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みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイドを読んで

みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド


本書では、批評のやり方から批評のされ方までを丁寧に教えてくれています。より良いフィードバックの行い方や、そもそもフィードバックは何か?というところから解説されていました。
本書を読めば、デザインを良くするためにどうやってコミュニケーションを取ったらいいのかを学ぶことができます。


フィードバックとは?

ざっくりと使いがちなフィードバックという言葉ですが、そもそもなぜ行うのでしょうか?

フィードバックとは、デザインが「望まれる目的を達成するかどうか」を判断するために行うことです。
フィードバックをする側もされる側も目的をしっかりと意識していないと、内容がブレてしまうことがあります。


フィードバックの型には3つのタイプがある

1.  反応型:場当たり的、感情的なFB
2. 指示型:ロジカルな説明のないものや、マウンティングなどのFB
3. 批評型:批判的思考を用いた分析方法で、理解を重視したFB

必要とされるのは、3.の批評型です。
3は、デザインしたものが目的を達せているか問う為の分析方法で、目の前のデザインに対して双方の理解を深めるために最適な批評方法です。


正しい批評のチェックポイント

1. 目の前のデザインのどの側面を分析しているかを明らかにしてる
2. デザインの側面や判断を目的や効率に関連づけて批評できている
3. デザインの側面や判断が目的達成の機能を果たしているかいないか説明できる

正しい批判は、そのデザインの選択を製品の目的に照らし合わせて分析することができていることをいいます。


自問他問の際に意識するべきこと

明確な意図をもって結論を導くためには、会話をコントロールすることが必要となってきます。そのための枠組みをつくり、会話を円滑に進めるためには下記の質問を意識していきましょう。

1. デザインの目的は何か?
2. 目的に関連しているのはデザインのどの部分か?
3. それらの要素は目的を達成するのに効果的か?
4. それはなぜか?

自分の作品に対しても、常にこの4つの質問で自己批評しながらブラッシュアップしていくとより良いものが作れるようになっていきます。


「製品の目的」を意識する

その製品の目的を理解していないと、製品にとって何が重要か?という批評を行うこともできません。下記の4つを意識しながら、まず製品の目的をきちんと把握しましょう。

「製品の目的」
1.  常にユーザーを意識する

2 . 適切な状況で使用した時に望ましい体験を生み出す
3 . 正しい挙動と特徴をもったデザインを作る
4 . その目標を達成する

対象の相手が誰なのかを具体的に思い描き、どのような状況でどのような体験をできるのか?届けたい相手へに相応しいデザインや正しい挙動で作成できているか?どのような状況でどんな体験をできるのか?を意識することで、製品にとって何が重要かが見えるようになっていきます。


批評をダメにする10の悪しき習慣

1. 反応する(思ったことを瞬時に口に出す)
2. 自己中心的になる
3. 自己防衛的になる
4. 基盤が異なる
5. 焦点があっていない
6. 機能していないことにだけ注目する
7. ディスカッションが行われない
8. 参加しない
9. 問題を解決しようとする(問題解決がゴールではない)
10. 批評とデザインとレビューを混同する

製品の目的を理解し、攻撃的にならず円滑に進められるよう対応しましょう。


批評を受ける側になっても

批判をされると自己否定をされたような気持ちになってしまうことがあります。しかし批評は、そのデザインが有効なのかそうでないかを自分自身が理解できるきっかけを与えてくれるものということがわかりました。
本書を読んで、アクティブリスニングの意識が足りていないということに気づくことができたので、今後は「受けたフィードバックに対して、自分の言葉で言い換えて返す」ということを意識していこうと思います。
質問をすることで思い込みの解消にもつながるので、認知の違いが起きないように積極的に質問をすることも心がけたいと思いました。また、デザインの説明を行う際に、ユーザーのインタラクションやエクスペリエンスに目を向けることで説明が伝わりやすくなるというのも、とても役に立つ気づきでした。
批評のゴールは解決ではなく、「デザインが目的を達成することである」という意識を持ち批評しあえたら、さらに良いデザインを追求できるのだなと思いました。

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