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猫語を理解するためのAI


破壊されたサーバーから復旧・移転中の記事。


一年前くらいに趣味で読んだ論文についてです。
今となってはもう新しくないかもしれない。
オープンアクセスなので、興味のある方はこちら


内容のまとめ

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猫語

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猫かわいいですよね。


かつて通っていた高校に、猫語が喋れると噂の先生がいました。
ほんまか?と思いながら、うらやましいとも思っていました。


たまたま、ジャンプSQ.で連載中の「カワイスギクライシス」という漫画で、猫が何を言っているのかを翻訳するという話が掲載されているのを読みました。いいな~と思いました。
(カワイスギクライシスは、地球を侵略しに来た宇宙人が、地球上の動物たちの可愛さにやられてしまうという漫画です。おすすめです。)


今回読んだ論文は、
動物が話している言葉を私たちが理解する日も、そう遠くないかもしれない。と思わせてくれるような内容でした。


文献の内容

Animalsという雑誌に掲載された以下の文献を読みました。

“Automatic Classification of Cat Vocalizations Emitted in Different Contexts”
S. Ntalampiras, L. A. Ludovico, G. Presti, E. P. Previde, M. Battini, S. Cannas, C. Palestrini, and S. Mattiello, Animals, 2019, 9, 543.
doi:10.3390/ani9080543


特定の状況で猫が発する鳴き声を識別できた。という内容です。

・餌を待っているとき (waiting for food)
・孤独で不安なとき (isolation)
・ブラッシングされているとき (brushing)

それぞれの猫の鳴き声を録音・解析することで実現できたとのことです。

 

 

研究対象に選出された猫は

メインクーン10匹、ヨーロピアンショートヘア11匹。

猫いっぱい。

 

 

鳴き声のサンプリングに使ったマイクが面白くて、

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よく見かけるBluetoothイヤホンで実験できちゃったらしいです。
実装も意識されている、かつ今風だなと思いました。

 




結果として、
精度95.94%で鳴き声を認識できたとのこと。

混同行列を見ると、食事を待っている時の鳴き声は100%で正解できていますね。
確かにお腹がすいたときの猫って特徴的な鳴き方をすると思うので、納得。


混同行列(文献をもとに作成)

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解析方法は、残念ながら(?)最近気にしているディープラーニングを使った手法ではなかったのですが、今後もっと採取したデータ数が大きくなってきたり、判別対象とするシチュエーションが増えてきたりすると、深層学習の出番が来るかもしれません。

深層学習を使えるようになると、ある特定の動物に対して学習済みのアルゴリズムを転移学習して他の動物にも適用することができるんじゃないかな。



まとめ

こういう単純な分類問題は機械学習の得意な演算なので、シチュエーション毎に鳴き声を分けて、その意味を言い当てるというだけであればすぐに実装できそう。

コンニャクを食べるという方法ではないかもしれないけど、今よりもっと深く動物(や植物、昆虫なども?)とコミュニケーションがとれる日が来るのも近いかもしれません。

イルカやクジラ、シャチとか、声を使って高度なコミュニケーションをとる動物に対して研究がされていそうだな。



そして、同じ方法を話し声のトーンや赤ちゃんの泣き声など、人に対して適用することで、、、
のようなことも考えてしまいますが、この場合は特に学習用のデータをいかに間違えないようにラベル付けするか、という点に大きな問題がある気がします。

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