M Y

学校生活の日記と本とかまち歩きの感想を載せると思われます。

M Y

学校生活の日記と本とかまち歩きの感想を載せると思われます。

最近の記事

そばの悪口 -駅そばについてのイントロとして-

駅そばについて書きたい。書きたいが、実のところ蕎麦はそんなに好きじゃない。 という話で書きすぎてしまった。唇寒しである。 私的麺類ランキングの中でもほとんど最下位を占めるのが蕎麦である。別に嫌いというわけでもなくて、ただ他の麺類に及ばないだけで万年下位の不遇な麺である。 例えばラーメンは、味が濃くて種類もあって美味い。出汁に脂はもうほとんど鬼に金棒に近い。二日酔いの時など絶好である。 そしてうどん。うどんは麺にコシがある。啜った時の口の具合が、そして更には喉越しが、食っても

    • 年末のこと

      この年末は碌なもんではありませんでした。返す返すも碌でもない。ほとんど良いことが無かったと言っても過言ではないでしょう。 まあ半分ほどは身から出た錆とは言え、それにしても碌でもない。 碌でもない碌でもないとは失恋のこと。失恋のこととは思いが叶わなかったこと。世も末ながら、愛故に人は苦しまねばならんのでしょうか。私の年末は悔いばかり、恥ばかり。恥の多い人生とは言いながら、彼はモテモテだったじゃあないかと餅を焼くばかり。それならばグッドバイとでも泣き喚きながら京都の街を走り去りた

      • 卒業

        湿っぽい、何も上手くない文章を書きました。 今じゃないと書けないと思ったので書きました。 関係者以外はぜひ読まないでください。 関係者の方は、読んでも、すぐ忘れてください。 なぜ、政策学研究科に入ったのかと聞かれれば、専門性を深めるためと答えます。 政策学研究科に入って何が良かったのかと聞かれれば、この素晴らしい先輩方と会えたことだと答えます。 大学院に入ってからと言うもの、尊敬できない先輩はいませんでした。 どの先輩も、自分の考えを確固として持っていて、それぞれの生き方

        • おみくじ惨敗

          普段占いなどは信じないという態度でいるが、引いたら引いたでその結果を引きずるたちなのである。 だから私は自分からおみくじを引かない。 ある夏の日、数人で伏見稲荷大社にお参りした日のこと。そう、引いてしまったのである。おみくじを。致し方ないことであった。一定の社交性を持つ人であれば、皆で一緒におみくじを引こうという時に自分だけ引かないということなどできはしないのだから。 さて、ところで引いたおみくじは、凶後吉であった。何も良いことが書いていない。 それが夏の夜だった。かれこれ

        そばの悪口 -駅そばについてのイントロとして-

          森見登美彦『夜行』感想

          『夜行』、夜を行く。YOASOBIは駆けていたが、森見氏はどうももう少しゆっくりと夜を楽しむらしい。『夜は短し歩けよ乙女』というタイトルも同氏のものである。 ところで以下はネタバレを含むから、読む人は気をつけて欲しい。 物語はある画家の「夜行」という連作を中心に展開する。「夜行」は「永遠に続く夜」をテーマとする連作であり、それぞれ「尾道」であったり「奥飛騨」であったりの場所と、一人の女性がモチーフである。同時に、主人公らはある日行方不明になった長谷川さんの影を追い、連作の絵

          森見登美彦『夜行』感想

          ハノイ・タクシー

          初めてのベトナムに、降り立ったばかりの私を熱烈に出迎えてくれたのはタクシーの客引きであった。 偏西風に逆らう長時間飛行を終えたばかりである。であるのに、ターミナル間の移動が必要だった。到着口から客引きの群れが見えたが、無視してシャトルバスの乗り場へ向かう。 三宮でも難波でも、客引きにコストをかけるようなのはロクでもない。定めしハノイでもさもあらん。これはもはや世界の一般法則と言っても過言ではないだろう。 スーツケースを引っ張ってとりあえず空港シャトルバス乗り場に辿り着いた。

          ハノイ・タクシー

          ネタバレ: 君たちはどう生きるかの感想

          そもそもネタバレは不道徳な行為ですが、本作は徹底的な情報の秘匿の下で公開される性質上、さらに輪をかけて秘中の秘として扱わねばならんでしょう。よってこのように丁寧に序文を連ねております。 改めて、以下の文章にはネタバレを含みますのでくれぐれもご注意ください。 私からもネタバレなしで本作を観ることをおすすめします。 では。 最も印象に残るのは積み木です。 一つだけ持って帰った積み木が、それもおおおじさんが厳選したものではなくて塔が立つ机の、その足場となる丘からとってきたもので

          ネタバレ: 君たちはどう生きるかの感想

          2号館中身見えてた

          どんなものであれ大体、断面はワクワクします。アリの巣観察キットとか切り分けたケーキとか。 建物がその断面をあらわにするというのは稀です。それは残念なことに、大体解体のときです。 今まさに2号館の壁がショベルカーに砕かれて、その中身が見えています。解体して新しく建て替わることも、覆いがつけられ解体がいよいよ始まることも、分かっていたのですが、断面の訴求力というもの並ぶものもなく。 やたらな日差しの中でじっくり見るのも嫌でしたが、歯形のように開いた2号館に、ふと階段教室が見えま

          2号館中身見えてた

          私の異常な判断ーまたは私は如何にして柿の葉寿司を買うのをやめてわさび葉寿司を買うようになったか

          梅雨が明けたと聞きました。 太陽は誰に遮られることもなく揚々と照っています。 そんな日にまち歩きなどするべきではありませんでした。 今日一日で全く5回もサウナに入ったような汗をかいて、水やら何やら飲みまくって、塩分チャージを噛んで、どうにか無事帰って参った次第です。 そんな状態でなぜついでに郡山も、と思ったのかは謎です。気づかない内に熱中症になって正常な判断が出来ていなかった可能性があります。終盤はほとんど義務感だけで右足とそれから左足を叱咤しながら小高い郡山城を踏破しました

          私の異常な判断ーまたは私は如何にして柿の葉寿司を買うのをやめてわさび葉寿司を買うようになったか

          舞踏会中毒と葱

          『愛じゃないならこれは何』という斜線堂有紀さんの短編集の中の「きみの長靴でいいです」の感想になります。 舞踏会中毒というのは作中からの持ってきた言葉なのですが、相手との関係性に夢とかロマンとかを乗せすぎるというような意味になるかと思います。この物語においてはあるブランドの天才デザイナーの女性と有名カメラマンの男性が、ブランドが世間に見出されて成功していくきらきらしたシンデレラストーリーの中で、お互いに王子と姫に相応しい振る舞いを続けます。主人公の天才デザイナーはカメラマンと

          舞踏会中毒と葱

          君の地球が平らになりますようにの感想

          語り得ぬものについては沈黙しなければならないと言うのであれば、この本は私の経験では語れないとだけ書くべきでしょうか。22歳になってもお子様な私の恋愛経験では扱いかねるかも知れません。 この本は表題作含め5作品からなる短編集です。全て女性を主人公とした恋愛小説で、帯には「5人の女性がたどるそれぞれの恋と地獄」などと書かれています。 著者の斜線堂有紀さんの本は、これまでいくつか読んできましたが中でも『私が大好きな小説家を殺すまで』が好きです。胸に来ます。感動とかそう言うのではな

          君の地球が平らになりますようにの感想

          リバー、流れないでよの感想

          まずタイトルが妙です。リバーなど凡そ日常生活で出てくる単語ではありません。水曜日のカンパネラの「ばあちゃんリバーでウォッシュ」以来の衝撃と言えるかもしれません。あれも中々に妙ちくりんな歌です。その妙ちくりんさに期待を寄せて、チケットを買いました。要するにタイトルだけ見てチケットを買いました。 タイムループものなのですが、コメディ的な要素がふんだんで、またストーリーもすらすらと流れるようで、エンディングまで一息でした。 サマータイムマシンブルースと同じ人が原案・脚本ということで

          リバー、流れないでよの感想

          論文提出後深夜のマクド

          大学の施設管理をして下さっている皆さんは、私たちが下校しないと仕事が終わりません。そういう何とももどかしい気持ちは、私もバイトの時に味わったことがあるので分かるのです。分かるのですが、論文提出の締め切りが24時までの日に23時になったら帰ってねと言われるのはやはりつらいです。 そんな日に、リュックを背負ってパソコンを抱えて、えっちらおっちら歩いて向かうのはそう、マクドナルドです。 とりあえずマックシェイクを頼んで、席に向かって、パソコンを開いて数十分。何とかそれらしき物を提出

          論文提出後深夜のマクド

          台湾へ

          台湾へ行きます。グローカルセンターのPBLです。 なのですが、旅の準備というのはめんどうで大変でどうにも気乗りしないものです。4月に引っ越した新居から服やらなにやらスーツケースに詰め込んで、生ごみを捨てて、洗濯物を片付けて、布団をしまって、などとしていると、どうも2ヶ月ぶり2度目の引っ越しをしている気分になってきます。同棲を解消する時のような心持ちです。そんな経験はありませんが。ともかく一度そう思ってしまうと何とも寂しくなってきて、しみじみと愛着を感じるわけです。RADWIM

          台湾へ