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迷子になる前の準備

先日、子どもたちを連れて比較的大きな公園へ遊びに行った。秋晴れの休日ということもあり親子連れでにぎわっていた。いくつのかのセクションに分かれるその公園の一部で遊んでいて、そろそろお弁当を食べようかと芝生エリアへ向かって移動していた時に、息子が15mくらい先を一人で歩く4~5歳くらいの女の子に気が付いた。

「あの子、キョロキョロしてるけど迷子かな?」

そう言われてみると、ちょっとキョロキョロしてるかな?という感じ、泣いている様子もないし、慌てている様子もあまりない。でも、早かった足取りがゆっくりになり、普通に歩いていた私たちの目の前1mほどまでに近づいた。息子が戸惑うことなく「大丈夫?」と彼女に声をかけたら、彼女は目にたっぷりの涙を浮かべて口をへの字にしていた。「迷子になっちゃった?」と私が声をかけると、こくんと頷いて「ママがお弁当食べてる場所がわかんなくなっちゃった」と教えてくれた。私が次の言葉を探し出す前に息子が「大丈夫だよ。僕たちが一緒に探してあげる。」と心強いセリフを言った。

そして、公園事務所まで歩く中で息子はずっとその子に話しかけていた。彼女は6歳で、お母さんと妹と遊びに来たこと。お弁当を食べていてトイレに行きたくてトイレに行ったら帰りに迷っちゃったこと。会話の中で息子がその子にこんなことを言った

「迷子になったと思ったら、あっちこっちへ探すよりも、その場でじっとしていた方がいいんだよ。ベビーカーを押している大人に迷子になりました。って言えばいいんだよ」「大丈夫だよ。ちゃんとお母さんに会えるよ」

これってまさに小さい頃から、私たち夫婦が息子に言い聞かせてきたこと。迷子になってもあっちこっち探さないで、その場でじっとしていて、制服をきている警察官やセキュリティのスタッフが居たら、その人たちに、そういう人たちが見当たらない時はベビーカーを押している大人に「迷子になった」って助けを求めて・・・・って。この言葉をきちんと理解して自分の言葉で他の子に教える息子がとても頼もしく思えた。

いろんな人がいる世の中で間違った相手に助けを求めてしまったら怖いので、我が家の場合はベビーカーを押している大人と伝えている。同じ親として、迷子の子を助ける心を絶対にもっているはずだと思うし、ベビーカーに子どもが乗っているので移動しやすい。ベビーカーを使っていない小さい子どもの親子連れの場合、親はあっちこっちへ行く子どもの相手が大変で、迷子の子の世話をするのはもっと大変。そして何よりも「ベビーカーを押している大人」って子どもからして見つけやすい。混んでる場所なんかだと人と人との距離感が近いので、子連れ親子なのか、たまたま子どもが近くにいるのか判断しづらいから。

・・・ちなみに息子は実体験でこの方法がベストだということを身をもって学んでいる。2年前にディズニーランドで迷子になったとき、彼はベビーカーを押していた女性に助けを求めて、案内所まで連れてきてもらって私と再会した。息子が迷子になったと気づいてからの40分弱、気が気でなかったけれど、今でも彼のその時の不安や孤独感を想像するだけで心が痛むけれど、教えられていたことをきちんと守って行動した彼をとても誇りに思う。

親として我が子が迷子にならないように注意はしている。でも、時に迷子になってしまうこともある。息子のディズニーランドの時は、私が売店でお金を払っている間に息子がいなくなった。そんな時、子どもがどうしたらよいのかを知っているのってとても大切。

公園で息子が見つけた迷子の女の子は、公園事務所へ辿り着く手前で「トイレへ行ったまま帰りが遅い」と心配して探していたお母さんと無事に再会できた。お母さんを見つけた瞬間に涙目でずっとがんばって我慢していた涙腺が崩壊して大泣きをしたその子が、二度と迷子にならないことを心より願うけれど、万が一、次に迷ってしまったときは息子のアドバイスを覚えていてくれたら嬉しいなと思う。

そして、我が家の3歳児にもそろそろ繰り返しこの対処法を伝えようと思う。


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