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デザインの楽しさを中学生に!渋谷区「部活動改革」PJレポート

こんにちは、デザイン本部 ブランドデザイン室の安井です。
今日は当社で取り組んでいるPJのひとつである渋谷区の「部活動改革」PJに参加した件を紹介したいと思います。

部活動におけるデザインカリキュラムの制作と実施を通して、デザイン職の強みである「想い」「構想や設計」「体験」などなど、色んなものを可視化することができることを肌で感じたPJだったなぁと、学びがあったのでシェアできればと思います。

まずもって、渋谷区の部活動改革について

詳細は当社プレスリリースに記載がありますので、ぜひご覧ください。
https://mixi.co.jp/news/2023/0424/20102/

MIXIでは開発本部が先駆けて渋谷区の中学生にプログラミングを教える活動を実行しており、昨年度からはデザイン本部も参加させていただくことになりました。
PJのメンバーはデザイン本部のデザイナーリレーションGが中心でしたが、それだけではなく、MIXI社内の各事業部のデザイン職にも協力いただいて実現しています。
関わってくれた仲間に感謝感謝。。

実施したこと

大きく分けて部活動としての「カリキュラム制作」と、それを「部活動として実施すること」の2つを実行してきました。
カリキュラムとしては以下の2つを用意しました。

情報設計デザイン(全4回/1回あたり 90~120分)
サービスを使う人に良い体験をしてもらうには、どうやって考えてデザインに落とし込むのか、Web/アプリのデザインを通して体験する。

グラフィックデザイン(全4回/1回あたり 90~120分)
自分のYouTubeチャンネルのタイトル絵を作るということを通して、視覚的な表現で伝達するための知識や方法(色、形、大きさ、文字、動きなど)に触れる。

カリキュラム制作に伴い準備したもの

  • 部活動を通して何を伝えるのかの設計

  • 説明するためのスライド

  • Figmaで実施する課題や見本

  • 学生の手元に用意する操作説明のプリント

  • 汎用的に使用できるデザイン素材

  • PCやアカウントの準備

  • アンケート

などなどなどなど
とにかくはじめての経験だったので、直前で「あ!これも必要か!」みたいなこともしばしば。。

講義の実施

カリキュラムを作った後、当然部活動として講義も実施しました。
2022年11月に「情報設計デザイン」、2023年2月に「グラフィックデザイン」の部活動を実施し、それぞれ弊社の川上、福原が講師を担当しました。
写真は実際の部活動を実施した時の様子です。

意識していたポイント

意識するポイントを絞っていくにあたって、事実として以下のようなことが前提にありました。

実施にあたってのファクト

  • デジタルクリエイティブ & eSports部という名称だったので、デザインに興味のある学生ばかりではないであろうこと。

  • 学生はこの部で「プログラミング」「eSports関連」「デザイン」という別軸のものを体験すること。

  • 授業ではなく部活動であること。

そして、意識したポイントが以下です。

意識したポイント

  • デザインを体験してもらうにあたって、導入は楽しい部分から入るようにする。(最初の時点で退屈な体験を提供しないようにする。)

  • 全員がデザインに興味を持っているわけではないであろうことと、あくまで部活動であるという前提があるので、学生へのフォローの仕方は気を付ける。

  • できる限り、デザインやMIXIに触れて良かった、楽しかったと思える状態を目指す!!

こういったことから、中学生にとって良い体験にするには、何から話すと良いだろう?何からワークさせると良いだろう?中学生の行動の結果に何を提供できると良いだろう?などなど、まさに体験のデザインをしているなぁと感じる瞬間がたくさんあって、その中での気づきで色んなものを用意することが多かったです。

大変だったこと…

情報設計デザインでは、2022年11月の実施に向けて、2022年3月頃から準備を進めていたものの、何を軸に判断すればよいかの軸がうまく作れず、結局直前まで試行錯誤の連続でした。
やることが決まってしまえば、あとは粛々と準備を進めるだけではあるんですが、やることを決めるための判断軸が本当に難しかったです。
ここは反省点でもありますが、事前のPJのデザインが上手くできていればもっと良い形で進められたのかもしれません。

中学生の声を一部紹介

各回、アンケートを取っていたのでその一部を紹介します。

情報設計デザイン

  • いつもと少し違う視点でデザインについて考えることができました。

  • 人が使いやすいように考えられててすごいと思った。

  • 普段いろいろなアプリを使うときに、そこに取り入れられているデザインのことは考えもしなかったですが、今回実際にデザインを作る側になってみて、使う側にとってどうやったら使いやすくなるかを学んだり考えたりすることで、私たちが簡単にアプリを使うことができている裏にはデザインを考えてくれている人の工夫がたくさん詰まっていることを強く感じました。楽しかったです、ありがとうございました!

  • アドバイスを反映して作ると、自分の作品とは思えないくらい、いい作品が出来上がって楽しかったです。

  • ユーザーの視点からどんなものがあるべきかを考え、それをデザインに起こすことはとても難しかった。

グラフィックデザイン

  • 超エキサイティング!

  • めっちゃ楽しかった!

  • 自分のアイディアを形にできることが凄く楽しかったです。

  • ロミィの色を変えてみたり、動きを回転させてみることができました。

多くの中学生にポジティブに受け取って貰えたようでした。
中には、泣けるなぁというコメントをくれた子も。

学び

今回、PMとしてこのPJに参加した僕の個人的な学びをピックアップするとすれば、PJメンバーを集める時や役割を決める時の考え方がめっちゃ大事ということでした。
様々な場面で意思決定の瞬間がありましたが、今回はとにかく決定するにあたってデザイン知見が必要な場面が多かったです。
そして、僕はサウンドクリエイター、サウンドディレクターという経験はあるものの、グラフィックデザインやUXデザインというところは正直知見が少ないので、迷う瞬間がたくさんありました。
最近では、デザインが広義に捉えられていますが、まだまだPJの上流からデザイン職が入ることが難しい場面も少なくない中で、なぜデザイン職が必要なのか、ということや、PJオーナーやプランナーにデザイン職の良いところを理解してもらうことの重要性を肌で感じることができたPJだったなぁと思います。
冒頭にも記載しましたが、デザイン職の強みは「想い」「構想や設計」「体験」などなど、色んなものを可視化することができること。
そして、それは他の職種と比較した時に圧倒的なアドバンテージを持っているんだなと
あらためて感じたPJでした。
地道な活動を通じて、こういったことが広まっていくと良いなと思います。

最後に

今年度もPJは実施します。
今年度は、情報設計デザイン、グラフィックデザインに加えて、サウンドデザインの実施も検討しています。
また、デザイン領域以外では、プログラミングやAI、セキュリティ講座も実施します。
今期の活動自体はすでに始まっており、現在はPythonプログラミングの講座を実施中です。

デザインのカリキュラムはこれからになりますが、中学生に楽しんでもらえるものを作れるよう、こちらも楽しみながら取り組もうと思っています!