- 運営しているクリエイター
記事一覧
サンタなんていないんだ!
⚠︎この物語はフィクションです。
今年6歳になる息子のりゅうたは
サンタを疑っている。
『サンタなんていないんだ!友だちもみんないってるよ。パパもそう思うでしょ?』
『いや、サンタはいるんだ』
思いがけず、そう答えてしまった。
サンタがいると信じている子供は
いた方がいい。こんな時代だから
こそ。
『じゃあさ、パパ。サンタがいるって
しょうこ出してよ!』
家が燃えた。家具も金も燃えた。無一文だ。
⚠︎この話はフィクションである。
今、燃えている自分の家の前にいる。
ガスの元栓がゆるんだところに、
コンセントの火花が散ったらしい。
マンションの窓から家具が飛び出している。
恥ずかしい。
飛び散った冷蔵庫には調味料しか入ってない。
管理人が
『お気の毒です。行く当ては、、』
と言っているのが遠くで
聞こえた。
放っておいてくれ。
もう辱めないでくれ。
夜中でも開いてい
ファッションに興味のない男、『女にモテる技術』の影響で 革ジャンを買う。
⚠︎これはフィクションである。
『女にモテる技術』って本を立ち読み。
その本では『外見を整えることは前提であり、女性は
一瞬でアリナシの判断をつける』とあった。
『なんだよ。まだファッションの話かよ』
本を投げ返そうとした時、自分の姿が鏡に映った。
もう二年は着まわしている服だ。
最後に服を買ったのはいつか覚えてない。
『たまには本の言う通りに動いてみるか』
本は丁寧に戻した。
日々に退屈した男、最近農業を始めた男
《この物語はフィクションであり、妄想である》
『毎日が退屈でさ、うんざりするよな』
『ああ。俺もだ』
『もう年だから新しいこと始めるのも面倒だよな』
『。。。』
『どうした?』
『実はな、最近畑を借りたんだ。』
『なんだよ?畑って農業でも始めるのかよ』
『農業ってほどじゃないよ。トマトを植えてみた
だけだよ』
『そんなんで収穫できんのかよ』
『全滅だよ』
『くだらねー。そ
あるバーに人生相談を受けてくれる作家がいると聞いた。その男はウイスキーを飲みながら言った『お前は悩みたいから悩んでいるだけだ』とね。
〈この物語はフィクションであり、妄想である〉
風の噂で『あるバーに人生相談を受けてくれる作家がいる』
と聞いた。
バーなんて22年間一度も行ったことがない。
そもそも酒が飲めない。
一杯飲んだだけで頭が痛くなる。
だが相談したいことはある。
そのバーはある街の片隅にあった。
薄暗い階段を降りた先に年季の入ったドアが
ついている。
入るまでに随分と躊躇った。
『もしその男がいな
『悩みたいから悩んでいるだけだって?』ふざけるな。僕は真剣に悩んでいるんだ!この小説家は僕をバカにした!
※この話はフィクションであり、実際の人物や事柄とは
関係がありません。
あの日のことをどこまで話しただろう。
ああ。ここまでか。
そう。
彼は席に着くやいなや言ったんだ。
『お前は悩みたくて悩んでいるんだ』ってね。
ふざけるな。
ベストセラー作家だか何だが知らないけど、
僕をバカにしているんだ。
『そ、そこまで言うことはないでしょ!
僕は真剣に悩んでいるんだ。』
『分
死ぬ前に後悔するのは『やってしまった失敗』ではなかった。
⚠︎この物語はフィクションである。
おじいさんが入院したと聞いて病院に来た。
じいちゃんにはお世話になっていたから、心配。
「じいちゃん?」
「おお。来てくれたのか」
「体は大丈夫なの?」
「昨日よりは調子がいい」
「まぁ、座れ」
「うん」
「今日は月曜だろう。学校は?」
「ごめん。最近学校には行ってない」
「そうか」
じいちゃんは素っ気無くそう答えた。
「怒らないの?」