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20年後のツーショット(擬似)

 国立映画アーカイブの「没後10年 映画監督 大島渚」展示と特集上映へ。

 20年前、映画監督協会のパーティで原田眞人監督と喋っていたら、会場に車椅子姿の大島渚監督が現れた。
オーラ、というありきたりの形容ではなく華やぐような妖気がその空間に広がる。
原田監督が「俺、大島さんと写真撮ってもらお」と大島さんに駆け寄る。
が、何故か僕は気遅れて足が動かない。オレ如きが、という自意識過剰が脳裏をよぎったのかも知れない。
吸い寄せられた原田さんの方がむしろ自然な脊髄反射だろう。

大島さんと直にお会いしたのはそれが最後だった。
直後に再入院され、2013年に亡くなられる。

あの日あの時がラストチャンスだったのだ。
一枚の写真を撮りそびれたことが一生の後悔となる。

今回の展示物は先に発刊された「大島渚秘蔵資料集成」に掲載されていた資料とほぼ一致する。勿論、現物の立体感は平面の書物からは味わえない静かなる気を浴びることが出来る。

そして、書物には出来ないこの企画「大島監督と記念撮影しよう!」に今度は素直に脊髄反射。

展示会の会場でかつての悔恨を少し晴らす


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