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迎え【毎週ショートショートnote】

「墜落するぞ」

「ダメです制御できません」

「なんとかならんのか」

「脱出するしか残る手がありません」

「またあの方に迷惑をかけるのか」

「しかしこのままでは我々が全滅します」

「それも定めだ。今までご苦労だった」

「提督!」


ものすごい音と揺れで目が覚めた。近くに見える山が燃えている。

隕石か? それとも飛行機でも落下したのだろうか? 御巣鷹の惨状が頭をよぎる。だが深夜この辺りを航行する民間旅客機はなかったはずだ。だとすると軍用機? 北のミサイルか? アラートは鳴らなかったぞ。消防車、救急車、パトカーが何台も通り過ぎる。

夜が明けてくると惨状がはっきり確認できるようになった。
飛行機でない何かが墜落したらしいとテレビでは伝えている。
その落下物が山肌に突き刺さっているのが麓からでも見えた。
その光景はツノがある東館山連峰とそっくりだ。


「あちゃ~またダメだったのかぁ。何やってるんだあいつらは」
私の名はカグヤ、月からの迎えはまだ来ない。
(410文字)

今週も参加させていただきます。
たらはかにさま ご面倒をお掛けいたしますがよろしくお願いいたします。


※東館山連峰は存在しません。
 従ってツノがある東館山連峰も存在しません。

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