阿部光史 mitsushi abe

クリエーティブディレクター / CMプランナー / コピーライター / 東京工芸大学非…

阿部光史 mitsushi abe

クリエーティブディレクター / CMプランナー / コピーライター / 東京工芸大学非常勤講師 TCC、ACC、文化庁メ芸、カンヌ、NYADCなど多数受賞。’05 CM好感度1位。TCC会員、宣伝会議賞審査員。電通→株式会社ガリアーノインスピレーションズ代表

最近の記事

夢幻の迷路を歩く: 倉俣史朗のデザイン展

繰り返し夢を見る時期と、ほぼ見ることがない時期が数ヶ月おきに訪れる。昔は高い所から落下したり怪物が襲ってくるような怖い夢を見ることが多かったが、最近はやたらと旅の夢を見る時期に入ったようだ。 古い寺院や、昔からある繁華街のような場所をひたすら歩いて巡る。途中で知人に会ったり、共に移動することもある。ホテルの中もたいてい迷路のようになっている。不思議なのはどの場所も坂が存在していることである。これは生まれ育った神戸の影響が大きい。 実家は坂を登った先の先に建っていて、街のど

    • JAPAN MOBILITY SHOW 2023の感想を書いたらなぜか褒められた話

      JAPAN MOBILITY SHOW 2023に行ってきました! 回った順にて感想を記します。 ダラダラした文章については、予めお詫びいたします。 【ダイハツ】 「ユニフォーム(クルマです)」のデザインがカワイイ。ライトがルービックキューブ4*4みたい。走りながら電気で水耕栽培できるというのが意味あるんだか無いんだかわからんけど、太陽光LEDの照明効果もあって視覚的には楽しい。ネットで発注したら育てたての野菜をすぐ持ってきてくれるような商売は経営として成り立つのかどうかな

      • 「Keep on Challenging」あるいは「ひどい目に合う」1年を

        本日(12/15)誕生日を迎え、55歳になりました。 そして昨日は結婚記念日でした。 さて今年一年は、自分史上でもかなり面白い一年でした。 仕事、運動、旅行の3つのポイントからお話しますと…。 >仕事 会社を辞め、小さな会社を作りました。自社のサイトも作りました。よちよち歩きではありますが、新しい事を進めようともがいております。これまで解いたことのない問題が次々訪れる日々を楽しんでいます。というか会計や棚卸しとかかなり面倒…。がんばります…。 >運動 こちらにも大きな変

        • CMアイデアカテゴリについて

          このカテゴリは15年以上前に自分の広告映像研究のために作り、ブログで発表したものです。これからnoteでも広告映像を紹介するにあたり、改めてこちらにも転載することにしました。各カテゴリはハッシュタグでソートできるようにしています(タグを入力している時にnoteから「タグが多いかもしれません」とやさしく諭されましたw)。noteでの映像の紹介はまだ始まったばかりなので、このカテゴリが何を意味するのかさっぱりわからないと思いますが、これからポチポチやっていきますのでよろしくおねが

        夢幻の迷路を歩く: 倉俣史朗のデザイン展

          TVC164 Heineken / NO TIME TO DIE / Worth The Wait

          本日(10/1)公開となる007の新作「NO TIME TO DIE」、本来は昨年公開されるはずだったのがコロナの影響で公開が1年遅れ、満を持しての公開となります。ダニエル・クレイグ主演の007としては最後の作品になるということで、長年の007ファンである僕も首を長くして公開を待っておりました。 それは本人も同じだったようで。 ヨーロッパを感じさせるクラシックなバーにて、テーブルに座っている一人の男。バーテンが彼に届けたのは瓶入りのHeineken。カメラが男を正面に捉え

          TVC164 Heineken / NO TIME TO DIE / Worth The Wait

          私がボクシングジムに行かなくなった理由。 マンガ『広告亭日乗 #008 酸欠夫妻』

          1年3ヶ月ぶりの「広告亭日乗」新作、「酸欠夫妻」です。早く外で生ビール飲みたい。 緊急事態宣言が始まってもボクシングジムは開いてます。トレーニングしたければ行けばいいんです。でも生ビールがないんです。

          私がボクシングジムに行かなくなった理由。 マンガ『広告亭日乗 #008 酸欠夫妻』

          追悼:エンニオ・モリコーネ氏

          その昔、ニュー・デザイン・パラダイスというテレビ番組があったことをご記憶の方もいるだろう。身の回りに古くからあるものをデザインの力で新しく蘇らせるという、小山薫堂氏の企画による深夜番組だ。 2004年の暮、何故かこの番組に僕が呼ばれ、出演することとなった。番組では文字ではなく色で遊ぶカルタというアイデアを発表し、一部で少しだけ話題になった。と、ここまでは先日ブログとnoteにも書いた話である。 しかしそこで触れなかった事がある。この番組の主題曲は、エンニオ・モリコーネ氏の

          追悼:エンニオ・モリコーネ氏

          始まりは免停講習だった!17年の時を経て誕生したボードゲームの物語。

          去る5月5日、ボードゲーム『インテレクチュアルカルタ”iC(アイシー)”』の発売がスタートしました。遊び方は従来のカルタと似ていますが、「コトバ」ではなく「色の名前」を読むところが違うんです…なんて説明は製品サイトや説明動画を見ていただくとして、今回はこのちょっと変わったカルタの誕生から発売までの話をしてみようと思います。17年分の話があるのですが、なるべくさっくりと進めていきます。 インテレクチュアルカルタ “iC CL01″ 製品版 ¥3,500(税抜) きっかけは適

          始まりは免停講習だった!17年の時を経て誕生したボードゲームの物語。

          プライムビデオで見て面白かった『TRUE DETECTIVE』シーズン1のストーリーを書き出してみたら凄く勉強になった件

          これで8話(1シーズン)分です。 wikiのあらすじを元に作りました。 表にしてみると、改めて登場人物それぞれが持つ過去が行動に影響を与えていることがわかる。ここがちゃんとしてるとストーリーに感情移入できる。すなわち物語としての完成度が高いということ。 全体を眺めているうち、『TRUE DETECTIVEシーズン1から読み取る探偵コンビドラマの設計』というキーワードが浮かんできたので記してみる。 得られた気づきは以下の3つ。  ①主人公コンビの在り方→正反対な存在と

          プライムビデオで見て面白かった『TRUE DETECTIVE』シーズン1のストーリーを書き出してみたら凄く勉強になった件

          藝大の卒展で気になった作品達を勝手に判ろうとするメモ。

          毎年訪れている東京藝術大学の卒業制作展。今年も気になった作品達をご紹介。勝手な解釈など付け加えておりますが、作者のみなさま、制作意図と著しく違っていたらご指摘くださいませ。 ではどうぞ… 仁王像が笑顔を見せながら赤ちゃんを抱くのは、三好桃加さんによる「オフの日」。古来から存在するパブリックドメインなキャラクターが、現代的な生活感、ここでは「イクメン」を表現する構造となっている。 これはauの三太郎シリーズと同じ構造と言えよう。 誰もが共感するシーンを、強面の「あの人」

          藝大の卒展で気になった作品達を勝手に判ろうとするメモ。

          出演のお知らせ:『表現が困難な時代のクリエイティブ〜広告編〜』produced by LiberalArts Lab

          来たる1月23日(木)、編集者であり、国際ファッション専門職大学の教授としてもご活躍されている高橋孝治さんと対談を行います。テーマは『表現が困難な時代のクリエイティブ-広告編』。インターネットというメディアと広告がこれからどう対峙するのか、あるいは協働していくのかについてを話すことになりそうです。しかし当日どこに話が飛ぶかは僕にもわかりません(笑)。 入場無料ですが、当日YoutubeLiveにてストリーミングされるそうなので、ネット経由でもぜひご覧ください。 阿部光史

          出演のお知らせ:『表現が困難な時代のクリエイティブ〜広告編〜』produced by LiberalArts Lab

          「みえないかかわり」イズマイル・バリー展に3回通ってしまった話

          銀座メゾンエルメスの「フォーラム」で開催されている「みえないかかわり」イズマイル・バリー展が素晴らしすぎて、3回通ってしまった。 1度目は全体を見ただけで終了。しかし展示の意味がわかったようでわからず悶々とした日を過ごす。そのままでいるのも嫌なので、再び訪問。ここからいつものようにiPadでのメモ書きを開始。学芸員さんにもいろいろ話を聞いてみた。3度目も同様。 その現場メモをここに記します。かの有名なコピー「記憶は消える、記録は残る」ってやつですよ奥さん。 全体のテー

          「みえないかかわり」イズマイル・バリー展に3回通ってしまった話

          めったに見られないデザイナー達の原画をメモってきた。

          21_21DESIGN SIGHTで開催中の㊙︎展に行ってきた。http://www.2121designsight.jp/ 「そのデザインの過程において生み出してきたスケッチ、図面、模型の数々。それらは、多くの人々の目に触れる完成品に比べて、あまり光が当てられません。しかし、そんな「秘められた部分」にこそ、デザインの大切なエッセンスが刻まれています。それらを間近で目にすることは、刺激と示唆にあふれた体験になることでしょう。(パンフより)」 プロのデザイナーによるデザイン

          めったに見られないデザイナー達の原画をメモってきた。

          写真に残せない「非常にはっきりとわからない展」を絵で表現してみる。

          この年末、千葉市美術館で開催された「目 非常にはっきりとわからない」展に行ってきた。展示部分は写真撮影不可だったがスケッチは可ということで、世にも不思議な展示を絵で再構成してみようと思う。 まずは1階の展示から。美術品を梱包した箱や布が並び、展示準備中のまま放置されたような雑然とした空間。何だろうこれは。とりあえず絵を描いてみる。 「展示は7階と8階、どちらからご覧になっても大丈夫です」ということでまずは7階を鑑賞。 このフロアも作品設置中の感じで、梱包されたまま中身が

          写真に残せない「非常にはっきりとわからない展」を絵で表現してみる。