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修正液とワタシ

今日も雪が降った。
昨年ほどではないけれど、
日に何度も雪かきをする日々は、
まだこれからもしばらく続くだろう。

除雪車が道路を通ったあとは、
道路脇にカチコチになった雪の塊が置き去りにされる。
家の前に残されたその重く固い塊を
鉄のスコップで割りながらの雪かきはやはり重労働だ。

スコップを持ち疲れた掌をさすりながら
ぼんやりと、ガタガタの雪道と
その雪の塊を眺めていたら
ふと修正液のことを思い出した。

思えば、修正液を初めて使ったのは、
中学生の頃だったと思う。
間違えても消しゴムで消せる鉛筆ではなく
ボールペンで何かを書くこと自体に対して
毎度ドキドキしていたので
修正液の存在を知ったときには、
センセーショナルだった。

しかし、修正液の扱いは
想像以上に難しく苦戦した。
ドバっと出たり、
反対に全然出てこなかったりと、
絶妙な力加減がうまくできないのだ。

たいていは、液が出すぎてダマになり、
除雪車が通った後の道路脇のように
ボコボコとした塊が残ってしまっていた。
おまけに、そのボコボコの上に
無理やり文字を書くもんだから
もはや、タイヤのスタック状態。
目も当てられない惨状が
ノートの上に広がるのだった。

だから修正テープの登場は
センセーショナルだった。
ボコボコになるあのストレスがないのだ。
もちろん、テープがよれたりかすれたりして
失敗することもあるのだが、
修正液の繊細な匙加減に比べたら
随分と使いやすいと感じる。

ただ、細かい部分や
一字だけ消したいときは修正液の方が
使い勝手がよいのも事実。
大人になってからは、
特に手帳に文字を記入する際に欠かせない。
今も、二つを使い分けながら愛用している。

近年では、消すことができる
フリクションペンもスタンダードになり、
進化を遂げている。
自分も実際にもっているし、とても便利だけど、
やはり修正テープや修正液は手放せない。

うまくできたときの、
小さな喜びをかみしめるのもまた一興。
失敗したときの
ボコボコとした手触りもまたご愛嬌。

なんて思いながら、
今日も手帳にペンを入れるのだ。

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