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満月の夜、弦の愉楽

 渡辺香津美を知ったのは、1979年のYMOワールドツアー。
15歳だった私はヨーロッパに行ける訳でなく、テレビで見たのだった。

ちなみに翌年の国内ツアーは神戸国際会館で生で見ている。
この時のギターは渡辺香津美ではなく地元出身の故 大村賢司。
吉田美奈子を知ったのは1980年「MONOCHROME」というアルバム。

アルバムの中の一曲「SUNSET」という曲を学生時代、自主制作の映画に本気で使おうと思ってプロのレコードディレクターに相談すると「その映画の制作費が全額吹っ飛ぶぞ」と一笑にふされた。

渡辺香津美と吉田美奈子というMy Favorite Artistsが揃いぶんだ恵比寿ガーデンホールに駆けつける。
会場は同世代と思しき善男善女で満席。

至福とはこのこと。
渡辺香津美、全く衰えない弦さばき、指の関節どーなってるんだ。考えられん。
第一部では超絶テクの炸裂で陶酔。
場所柄サッポロビール、エビスビールがドリンクとして手渡されているので過活動膀胱、前立腺肥大と思しき同世代の皆さんはバンドがまだ舞台にいるのにトイレに駆けつけて行く。
そんな事だろうとビールを取らずお茶にしといて良かった。

第二部、吉田美奈子登場。
嗚呼、天まで届き地を揺るがす声量が脳を直撃。
大好きな曲「LIBERTY」で涙腺決壊。

ラストは渡辺香津美のかつてのバンド「KYLYN」の十八番、「MILESTONES」

音楽の好みは個人の青春を生きた世代で決まる。
今でも夕暮れ時に運転しながら聴く吉田美奈子は最高だ。
やっぱりあの頃のこれらの音楽はハイセンス。 
1979&1980 大人のいたUrban TOKYOの匂い。

ホールを出ると満月の恵比寿ガーデンプレイス。
なんか寂れちゃったなここ。

カッコ良かったという言葉しか思い浮かばないLIVEだったと月を見上げて風に吹かれて。

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