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処刑場跡地に建った家

これは、うちが住んでいた訳あり物件があった地域の話です。その地域ではほとんどの人が知っている噂、外から見えた情報だけで書いており、内情についてはわかりません。

ほとんどの人が知っている忌み地

今考えると、あの辺り一帯があまり良い土地ではありませんでした。
うちが訳あり物件に入ってから聞いた話ですが、そもそもうちが住んでいた辺りは罪人を住まわせていた地域なのだそうです。
その地域に土地勘があればほとんどの人が知っている噂の一つが「処刑場跡地」。当時うちが住んでいたのが2丁目、そこは3丁目という近さにあります。

交通量が多い通りの沿道にある200坪ほどの土地。立地は悪くはありません。
そのせいか、その場所では、これまでさまざまな商売が営まれてきました。ところが、どれもすぐに閉店に追い込まれます。
地元の不動産屋さんも
「ここだけは買ってはダメですよ」
なんて平気で言う場所です。

忌み地に建ったのは、一般の民家

ついに何の店舗も建たなくなり、そこは何年か空き地になっていました。
ところが、目を疑う事態に。あるとき、そこに建ったのは2軒の一般住宅だったのですから。民家が建つのは知っている限り初めてです。

白を基調にしたモダンシンプルな外観に、玄関脇のシンボルツリー。コンクリート打放しの高めの塀で、リビングとテラスがほどよく目隠しされています。
テラスがあるのがわかったのは、道路面にだけ塀があるからで、サイドは開放になっています。
玄関脇の駐車スペースには海外メーカーの車が並び、2軒ともそれなりに余裕のある暮らしぶりがうかがえました。


あるとき気づいた意外なこと

そこは、何年経っても特に変わった様子はありません。

(住むだけなら問題はなかったんだろうか)

車で前を通過するたび、そう思っていました。
相変わらず車は停まっていて住人はいるようだし、空き家になっている様子もなく、順調に暮らしているのでしょう。

が・・・。
昨年の秋だったか、用事でその家の前を通ったとき意外なものを見ました。
その日は渋滞していて、じわじわ進むだけの車の列。普段は確認できないような景色までじっくり見えます。その家の手前に差し掛かったとき、何気に目をやった私は、塀の横から見えたものにぎょっとしました。

コンクリート塀の高さまで積まれたゴミの山・・・。

無数の空き箱とビニール袋、可燃物などがギュウギュウに積み重なっていて、テラスも窓も見えません。恐らく、日差しはほぼ入らないでしょう。
箱は長年雨にさらされた感じで、色が抜け、変形しているものも多く、一時的に置いたものとは思えません。何より、量がすごい。

「おしゃれな人が住んでいそう」
そう思っていた家の内情がうかがえるような状況でした。


ところで、まなきねこさんの記事を読んで感じたのですが、こういう場所って本来は慰霊碑などを建てて供養するものではないのでしょうか。土地が個人所有や法人所有になっていれば無理なのはわかりますが、近隣の誰もが知っている忌み地を運悪く買ってしまった人が気の毒になります。

まなきねこさんの記事はこちらです。

あの地域については、あとで夫(歴史オタク)と古地図を頼りにいろいろ検証したことがあります。
地図では「家が建った場所」であるかどうか特定できませんでしたが、夫によれば、他にも処刑場を思わせる怪しい地名があることが発覚。そこも、地元では「出る」と言われている場所でした。



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