインする』
「レジリエンス」というあまり身近でないテーマに対して、全国各地の約30人の学生がオンラインで参加して、3日間切磋琢磨しながら課題に取り組んでくれました。
●特徴①:チーム活動シートの記入(1日目)
・・・グループでこのインターンシップで達成したいゴールは何か、大切にしたいValues・価値観は何か、ワークに取り組む前に共通認識を持ち、役割分担を行いながら、全員でアクションし続けることの大切さを考えます。
(参考:中原淳・田中聡(2021)『チームワーキング』)
●特徴②:当社の1年目社員によるメンタリングセッション(2日目)
・・・各グループにメンターとして入り、「初日にグループで立てたValues・価値観は大切にできている?」と問いかけを実施。
ただ良い発表をすることが目的ではなく、グループで取り組むことの難しさ、醍醐味を味わってほしいとの想いから取り組みました。

世の中におけるインターンシップの事実

インターンシップシップは新卒採用を実施している企業のうち、92%近くの企業で実施されており、学生1人当たり4.5社に参加しているという調査があります。(出典:マイナビ 2022年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査)
その中で、40%以上の学生は「就職活動に有利だと考えたため」と回答しています。「仕事に関しての情報収集のため」という学生は80%以上にも上っています。

当社も学生に『三井物産人材開発という会社があることを知ってほしい』、『会社説明会では分からない、企業での人材育成の仕事を知ってほしい』との思いからインターンを始めました。
勿論、学生にとって少しでも当社の仕事が伝わるように、企画体験ワークや先輩社員に質問できる時間を多く取るようにしました。

ただ、3日間のインターンシップを通じて就活に向けてという為だけでなく、
・大学やゼミでの学びが企業ではどう活かされているのか
・自分の強みや弱みが何か
を知ってもらうことができる機会であると感じました。

今回、実際に参加してくれた学生と話して見えてきた3つのことをお伝えします。

学生との対話で見えてきた
インターンシップに参加する3つの意義

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1.他大学の学生と一緒に、1つの課題に対して取り組むことで、さまざまな考え方・捉え方があることを体感できる

大学でも数人でさまざまなテーマに取り組む授業はありますが、
当社のインターンの特徴は、「北海道から九州までさまざまな大学で人・組織領域を学ぶゼミ生が集まり1つの課題に取り組むこと」です。
人的資源管理、組織行動論、組織心理学、キャリア論、人材育成…人・組織領域と一括りにされがちですが、1つの課題を見る側面によって捉え方は全く異なります。
また、地域や生活する環境、価値観も異なる他大学のゼミ生とワークに3日間、全力で取り組むことで、同じ領域を学ぶ学生同士でもさまざまな捉え方、考え方があることを体感できた、との声がありました。
【実際に参加した学生からの声】
・同じ領域の学生だけのインターンシップは初めてで、ワークを通じてこんなにも色んな考え方があるんだ、ということを知りました
・人材や組織といった同じ学問を学んでいる方と一緒にワークをすることで、新しい考えや知識を得ることができました

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2.ゼミで研究している理論が、企業という実践の場でどう活かされているのか知ることができる

当社のインターンでは前述の通り、人・組織領域をゼミで研究している学生のみが参加してくれました。
ただ、ゼミで普段研究している学生でも、企業の人材開発の現場で、学んでいる理論がどのように活用されているのかをイメージしにくいのが現状です。
そのため、人材開発の仕事をリアルに体験してもらえるよう、1日目に研修デザインの基本を学習した上で、「新入社員研修でレジリエンス研修を行うとしたら」という課題に対する研修を考えてもらいました。参加した学生は、経営層や現場の声、レジリエンス力を強化するために求められる要素を踏まえ、課題解決につながる研修を企画として発表し、実際に研修の一部のファシリテーションを実施しました。
最終発表後、実践の場である企業の最前線で人材開発の課題に向き合っている管理職メンバーから講評を受けて、ゼミで研究している理論が企業でどう活かされているのか知ることができた、との声がありました。
【実際に参加した学生からの声】
・自分の学んできたことが研修として形になることがとても嬉しかった
・自分のゼミでの学びが実際の企業における人材育成の場でどのように活用されているのかを知ることができた点が、非常に興味深く感じました
・人材組織開発に関わる楽しさを再認識できた

インターン写真③

3.2方向からのフィードバックによる気づきの場と振り返る機会の創出

①コメンテーターからのフィードバック
最終発表のコメンテーターを務めて、当社の社長・管理職は、全力で取り組んだ発表の良かったところだけでなく、「これに対してはどういう意見があった?」「ここをもう少し意識したらもっと良くなるのではないか」といった、実際に社内の企画提案時と同じようにリアルなフィードバックを行いました。
②3日間ワークを共にした仲間からのフィードバック
最終発表後、3日間ワークを共にした仲間同士がお互いに対してフィードバックを行いました。
この時は以下の2点を意識してもらいました。
・Good&Motto(いいねと思うこと+もう少し頑張ったらもっと良くなること)で伝えること
・その時の具体的な状況を交えて伝えること
【実際に参加した学生からの声】
・メンバーからのGood共有を通して、今までは気づかなかった強みに気づくことができました
・自己分析では分からなかった自身の短所を知ることが出来た
・今まで自分が気づかなかった強みが発見できました

お、インターンシップ実施から約1か月後、メンターを務めた当社先輩社員による1on1ミーティングを行い、そこで、この2つのフィードバックを活かせているか、といった振り返りの機会を創出しています。

最後に…理論は実践の場で活かせる。

就活のため?会社の情報収集のため?
勿論、選考を受ける前に会社の事業や実際のリアルな業務を少しでも知ることは大切です。
数日間にわたるインターンシップで実際の業務に近いワークに取り組んだり、先輩社員と会ったりすることで、「こんな会社、仕事だと思わなかった」というリアリティショックを防ぐ効果もあると思います。
ただ、就活や情報収集のためだけではなく、普段ゼミで学んでいる理論がどのように現場で活かされているのか、意識して目を向けて、経験をゼミに持ち帰って共有してもらえたなら、私たちとしては嬉しいです。
特に、当社が扱うような人材開発・組織開発の領域では、ゼミで学んでいるような理論が重視され、実践に活かされています。

参加してくださった3年生が来月から4年生になり、
当社のインターンで得た気づきを踏まえて、更にゼミでの理論の研究に取り組んでくれることを楽しみにしながら、
私たちも人材開発・組織開発領域の探究に、より一層取り組んで参ります。

インターンシップに参加してくれた学生の皆さん、ゼミでの広報に協力いただいたゼミの先生方に感謝申し上げます。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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