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みとんの読書

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読書に関する記事をまとめています。
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記事一覧

違う人生があることすら知らなかった〜『黄色い家』読書感想文

ACジャパンのCMを初めて見た時にハッとさせられたことを覚えている。知らないということがどれ…

石元みとん
1か月前
56

全部心あたりがあるから愛おしくなる〜『神と黒蟹県』読書感想文

タイトル見て「なんのこっちゃ?」と思いました。なんやねん、と。でも、なんか惹かれちゃった…

石元みとん
1か月前
38

先が分からない不安と楽しさ〜『冬に子供が生まれる』読書感想文

佐藤正午さんといえば『月の満ち欠け』の人。それくらいのことしか知らない。 本屋さんで見か…

石元みとん
2か月前
56

タイトル買いですが、何か?〜『地雷グリコ』読書感想文

朝日新聞には毎週土曜日に本の書評ページがあります。私の好きなページです。書評を書かれてい…

石元みとん
2か月前
43

科学も物理もわからないけど面白さはわかる〜『プロジェクト・ヘイル・メアリー』読書…

SFが好きかと聞かれたら、まあ好きです、と答える。NHKの少年ドラマシリーズで筒井康隆や眉村…

石元みとん
3か月前
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わたしたちは、持ち堪えてしまう〜『水たまりで息をする』読書感想文

私の妹は25歳からアメリカに住んでいて、10年くらい一度も帰国せず、グリーンカードでやっと自…

石元みとん
5か月前
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他人と比べた時点で不幸は始まる、だったらやれることをやるだけ〜『トリプルセブン』読書感想文

伊坂幸太郎さんの小説の一番良いところは、世の中でいわゆる“勝ち組”と呼ばれるような人、生まれた時から容姿や能力でアドバンテージがある人、あるいはそう自覚していて他の人を見下してるような人が、必ずしも“勝たない”ところ。本作ではそういう人たちを“スイスイ人”と呼んでいたけど、特別な努力もしていないのに人生がスムーズでスイスイ生きられる人たち。 対して、何をやってもうまくいかないとか、容姿で損してるとか、そういう“勝ち組じゃない”人がなんだかんだ活躍して世界を、というのは大袈裟だ

大変遅ればせながら本屋大賞ノミネート10作品を読破したので一応振り返っておこうかな…

やっと読破出来たので、昨年に引き続きやっときます。 私は本屋大賞をめちゃくちゃ信頼してい…

石元みとん
10か月前
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“捨てる”と“選ぶ”の覚悟〜「汝、星のごとく」読書感想文

凪良ゆうさんの作品を初めて読んだのは『流浪の月』だった。私は凪良さんの言葉のチョイスやそ…

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ちょっとチクッとしたけどやっぱりギュッとしたくなる〜『川のほとりに立つ者は』読書…

この人は私の気持ちの代弁者。綺麗な気持ちよりも、ちょっと黒い、自分でも良くないって分かっ…

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今のうちに書いておきたい、伝えておきたい。〜『夜に星を放つ』読書感想文

主人(ちゃま)のいとこが亡くなった。家で作った野菜や果物を季節ごとにお裾分けしてくれてた…

56

クイズプレイヤーの真髄〜『君のクイズ』読書感想文

クイズ番組が好きだ。間違い探しとかではなく、普通に、知らないと答えられないような、そうい…

58

アツい想いが詰め込まれてたブ厚い本〜『リバー』読書感想文

今手元にある本(ハードカバー)の厚みが何センチくらいか分かりますか?本の厚みが何センチか…

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人類は生き延びるために変質する〜『愚かな薔薇』読書感想文(若干ネタバレあり)

年に2回ほど放送されている『やりすぎ都市伝説』を毎回楽しみにしている。「信じるか信じないかはあなた次第です」と言ってくれているので話半分で観ている。特に関暁夫さんの話は歴史(実在)と未来の合わせ技で前衛的すぎて先を行きすぎていて理解が追いつかないし全く実感がわかないが、もしかしたら何十年か先にはあるかも知れない、ぐらいには思っているし、それに対する危惧や不安や緊張はある。 本作に出てくる人々は私よりは少しだけ、信じがたい現実を体験している人たちなのではあるが、やはりまだまだ