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B級GS(グループサウンズ)名曲集②~内田裕也とフラワーズ、フィンガーズ、ビーバーズ、ジェノバ等11曲(コメント付き)

B級GSの栄枯盛衰や定義などについては、こちらに書いています。

ダイナマイツ「真夏の夜の動物園」

前回、リンクできなかったダイナマイツの名曲です。          動物たちの雄叫びということなのでしょうが、バックでわいわいギャーギャーと奇声を発するのが好きなダイナマイツの特色がよく出ています。
                                  

内田裕也とザ・フラワーズ 「ラスト・チャンス

セールス的には鳴かず飛ばずだったフラワーズでしたが、この曲は知られざる名曲。小林勝彦のスチールギターは、いつ聴いても素晴らしい。ボーカルは麻生レミ。

GSコピーバンド、サニー多咲&バブルジェッツによるカバーです。

                                  内田裕也とザ・フラワーズ「君恋し」 

映像は日活ニューアクションとして渡哲也主演で6本作られた「無頼シリーズ」の最終作「無頼・殺せ(ばらせ) 」終盤の殴り込みシーン。ゴーゴー喫茶とサイケ調の「君恋し」をバックにした格闘映像が、なかなか斬新でした。シリーズを通したヒロインは、松原智恵子。                    
この映像は音声と画質が良くないですね。もっと画質のよい映像もアップされているのですが、こちらは初めの方で当時としては本格的なサイケデリックロックが聴けるので。この曲でも小林勝彦のペダルスチールギターが大活躍しています。 

フィンガーズ「ゼロ戦」                      

フィンガーズもサベージと同じくフジTVの「勝ち抜きエレキ合戦」で優勝してレコードデビューしたGSには珍しいエレキインストバンド。     「ゼロ戦」は2枚目のシングルで戦闘機の曲なのに軍歌のような勇ましさは微塵もなく、むしろ抒情的で物悲しい曲調です。大戦後半のゼロ戦の悲劇を表現しているのかもしれませんね。B面は、サラサーテの「ツィゴイネル・ワイゼン」のカバー。                            
ゼロ戦は通称で、正式には零式艦上戦闘機(れいしきかんじょうせんとうき)。戦後、「無敵ゼロ戦神話」で有名になりましたが、大戦前半の米軍主力艦上戦闘機F4Fワイルドキャット(どちらも1000馬力級エンジン装備機)とのキルレシオは、1対1でほぼ互換だったというのが実情です。

海軍が次期艦上戦闘機「烈風」の開発に失敗したため、既に旧式化していたにもかかわらず大戦末期まで主力戦闘機として戦う事を強いられました。2000馬力級のF6Fヘルキャットなどの米新型機との戦いでは大きな性能差から一方的に叩きのめされ、キルレシオは1対9にまで開いてしまいました。エンジンが非力なため最後までまともな防弾装置が装備されず、被弾するとすぐに火を噴き、大戦中期までに多くの熟練搭乗員を失ったことも致命的でした。

ザ・タックスマン 「恋よ恋よ恋よ」

アップテンポのなかなかいい曲じゃないかと思っていたら、ジェスとジェームス「 Nothing But Love」のカバーでした。カービーツがゾンビーズの「I Love You」に「好きさ好きさ好きさ」という邦題を付けてカバーしたのと同じパターン。題名も似てますね。

元歌はこちら。ジェスとジェームス「 Nothing But Love」

                                 ビーバーズ「初恋の丘」

あと一歩のところでメジャーGSになりそこねたビーバーズのデビュー曲。 石間秀機のギターは今聴いてもなかなかのもので、当時は他のGSにとっても驚異だったろうと思われます。あのジャックスも出演したと言われる伝説のTV情報番組「ヤング720」(1966~69)の準レギュラーになり、人気が出ました。

ビーバーズ 「君なき世界」

                                  ムスタング「ゲルピン・ロック」

GSとしては珍しく?ノリノリのアップテンポ・ロックンロールでゴーゴー喫茶にはぴったりの曲だと思うのですが全くヒットせず、レコードもこれ1枚きりで終わってしまった残念なグループ。

ジェノバ 「サハリンの灯は消えず」

このデビュー曲がヒットしたため柳の下のドジョウを狙ってサハリン路線の曲を続けてリリースしましたが不発に終わり、シングルを4枚出した後、解散してしまいました。                               
サハリンは、樺太のロシア名。北海道よりやや小さい面積の島で、日露戦争後のポーツマス条約で北緯50度以南が日本領となっていました。    1945年8月11日から開始された南樺太へのソ連軍の侵攻で辛酸をなめた樺太引揚者たちは、この曲を聴いて何を思ったでしょうか。





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